フローレンスにふるさと納税を通じて寄付をしてくださった男性(45歳)から、体験談の寄稿をいただきました。
とある日の、ふるさと納税やフローレンスの活動との出会いが、彼をどう変えたのか。
ぜひお読みください。
ふるさと納税ってお取り寄せ通販じゃないの?
こんにちは。都内でサラリーマンをしています、佐々木です。
先日、フローレンスのことを初めて知り、「#ふるさと納税でこどもを助ける」キャンペーンに賛同し寄付をしました。
人生、初ふるさと納税です。寄付も、赤い羽根募金以来です。
ふるさと納税って、いっときブームになってTVで特集されてるのを観ました。その時は、
「全国各地から肉や魚や名産品をお取り寄せするシステム?」
「納税っていうからには何か税関連の手続きが必要?」
「そしたら会社の経理に相談しないと使えないんだろうか?」
アタマの中が「???」だらけだし、通販のメンドクサイ版みたいなイメージで、Amazonで1click!派のワタシは興味なし、とスルーしていたんです。
でも、今さら人に聞けない「ふるさと納税」に初めてチャレンジした私の体験が、同じ気持ちのパパの背中を押すきっかけになればと思い、寄稿させていただきました!
イクメンから程遠いイケてないパパですが?
私は、妻と共働きで10歳と6歳の男子を子育て中のパパです。
最近はイクメンという言葉さえやや古臭くなりました。妻と子と職場に愛され、人生のベストバランスを手にしたリア充パパが、SNSにも増えたように思います。
一方で私はといえば、コロナを経たって働き方も変わらない昭和な職場に勤めているために、妻にはワンオペを強いている不本意な日々。
サービス残業あたりまえのややブラック臭が香る中小企業なので、早く帰って子どもの勉強を見てやる時間もとれず。帰宅してから皿洗いや風呂洗いなどをやり、朝はゴミ出しと朝食の手伝いくらい……。
妻には「ねーイノッチ、ジ●ニーズアイランドの社長就任だって!イノッチってパパとしても完璧で有名だよね、毎朝5時に起きて夜9時に子ども2人と一緒に寝る生活してたって聞いたことある。いいなあイノッチ」とイクメンじゃないことにも暗にイケメンじゃないことにも不満を言われるような、そんな私です。
でも、パパになってからはやはり子どもや育児に関わるニュースには敏感になりました。
私が、最近どうしても心をぎゅっと締められるように感じるのが、「子どもの虐待」に関する日本国内のニュースでした。
息子たちと同じような年齢の子どもが、親による虐待で亡くなる。幼い子どもたちの被害を報道するニュースは、辛くて目を背けたくなります。
「子どもを虐待したい親なんて、いるのだろうか?」
「産まれたばかりの赤ちゃんを公園に捨てるって、どういう状況なんだろう?」
何度も同じような報道に触れる中で、私の中でそんな疑問が生じました。
事件を起こす家庭は、フツウじゃない親なんだろう。
最初はそう感じましたが、我が家だって虐待と本当は隣り合わせかもしれないと考えるようになりました。
今ですら、妻はワンオペ育児が常態化し、時おりひどく疲れて見えることがある。
朝、登校の支度が遅い息子たちに向かって親が大声で怒鳴るのも、日常茶飯事だ。
逆に、たとえば妻が急に寝たきりになって、私が子育てと家事、仕事、看護を急に独りでやることになったら。限界の心身状態で、息子たちに手をあげることなく関われると言い切れるか。
また、万が一私が今いなくなったら、妻の年収は250万程なので「相対的貧困」ラインに非常に近くなる。
そしてそうなった時に、生活にも気持ちにも余裕がなくなり、子どもをネグレクトしてしまう可能性はないか。
きっと、親が社会的に弱い立場になったときや、心身の余裕がなくなったり、孤立してしまった時に、子どもに最悪の形でしわ寄せがいく。それが虐待の真相なのかもしれない。
そんな気持ちが募っていたものの、自分になにができるわけでもないしと思っていました。
