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事業拡大を影から支える、フローレンスの人材育成担当とは?【インタビュー】

スタッフ数人で始まった病児保育から、小規模保育のおうち保育園、障害児保育と、事業領域を広げてきたフローレンス。少しずつ事業を拡大してくることができたのは、同じゴールに向かって走る仲間を増やしてきたからこそですが、いっぽうで、単に仲間を「増やす」だけではなく、「育てる」ということが、事業推進のためには欠かせません。保育スタッフなどと違ってあまりフォーカスされることのない、人材育成担当。今回はフローレンススタッフの成長を支える2人がそのやりがいを語ります。


宮崎真理子

認定NPO法人 フローレンス ディレクター2008年フローレンスに入社。働き方革命事業、病児保育事業、小規模保育事業のマネージャーを歴任後、ディレクターに就任。現在、ディレクターとして組織運営全般を行う。2児の母。


篠田美穂

認定NPO法人 フローレンス 代表室 人材育成担当ODA(政府開発援助)を中心とした公共調達の専門機関に入社、途上国への機材調達や現地での調達指導を経験した後、人事部門で採用、労務管理、制度設計、人材育成を担当。2015年フローレンスに働き方革命事業部人事担当として入社。2016年より現職。1児の母。


ーまずは、人材育成担当の業務内容を教えてもらえますか?

篠田: フローレンスの人材育成の仕事は、大きく2つに分かれます。ひとつは、病児保育やおうち保育園といった、事業部ごとに行っている保育のスキルアップの研修。もうひとつは、事業部を横断した人材育成や、時期によって開催されるスポットの研修です。私が担当しているのは主に後者の、事業部横断の人材育成や、単発研修の企画運営ですね。企画をするだけでなく、私自身が研修の講師をすることもあります。所属としては宮崎ディレクターの直下にある代表室という部署になります。

宮崎: WEBチームや事業企画、人材育成など、事業部横断の業務については、代表室といって、各事業部から独立した部門として動いています。人材育成については、篠田が主担当、私がときどきサポートに入るという感じで、2人で進めています。


ー具体的な人材育成プログラムの内容を教えてください。

宮崎: 保育の現場で働くスタッフが多いので、まずはなによりもお子さんを安全に保育する保育者の育成が重要ですね。ただ、単に保育のスキルアップだけが目的ではなくて、フローレンスのビジョンや保育クレド(約束)といった、理念を体現できる人材育成を目指しているのが特徴的なところだと思います。

篠田: 具体的な育成コンテンツとしては、まず、新しく入社したスタッフ向けの入社時研修とOJT支援。ここ何年かは新卒スタッフも採用しているので新卒向け導入研修もありますね。それから、保育スタッフで言えば主任、園長、事務局ならサブマネージャーなど、階層別のキャリアアッププログラム、保育専門スキルを高めるプログラム。さらには、それに加えて人事やマネージャー陣といった何人かのチームを対象にしたチームビルディングのプログラム、コンプライアンス研修やダイバーシティ研修などなど……

宮崎: 改めて見ると想像以上に盛りだくさんですね。私たち、けっこうがんばってるかも(笑)ただ、本当に2人きりで進めているというわけではなくて、プロジェクト的にチームを組んで進めていく研修も多いですね。

篠田: たとえば、おうち保育園の園長研修がそうなんですが、代表室と小規模保育事業部から園長研修を担当するメンバーを決めて、年初に、年間を通してこういう研修をしていく、という計画を策定して、運営しています。


ー各事業部にも育成を担当するスタッフがいると思うのですが、どのように連携しているんですか?

篠田: 代表室には1名ですが、病児保育、小規模保育、障害児保育の事業部それぞれに研修担当がいます。全部で7、8名のメンバーで保育スタッフの育成プログラムを策定したり、研修講師を持ち回りで担当するなどしています。また、普段は育成がメイン業務でなくても、個別の育成プロジェクトに参画し、リーダーとして企画運営に携わっているスタッフもいます。

宮崎: 人材育成担当でない人も研修プログラムの運営に積極的に関わるところは、フローレンス独特かもしれません。ちなみに篠田さんは、フローレンスに来る前から人材育成の仕事をやっていたんだよね。

篠田: はい。フローレンスに転職する前は、ODAを中心とした公共調達の専門機関で働いていて、採用、労務管理、制度設計、メンタルヘルスなど人事全般や人材育成の業務を担当していました。その流れで、フローレンスには、人事の労務・育成担当として入社しました。去年の7月ですね。

宮崎: どうしてフローレンスに転職したの?なんか、採用面接みたいで、ごめんなさい(笑)

篠田: いえいえ(笑) フローレンスのことは育児の当事者として以前から知っていて、「病児保育だけじゃなくて小規模保育園の運営も始めるんだ」「障害児保育にも手を出すのか、すごいな~」という感じで、ずっと注目していました。前職は国際協力の仕事でやりがいもあったんですけど、出産を機に、自分の半径20kmくらいの社会問題が気になり始めて。

宮崎: 自分の身近な社会問題ということだよね。

篠田: はい。それで、たまたまひとり親支援の寄付をしようかな、とフローレンスのホームページを見たときに採用募集が目に入って……今にいたります。以前は今のように事務局スタッフのお仕事説明会はなかったので、応募するときはちょっとどきどきしましたけどね(笑)


ー前職でも人材育成に携わっていたとのことですが、他の会社とフローレンスの人材育成の違いはどんなところでしょうか?

