1
/
5

ソーシャルグッドな消費が当たり前の世界にしたい―播CEOインタビュー

フレンバシーはソーシャルグッドとプラントベースの会社です。ニュース番組にも取り上げられたこともあり、女性誌でも紹介してもらったりもあります。ビーガン・ベジタリアンを知っている人たちからはVegewel(ベジウェル)という名前で思い出していただけるほどの会社にもなりました。しかし、「Good Goodな消費の選択肢があふれる社会」にはまだまだ長い道のりがあるように感じております。これから仲間になって貰う人に、一緒にビジョンを実現するために会社の成り立ちや、そしてどのような方向に向かおうとしているのかを知っていただきたく、インタビューしました。

フレンバシーを立ち上げてきた経緯について教えて下さい

立ち上げたのは2015年です。大学のときからいつかは起業したいと思っていました。そのための修行として三井住友銀行に入行し、神戸の法人営業部に配属されました。その後も起業への想いは持ち続けていたのですが、うまくタイミングをつかめず、気がついたら2年経ってしまっていました。社会人3年目に東京の国際系の部署に異動となり、このまま行くといずれ海外転勤になって起業するタイミングを逃すと思いました。異動してからは財務系のシンクタンクへ2年間限定で出向となりました。出向が終わって銀行に戻るまでには起業しようと具体的に計画を練り始めました。期限が2015年の3月末までだったので、そこで退職するということを考えて、辞める前に会社を立ち上げました。それがフレンバシーです。

自分は留学の経験もあるし、エコノミストとして海外の新興国の調査をしていて大使館の人とのやり取りもあったので、海外と日本の間に立てる仕事がしたいなあと漠然と考えていました。色々考える中で、日本国内で海外の人の役に立とうと思って立ち上げたのがフレンバシーです。フレンバシーはFree(自由)とエンバシー(大使館)からつくった造語です。外国の人が日本を訪れたときに、大使館のように頼れる存在になりたいという想いを込めて命名しています。

会社を立ち上げて一番最初に考えた事業は、外国人が日本食レストランを予約できるサイト(TokyoDinnerTicket)でした。昔自分の親がお好み焼き屋をやっていたので、小さい頃から飲食店を見てきたし、自分自身もバックパッカーとして海外を30ヵ国ほど訪問した経験があることから思いついたサービスです。外国の方にも日本のローカルな食事を楽しんでもらおうと考えていました。

Vegewelの誕生と「食のバリアフリー」

ただ、このサービスはうまく行きませんでした。その要因を調査するために、在日外国人の人を集めてユーザーテストを行いました。

操作の様子を録画しながらチェックしていると、ユーザーから「こういうのは美味しそうなんだけど、実は食べられないの」と言われることが一定数ありました。

それがベジタリアンであり、気づきを得た最初の一歩と言えます。特定の物が食べられないということに対する課題解決ができればという思いでVegewelを始めることにしました。ローカルの日本食が食べられるというポジティブな需要よりも、食べられないものというネガティブな需要に焦点を当てることにしました。

最初は訪日外国人向けで英語がメインだったにもかかわらず、日本人からもこういうのが欲しかったという反応が多かったので日本語の情報も拡充してきたという経緯です。

さらに、食の制限の問題は一時的な外食の問題から、ライフシーンすべてに関連するものだということに気付かされました。これには一つ記憶に残っているエピソードがあります。Vegewel立ち上げ準備のため、在日インド人の方にインタビューをした時のことです。その方の子供が卵アレルギーで、まだ誕生日ケーキを食べさせたことがないという話を聞き、非常に驚かされました。世の中にはケーキを(身体的理由で)食べられない子供がいるのかと。僕たちにとっての食の当たり前が、当たり前ではない人たちがたくさんいる。

なので、食の制限に関する課題を解決するということは、色んな人の人生を豊かにしていくものなんだというふうに考えています。ただ、アレルギー対応するだけじゃなくて、色々な「食のバリアフリー」へのアプローチをしていくということが立ち上げた当初から現在に至るまで変わらない想いです。