しかし、偶然新聞で読んだのが「ふるさと納税」で社会や地域の問題を解決するために寄付を集める「ガバメントクラウドファンディング」という方法があるという情報。
最近はなにかと気取った横文字にすればいいと思って……。チッ
と、日常に潜む自分の中のオッサントラップに危うくかかりそうになりましたが、ネットで簡単に寄付できると書いてあり、ギリギリもちこたえ読み進めました。記事には、犬猫の殺処分をゼロにする、とか、重要文化財を修復するため、といったプロジェクトが紹介されていました。
へー、ふるさと納税ってお取り寄せ通販じゃなかったんだ!恥ずかしながら、こんなレベルだったんです。
心の霧が晴れるような出会い
記事で紹介されていた「ふるさとチョイス」の中のガバメントクラウドファンディングというWEBページで、試しに検索窓に【こども 虐待】と入れてみました。
すると、目に飛び込んできたのがこのプロジェクトでした。
【週に1人、子どもが虐待で亡くなる日本。防げるはずの悲しい事件から子どもたちを救いたい】
週に1人子どもが虐待で亡くなっているだと?!さすがにそれは何かの間違いでしょうよ・・
しかし、このプロジェクトでは詳細な実態が伝えられていました。
児童虐待相談対応件数は年々増え続け、2021年度に過去最多の20万7000件を超えました。
2020年度、虐待により死亡した子どもの数は77人。
1週間にひとり、もしくはそれ以上の幼い子どもの命が、今も失われています。背景には、DVや性被害により予期せぬ妊娠を誰にも相談できずに出産の日を迎えてしまったり、親が相対的貧困の状態に置かれていたり社会的に孤立した状況にあるなどして、精神的に追い込まれてしまうことも挙げられます。
言葉を失った私ですが、このプロジェクトサイトでは、初めてフローレンスという団体についても同時に知ることとなりました。NPOなんて業界とは縁もゆかりもなかった私の、未知との遭遇です。
全国で様々な子育て支援活動をおこなっており、特に「厳しい環境にある親子の孤立を未然に防ぎ、虐待をなくす」という活動を拡げていきたいとのメッセージが綴られていました。
NPOってなんだかよく分からんし胡散臭そう、などと思っていた私ですが、フローレンスの活動は信頼できると感じました。
子育てって一過性のものではないし、何かひとつサポートがあれば解決するような簡単なものではない。
100家庭あれば100通りの「困った」瞬間や、「助けてほしい」状況があると思います。
だから、特定のケースに対応する事業というよりは、障害児家庭、ひとり親家庭、特別養子縁組家庭などいろんな家庭の支援事業を包括的に運営しているホールディングスみたいな活動のほうが、虐待を防ぐセーフティネットとして機能するでしょう。
多様な保育現場や支援現場で、親や子どもの様子や生の声を直接拾うこともできるのだろうと想像します。
それから、気に入ったのは「政府や行政に物申して、制度も改革している」ところ。
上司に「ハイ!かイエス!」しか言えない私でも、フローレンスを応援することで世の中の制度や子どもの環境を変える一助になれるなんて気持ちが良いことです。
いくつか他にもガバメントクラウドファンディングのプロジェクトのページを見ましたが、フローレンスの活動が一番私が考えていた子どもの虐待防止のためにしたいことに近い気がしました。
え?!返礼品ももらえる?
とはいえ、小学校の時赤い羽根募金くらいしか寄付したことなんかない人間です。そもそも我が家は他の家庭のために寄付ができるような、経済的余裕もない。
そして、致命的にめんどくさがりなので税金のあれこれ手続きとかムリムリ。
寄付なんて柄にもない。やっぱ、よくわかんないしそっと閉じしよう。
オッサントラップ発動レベル急上昇!!(そろそろオッサンなる概念全体に失礼感がでてきました)
そこに飛び込んできたのは、
なんと素敵な返礼品の数々!!