篠田: 特徴的なのは、先ほど宮崎からあったようにビジョン、理念を大切にするということ、それから、ひとことで保育といってもスタッフが多様であることだと思います。何が多様かというと、まず職種が多様です。大きく分けると、いわゆる「本社」に当たる本部で働く事務局スタッフと、おうち保育園や病児保育の現場で活躍している保育スタッフを中心とした現場スタッフがいるんですが、現場もいろいろあります。保育園で子どもをお預かりするおうち保育園、障害児保育園ヘレン、お子さんのお宅で保育を行う居宅訪問保育の病児保育、障害児訪問保育アニー
と、現場は大きく4つですね。

宮崎: 「保育」に共通するスキルはありつつ、保育するお子さんの障害の有無や病気の症状、それからマンツーマンの保育か施設保育かによって必要な知識やスキルに違いが出てくるので、個別に育成プログラムを作っていく必要があります。
さらには、看護師や調理師といった異なる専門性を持った人材もいて、それぞれ個別の能力開発が求められます。ひとことで保育NPOといっても、人材の彩りはかなり鮮やかだと思います。

篠田: 育成担当としては大変ですが、同時にすごくわくわくするフィールドですね。事務局スタッフも、中途採用がメインなのでそれぞれにさまざまなバックグラウンドを持っていますし、担当する業務も経理、人事、企画、Web、広報、採用と多岐に渡ります。中小企業と変わらないですね。個々人を見ても、独身、子育て中、介護中、またLGBTの当事者などバラエティ豊かです。

宮崎: 多様というか、変わった人もたくさんいて、とても楽しい職場ですよ(笑)


ーフローレンスの人材育成のやりがいって何ですか?

篠田: まず、スタッフ個人の自己実現、スキルアップや成長をサポートできるというのがありますね。これはきっと他の企業などでも同じだと思います。

宮崎: やっぱり、人が成長する姿を見るのは楽しいよね。

篠田: そうですね。フローレンスならではという点では、スタッフの成長が社会課題解決に直結するところが醍醐味ですね。スタッフが成長することで、より多くの困っている人を助けられたり、あるいは保育の質が高まることで、子どもや親御さんの気持ちにしっかり寄り添って安心感を与えられるようになると思うので。

宮崎: フローレンスは、保育事業がメインなので、人材の力が事業やサービスの品質に直結します。だから人材育成が果たす役割はとても大きいし、やったことの成果が感じられやすいというのはありますね。


ー人材育成の課題はどういった点ですか?

宮崎: フローレンスは設立して12年になり、現在ではスタッフ数が総勢400名以上と、NPOとしては大所帯になりつつあります。なので、人数が多くなっても、きめ細やかにスタッフの成長をサポートするための仕組みづくりや人員の確保が急務です。

篠田: 3年前から新卒スタッフも採用し始めたということもあって、スタッフのキャリアアップのサポートも重要視しています。新卒はもちろん、中堅スタッフ向け研修、また、組織の成長にあわせてキャリア研修の充実も今後の課題です。


ー人材育成における目標はありますか?

篠田: スタッフ自身が「フローレンスで働いていることを誇りと思える」ようにしていきたいです。外部から見た人材の評価も重視したいですね。例えば保育スタッフであれば、保育業界で「フローレンスで働く」ことが保育人材として高い価値を持つような人材育成を進めていきたいです。

宮崎: 保育スタッフが「フローレンスで働いてるんですか?それはすごい!」と言われるような、そんな感じになったらいいなと。

篠田: だから、事業を拡大していくだけでなく、常に質の高い保育ができるよう、研修や人材育成の面からサポートしていきたいですね。

宮崎: そうなんです。だから、ここからが本題なんですけど……仲間がほしいなって(笑) 一緒にフローレンスの人材育成にコミットしてくれる人を大・大・大募集中なんです!篠田さんは、どんな人に来てほしい?

篠田: 部署を越えて多くの人を巻き込む仕事を、前向きに捉えられる人がいいですね。自分で育成に関する課題を発見して、その問題を解消するための策を講じ、人を集めて実施する。それを主体的にできる人かな。

宮崎: そうですね。巻き込み力大事。

篠田: そして、ちゃんと振り返りを行い気づきを次に活かせる人、更に言えば公私ともに人生を楽しんでいる人……がいいですね。

宮崎: 仕事はもちろん大変なこともたくさんありますが、やっぱり、「いろんな家族の笑顔があふれる社会」を作るためには、自分たちも笑顔で、楽しくやっていきたいですからね。

ーありがとうございました。


保育サービスは、スタッフの育成が事業の品質に直結するため、人材採用だけでなく、育成・研修のもつ意味が非常に大きい分野です。また、事業の拡大により、事務局のスタッフも増え、多様な人材が働くようになってきた今では、単に「社会に貢献したいから働く」というスタッフの気持ちに頼るのではなく、フローレンスという組織における「キャリアの積み方」をしっかり検討し、仕組みに落としていく必要があります。そんな、責任と手応えが一体になった、フローレンスの人材育成。多様な人材の「育ち」を間近で見てみたい方、そしてそのために力を尽くしたいという方、お待ちしています!

■まずは話を聞いてみたい……という方は、ぜひ11/22(火)の説明会にご参加ください!

http://florence.or.jp/news/2016/11/post12659/

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