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オルタナティブデータ解析に強みを持つナウキャストでのインターンについて、インターン3年目の河野さんに聞いてみた

POSデータやクレジットカードデータなどのオルタナティブデータを解析し、消費や経済の“今”を知るサービスを提供する株式会社ナウキャストでは、学生インターンが多数活躍しています。

今回、学部時代からナウキャストでインターンをしている河野さんにお話をうかがいました。

河野 遥希 さん(東京大学大学院 東京大学大学院経済研究科 修士1年)
2017年9月から現在まで、株式会社ナウキャストでインターン中。大学院での研究テーマは統計モデルの評価指標である「情報量規準」。
(Finatextグループは全社的なリモートワーク中のため、ビデオ会議でのインタビューとなりました。)


- まずは、これに触れずにはいられません……令和元年度東京大学総長大賞の受賞、おめでとうございます!

ありがとうございます。

- 河野さんがインターンの傍らそのような研究をしていたとは誰も知らなくて、本当に驚きました。どんな論文なのか、簡単に教えていただいてもいいでしょうか?

経済学の一領域であるゲーム理論において草分け的な40年くらい前の論文があるんですが、その定理の証明に間違いを見つけまして、それを回避するかたちで違う証明を考えたものです。

学部4年のゴールデンウィーク頃に着手して、学術誌に投稿したのは8月下旬というスケジュールでした。

ナウキャストでのインターン業務は経済学よりも統計学との親和性が高いので、言われてみればあまり話題にしたことがなかったですね。

- 着想から論文投稿までたった4ヶ月とは、超特急ですね!インターン業務との両立は大変だったのではないですか?

研究はゼミの先生と一緒に取り組んでいましたし、インターン業務は週2日の出社時間中に完結させるようにしてメリハリをつけていたので、それほど大変ではなかったです。

- さ、さすがです。そんな河野さんがナウキャストでインターンを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

学部2年の時にWantedlyでインターン募集をしているのを見つけて、自分で応募しました。

直前に3ヶ月くらい留学していたのですが、塾講師のアルバイトを留学を機に辞めていて、何か新しいことをやろうかなと思っていました。当時からプログラミングやデータ解析に興味があって自分でも勉強していたんですけど、実践しながら学べそうなところを色々と探している中で、ナウキャストを見つけました。経済学部なので金融にも興味がありましたし、なおかつデータの話もできるので、ここがいいなと。

現在はリモートワーク中ですが、普段は授業が比較的少ない曜日を選んで週2日出社し、各4~5時間くらい稼働しています。

- どんな業務をされているのですか?

どちらかというとR&D的な業務をやらせてもらっています。インターンを始めた頃は、自然言語処理と機械学習を用いて経済ニュースの動向から財政政策・金融政策の予兆を読み取る予測モデルの構築に取り組んでいました。現在は、あまり詳しく言えないのですがPOSデータを用いた新しいサービスの企画に携わっています。

- もともと経済学部とのことですが、業務に必要な知識やスキルはどうやって習得したのですか?

プログラミング言語の知識自体はほとんど独学で覚えて、あとは業務の中でわからないことが出てきたらその都度調べたり、メンターの片山さんに聞いたりしながらやっています。主な教材は公式のドキュメントですが、実際に手を動かさないとわからないことがけっこうあるので、試行錯誤の苦労はあります。

基本的にPythonで書いているんですが、インターンを始めてから一番勉強したのはAWS周りですね。分析対象となるデータが格納されているのがAWSですし、試作したモデルを全データに適用する際は自分のローカル環境だと分析が一生終わらないので、AWS Batch等のツールを使いこなす必要がありました。コードを書いてクラウドに投げて、返ってきた結果を見てまたコードを書いて……というサイクルを何度も回す感じです。

            (インターンを始めた頃、メンターの片山さんと。)

- インターンを通して得られたものや、今感じている課題などがあったら教えて下さい。

まず人の面でいうと、大学に通っているだけではなかなか出会えない人とつながれて、個人的に興味のある統計学や機械学習、純粋な数学などの深い話を高いレベルで話せる場だったことは、インターンを始めて本当によかったと思います。

技術面でいうと、圧倒的にスムーズにいろんなことが実現できるようになってますし、DockerやAWSは一人でやってたら絶対手を着けていなかったと思うんですが、そういう知識が断片的にでも得られているというのは大きいです。

また、卒論を書いた時もそうでしたし今の統計学系の研究もそうなのですが、理論をガリガリやるだけでなく、最後の方でシミュレーションをして理論の有効性を数値的に示さなければいけない。そういうところでほとんど苦労なくコードが書けて短時間で結果が得られるので、かなり役立っていますね。そこで無駄に時間をとられるのは本質的ではないので。

一方で、分析モデルを構築する前のローデータの下処理に必要な勘はまだまだ育っていないと感じています。大学の研究だけではなかなか身につかないスキルで、メンターの片山さんに相談することが一番多いです。実データで経験を積んで、効果的にデータを可視化して、筋のいい仮説を立てられるようになりたいですね。

- 最後に、この記事を読んでナウキャストでのインターンに興味を持った方に向けてメッセージをお願いします!

ナウキャストは経済分析に強いベンチャーですが、インターンに関しては必ずしも専門が経済である必要はないかなと思います。データ解析やプログラミングがやりたいというよりも、何かしら自分の専門があって、その手段としてデータ解析を身に着けたいと思っている人に向いている気がします。個人的には、僕とは全然違う専門性を持った方が来てくれるとうれしいですね。異なる専門領域が出会うことで生まれる新たな分析視点や知的発見に期待しています。

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