ガバメントクラウドファンディングには、返礼品なしのプロジェクトが多いと新聞には書いてあったけど、返礼品があるんだ。
これは単純に嬉しい。モチベーションは即満タンに回復し、子どもと一緒に行けるイタリアンのお店のお食事券を返礼品に選び寄付申込みへと進みました。
【ふるさと納税で応援】のボタンを押して、金額を入力してみました。
そこからは驚きのスピードだったので、ワン・ツー・スリー!の華麗な3ステップをご覧ください。
①使い慣れたAmazonアカウントでログインできた!
②自動入力で会員登録も、寄付の申込みもあっという間にできました。
③クレジットカード番号を入力して、支払うボタンを押しました。
行政の考えることだ、きっと延々とこの先まだまだ面倒な手続きがあるはずだ…!
と身構えましたが、画面はもう次には切り替わりません。
あれれ?これで終わりですか。Amazonの1click!と大して変わらないストレスの無さ。
ちなみに、ワンストップ納税というのに申し込むと確定申告しなくていいらしいです。
確定申告文化に馴染みのない私のようなサラリーマンの皆さんには、ぜひワンストップ納税をオススメします。
あっけなく終わりました。ふるさと納税ブームに乗り遅れたオジサンの、初めてのふるさと納税寄付。
たった2000円の自己負担で、今回は50000円もの寄付をすることができました。
サイト内に、このようなシミュレーションができるツールがあります。
(私の場合10万円以上控除枠があるようでしたが初回なので、ひよって半額にしてみました)
2000円で、子どもの虐待をなくす活動ができたし我が家は返礼品までもらえて、三方良し。
……こ、これが部長がよく言う「レバレッジがきく」ということか!
子育ては社会みんなですれば安心
でも寄付というアクションができたことで、胸の中がポッと熱くなりました。
これで、日本のどこかでお米やお菓子を待っている家族に食料が届き、親も子どももひととき笑顔になるかもしれないな。
たった独りで妊娠に悩み大きなお腹を抱えて泣くような女性がいなくなればいいな。
我が家の家族がなんとか幸せに暮らせているのは、見えないところでたくさんの社会の仕組みやつながりに支えられているからだということにも、気づきました。
この国で子育てする親は、誰ひとり孤立したり追い詰められてはいけない。
この国の子どもたちは、誰ひとり虐げられてはいけない。
また、子育て中のパパとして、今回小さなアクションができたように身近にできることから探そうと感じました。
これからは職場の同僚を誘って飲みに行くのではなく、「今日は一緒に定時帰りしようぜ」と誘ってみます!
子どもの寝顔しか見られず妻にワンオペさせている生活を本気で変えたい、という気持ちもハッキリと芽生えました。
新しい職場も、年が明けたら探し始めようと思います。
※ふるさとチョイスの「フローレンスのプロジェクト」ページは12月に一部改修し、本寄稿時とは内容が若干異なります。
佐々木さんのふるさと納税体験、いかがでしたでしょうか。
佐々木さんの寄稿にあるとおり、ふるさと納税は実質2000円の負担と簡単な手続きで、気になるプロジェクトを支援することができます。
食べるものにも困るほど苦しい環境にいたり、誰にも頼ることができず追い詰められている親子が、この日本にいます。
フローレンスは国内の親子領域の社会課題解決のため、大規模な支援活動を運営していますが、新規事業の開発・運営や政策提言などは全て持ちだしでおこなっており、スタート時には赤字の事業も少なくありません。
より深刻な課題に向き合う近年は、支援先からはお金をいただかず寄付を原資とする事業モデルも増えています。
フローレンスが今後も活動を全国に広げ、寄付者の皆さんと共に日本の親子の笑顔を守ることができるよう、ふるさと納税での応援をよろしくお願いします。
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