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フローレンスは、親子を取り巻く社会課題の改善を目指しているNPOで、現在、約数百名が所属しています。多様なメンバーの「働く」を支えるいるのが、法務・総務業務を主に担っている通称「オペレーションズ」です。
メンバーは、普段は現場で働く保育スタッフや、特別支援学校を卒業して入社したスタッフなど、色とりどり。
バックオフィスの仕事現場やその思いを、個性的なメンバーがリレー形式で紡ぐ言葉から感じ取っていただければうれしいです。
今回はフローレンスの訪問型病児保育事業部から「オペレーションズ」に兼務〈社内留学〉をしているスタッフが業務について紹介をします!
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私はフローレンスの訪問型病児保育事業の病児保育スタッフとて入社しました。
病児保育スタッフは「こどもレスキュー隊員」と呼ばれており、その名の如く、病児保育会員さんの予約に基づき、事務局担当者からの「出動依頼」を受け、コーディネート(アレンジ)された、会員さん宅の病気のお子さんのもとへ「かけつけ」ます。
その「出動依頼」は、概ね前日の夜20時頃に決まりますが、時には勤務日当日の、保育開始希望時間の2時間前に決まることもあります。
お子さんが病気になるのは突然で予測ができないため、その性質上、
-明日はどこの現場へ行くのか?
-明日は何時から何時の勤務なのか?
と直前まで予定が分からない、なかなか面白い仕事だと私は思っています。
アレンジされた会員さん宅に向かうために、初めて乗る路線は小旅行気分だし、初めて行く駅前や商店街は勤務後に美味しそうなお店やさんなどを見つける楽しみがあります。
そうは言っても、一期一会のしかも病気のお子さんをお預かりする責任感と緊張感は毎回半端なく、またマンツーマン保育という特性上、自分自身の健康状態にとても気を遣って保育にあたっています。
私たち「こどもレスキュー隊員」は、常に多くの研修を重ねています。さらに、保育現場に出た時にも、事務局スタッフや看護師が、電話の向こうから、または直接的に私たちを支えてくれ、心強さの中で安心安全の保育現場を作っています。
私はそんな「こどもレスキュー隊員」が好きで、この仕事をとても誇りに思っています。
なぜ私は「こどもレスキュー隊員」になったのか?
簡単な自己紹介も含めてお話ししておきます。
私は(何を隠そう)アラフィフで結婚は27年前。結婚後すぐに妊娠し1年後の出産を機に前職の印刷業を退職。その後3人の子育てと主婦業の傍ら、少しのパートと、子どもの通う学校のPTA役員、子どものためのボランティア活動などをしてきました。
実は私の第二子である息子は障害を持っており、幼い頃から車椅子で生活をしています。
息子が1歳の時に病気が分かったのですが、その当時私は、障害児を育てる心細さや難しさを感じながら、どんな風に子育てしていけば良いのかとても悩んでいました。
そしてそのうち、「社会の当たり前」が「息子の当たり前」と大きく差があることに気付き、それが障害を持つ子の親の子育ての悩みに繋がっていると気づきました。
でも子育ては障害があってもなくても大変です。私は子育て支援の大切さと社会問題を解決して行くことの大切さを痛感し、自分の子育てが一段落したのを機に保育の世界へと少しずつ近付いて、とうとう保育士資格を取得し、保育現場経験を少し重ねたのちに、フローレンスに辿り着きました。
こうして私は2018年4月「こどもレスキュー隊員」になったのです。
この先も「こどもレスキュー隊員」として…
この面白い仕事を、少しずつ保育スキルを向上させながら、これからも変わりなく続けていくのだと思っていました。
…が、世界中がコロナ禍の影響を受けた2020年、私の仕事も例外なく、少なからず変化することが必要になってきて、2020年8月以降は、これまでの保育現場の仕事だけではなく、事業部を越えて事務の仕事(総務へルプ業務)を半々で兼務することになったのです。
事務の仕事なんて、遠い独身時代に少しだけ経験があったくらいで、しかもその頃は黒い画面に緑の文字が羅列していただけで、今のパソコンの仕様とはまるで違うものでした。
ただ有難いことに、その数年後にたまたま転職した印刷会社でMacintosh(Mac)の研修に参加させてもらい、現在のパソコン操作の基礎を教えてもらえました。
けれど、その後すぐには設備の問題もあって、その会社内では実用にはいたらず、仕事でMacを扱うことなく、出産で退職してしまいました。
けれど今思えば、その研修に参加させてもらえたのは、とてもラッキーなことでした。
それから何年も経ってから家庭用PCを購入しました。プライベートの中でPTA関係やボランティア活動などでのPCの扱いは、当時の研修がとても役立ちました。
けれど、それが仕事として通用するとは到底思っていませんでしたし、当然自信なども全くありませんでした。
兼務が始まってから8ヶ月…
総務ヘルプ業務の一部を任される中で、プライベートで細々とPCを扱ってきたことが、気づけば仕事につながっていることに私はとても驚きました。
私のPCスキルが仕事では使えるわけないと思っていたのに、そうではなかったことに気づき、そのことが仕事に対しての少しの自信につながっていきました。
総務スタッフの方々は丁寧に、とても優しく、ときには厳しく、情熱を持って教えてくださり、いろいろな仕事にチャレンジさせていただき、PCスキルの向上はもちろん、新たな知識も増えていきました。
この兼務は私にとって、今後の仕事においての大きな自信につながることとなりました。
始めたときにはまるで想像もしていなかった結果となり、まさにこれは『留学』だ!
と思いました。
これまで、病児保育事業部内の一部のスタッフと日々仕事をすることが多く、今思えば、狭い関係性の中で仕事をしてきていました。
今回、他事業部スタッフと関わる機会が増えたことにより、これまでよりさらに多くの社内の方々とつながりを持つことができ、この会社のことをより理解する機会も増えたことで、保育現場の仕事がたくさんのバックアップのもとにあるのだと実感することができました。
私たちは保育業務内でPCを扱う機会はなく、基本的にはスマホを使って業務を行っています。その私が、PCを用いた業務経験をしたことによって、少なからず業務への取り組み方にも変化があり、「こどもレスキュー隊員」としての仕事が、これまでより深みが出たように感じています。
「木」だけでなく「森」が見えるようになりました。
私は近い将来、この総務での『留学』を終えることになりますが、他の「こどもレスキュー隊員」が私と同じように、この『留学』体験をして欲しいなぁと思っています。
フローレンスの「こどもレスキュー隊員」はまだまだ凄くなりますよ!
総務オペレーションズチームへの感謝なくして語れません!!
ありがとうございます ٩(^‿^)۶