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社長のメッセージ

私達はまだ社員数が60名ほどの小さな組織ですが、スタッフの経歴は幅広く、音響の世界で名のある研究者、音響を学んだ新卒、大手企業からの転職組、子育てのブランクを経て再就職した方、外国籍の人、元フリーターまで様々です。
オーディオ業界とは無縁の人も多く、役員も全員オーディオ業界出身ではありません。
年齢もキャリアも専門分野も異なり、共通しているのは好奇心が強いところだけですが、組織としての一体感は強いように感じています。

近年、強い組織を作るには会社の理念への共感が必要だと言われております。しかし私はそれによって人が行動を変えられるとは思えません。
人は長期的には、その人なりのインセンティブによってしか動けないものだと感じています。
私達にとってそれは好奇心の発揮であるようです。
好奇心は内発的なものであり一般的には好ましい資質と見なされていますが、組織や仕事内容によってはそれを抑える必要があります。
好奇心が強い故にストレスが増すことも多々あるものです。finalのスタッフは好奇心を抑えるのが苦手な人が集まっているため、それが発揮されているか否かで仕事の成果が大きく変わります。
そのため、私の最も重要な仕事は社員の好奇心を制約しないように組織を設計し、インフラを整えることです。

私は、幾つかの働き方のルールを意識し、コミュニケーションを諦めない文化があれば、好奇心の強い人が自由で面白いと感じながら働く組織が成立可能ではないかと思い、この会社でそうした理想を実現したいと考えています。
もちろん並行して目の前の現実、会社の成長を実現しなければなりません。しかしこれは理想と現実といった対立するものではありません。
好奇心を制約してしまう最大の問題は、好奇心を発揮するために必要な試行の資金が不足することです。
好奇心の発揮による試行で得た資金で新たな試行の機会を得るのが理想的で、会社が成長している限り好奇心を満たす方向へ進むことができます。
そうした理想のサイクル作りと会社の成長が一体だと常に意識されていることが強い組織を作ると考えています。

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