Vegewel MarchéからGood Good Martでソーシャルグッドを意識

Vegewelをやっていくなかで、プラントベースをもっと体験できる機会を増やしたいということでEC機能をつけたのが、Good Good Martの前身のVegewel Marchéです。ですが、今後の世の中の流れを考えたときに、我々が解決したい問題というのがプラントベースだけでなく、広く捉えたかったので、ブランド名もコンセプトも変えてソーシャルグッドの商品のECとしたのがGood Good Martでした。ソーシャルグッドをテーマにしているので、例えば環境のためにであったりとか動物のためにであったり、途上国のためであったりというふうにいろんなものを集めていきたいと考えています。なぜこういうふうに考えるようになったかというのはVegewelの経験が大きいと思います。運営する中で何百人というベジタリアン・ビーガンという人たちと話をしてきました。そういった人たちはバックグラウンドがそれぞれ違うわけで、ビーガンになった経緯も違います。健康のためという人もいれば、動物のためだったりとか、もしくは環境のためだったりします。ああ、人ってこんなに社会のことに関心持ちながら生活しているんだという気付きがありました。食で社会課題解決ってあり得るんだと思ったこと、そして自分自身も社会課題に関心が高かったことがつながっていると思います。大学では国際文化学部という学部にいたのも関係しているかもしれません。

あと、理由はわかりませんが、僕は途上国の人が満足に飯を食えないという状況に個人的な憤りを感じます。もしかしたら前世では餓死した人なのかもしれませんね(笑)。こういうことがソーシャルグッドという考え方につながっていると思います。ちなみに、プライベートでは10年来、WFP(国際連合世界食糧計画)の募金に参加しています。

なのでこういうことにずーっと関わってきたので、自分たちの事業でこの社会課題を解決できるならやりたいと思ったわけです。

5年後10年後にGood Good Martが果たす役割

これはソーシャルグッドという考え方において重要だと思っているのですが、それぞれの人が重視するソーシャルグッドは違ってていいんです。それぞれの価値観において、筋が通ってさえいれば、どういう基準で選んでもいい。例えば途上国への関心が、フェアトレードにつながるということであったり、それが自分の消費を通じてできるのがGood Good Martであるということであってほしい。そう思っています。これがいいからこうしなさい、みたいなべき論では語りたくない。決して押し付けたくはないです。ただ、色んな人の琴線に触れられるように、切り口は多く用意しておきたいですね。今の価値観で選ぶソーシャルグッドだけではなく、新しいソーシャルグッドを知る場になれればなおいいです。

会社の将来像について思うこと

会社は手段でしか無いと考えています。フレンバシーという会社の存続性やブランドには実は興味はないです。会社が目指している世界観やビジョンを実現できるのであればどんな形でもいいです。VegewelとGood Good Martの事業を大きくし、より大きな社会的インパクトをつくるための最適な形は何なのかと常に考えています。

なので、会社としての将来像や組織イメージは明確には持っていません。あくまで事業ファースト、ビジョンファーストだと考えています。

これから仲間になる人へ

どんな人に仲間になって欲しいかと言われれば、事業の世界観に共感できる人ですね。ソーシャルグッドな消費が行われる社会や、プラントベースでの食のバリアフリーというところに共感して貰える人がいいです。細かいスキル基準はあるけど、まずはそこではないでしょうか。

いかがでしたでしょうか?ソーシャルグッドは身近なところに溢れており、皆さんの中にもオーガニックやフェアトレードなど触れたことがある方もいらっしゃるかと思います。フレンバシーではGood Goodな消費を一緒に広めてくれる仲間を探しています。少しでも気になったらまずはお話しませんか?

皆様からのご連絡お待ちしております。

Frembassy Inc.では一緒に働く仲間を募集しています

同じタグの記事

今週のランキング

高見沢 徳明さんにいいねを伝えよう
高見沢 徳明さんや会社があなたに興味を持つかも