方正は2020年6月にDX推進室を新設しました。方正のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、世の中を変えるDXです。それは、クラウド、ビッグデータ、AIなどを活用し、リアルタイム経営を実現することです。DX推進室を発足させた管は、クラウド時代ならではのビジネスのあり方、すべてのステークホルダーと共創を続けるオープンイノベーションの考え方を熱く語りました。今週から3回に分けて、管から「方正のDX」についてお伝えします。
方正の目指すDXとはどのようなものなのか
方正は、IT革命に積極的に参加し、社会のDXの大きな力になることをミッションとしています。そのためにIT技術の活用方法をバージョンアップさせる必要があります。それがDX、つまり、デジタル化とデジタルのレベルアップを図ることです。
例えば電話で行っているカスタマーサポートをAIでコントロールするとか、顧客確保のために人が訪問していたものをネット利用するなどです。また、ソフトウェアの作り方や提供の仕方もオーダーメイドから、クラウド化やサブスクなどに展開することで、自社のDXを実現すると同時に、お客様のDXを実現することになります。
方正自身も、今までデジタル化できなかったものをデジタル化し、次に、デジタル化しているものを更に高度化してゆき、最終的には、今後数年をかけてパーツではなく全体的な大きなデジタル化の実現を目指していかなければならないと思っています。
今まではほとんどオーダーメイドで作ってきましたが、今後は言われたものだけでなく、われわれの経験で肉付けしたものを提供すると同時に、お客様と相談した上で汎用性を高め、お客様のコストを下げると同時に収益も上げていきたいと考えています。
段階的にDXすることが必要
オーダーメイドで1社から何千億円というビジネスモデルより、1人に何百円課金する(サブスクリプション)モデルのほうが持続するし、パフォーマンスを上げられる時代です。汎用的なクラウドだけでビジネスモデルを構築する会社はまだまだ成長していきます。
DXは1か0ではなく、0.1と0.2、もっと細かく0.001に刻む、といったように、徐々にトランスフォーメーションしてゆくことができます。IT化を全くしていないところは何かのシステムをまず入れて0.1を実現する、最低限のIT化ができているところは0.2、0.3と進める、あるいはジャンプして1.0を目指しても、どの選択肢を選んだとしてもDXです。DXは永遠の課題で、成熟は当面無いのではないかと思います。たぶん2050年までAIやビッグデータ中心にどんどん変化するので、段階的にDXすることが必要になってきます。
新しいものを、暖かく受け入れる姿勢で臨む
日本ではDXに対する抵抗勢力が強い。日本人は新しいものに対しても完璧なものを求めます。しかし、それは「生まれた瞬間から大人であること」を求めるようなものです。新しく世の中を変えていくものは、最初は必ずベイビーで、言葉もうまくしゃべれないし、いろんな意味で迷惑ばかりかける。それでもうまく愛情を与えて育てていくと、いずれわれわれを引っ張っていってくれる人材になるんです。新しいものに対して厳しい見方をするのではなく、温かく受け入れていく姿勢が望ましいですね。