私の就活について、少しご紹介したいと思います。と言っても今から20年以上前のことなので、置かれた環境は、2017年の今とだいぶ違いますが、私の就活を通じて感じたこと、エッセンスだけでもお伝えできればと思います。
昔の就活スタイル
昔の就活は、ものすごい分量、さながら百科事典のような企業研究用の資料が、学生個々人に送られてくるところから始まります。送付元の企業様は、学生の就職活動をサポートするかわりに、民間企業から発注をもらい、マッチングさせるビジネスをされていたのだろうと思います。今のネットを使ったマッチングが人手で行われ始めた、そんな時代だとも言えます。(その前は、大学の就職課が中心だったと思います。)
就職を希望する学生は、その膨大な量の企業研究資料を読みながら企業研究という名の就職活動を行います。就活の教則本みたいなものも、この時代から少しずつ一般化されてきていて、学生の多くが一度はそのような本を手にしていました。
もっとも、理系の学生に関しては、まだ学校推薦が中心でした。すでに就職した先輩から研究室経由で声をかけられることが多く、「大学推薦枠」のようなものがありました。そうとう変なことをしていない限りは、ある程度就職できる良い時代だったかもしれません。
良いことばかりにみえる推薦も、デメリットが少しあります。それは、一人一社に絞ることが要求されていて、就職に失敗したり、2社以上と話を進めたりすると、その後、その企業へは後輩が就職できなくなることもあるのです。今とは異なる厳しさを感じる時代でした。
どうしても入りたかったA社
そんな環境の中で始まった私の就活ですが、日本を代表する企業(ここではA社ということにしておきます)に私はとても入りたくなりました。きっかけは大学3年終わり頃、その会社に所属する女性のA先輩から、「是非に是非に」と言われてその気になってしまったのでした。特に深い意味もなく、もうその会社に行くことを心に決めてしまっていました。少しだけ成績が良かった私は、希望すれば入れると勝手に思っていたのでした。
ところがある日、一緒に研究をしていた友人Bも、その会社に希望を出したいと思っていることがわかりました。A先輩に相談したところ「私たちA社としては、二人とも欲しいんだよね。でも一人しか枠がないのよね。田中君は成績が良いから大学院に行って大学院卒で採用するね。B君は学部卒で採用するよ。」と言われました。友人がほっとした表情をしたのを今でも覚えています。
そんな就職活動も終わり、大学院に進学したのですが、当時は、40名のクラスで数名しか大学院に進学しない時代です。ちょっと変わり者、それが大学院に進む人のイメージでした。就職は学部卒が多いという中で、世の中は不景気に向かっていきました。大きな会社だから平気だろう、そんな思いをよそに、A社は、採用枠を突然少なくしました。それ以前がバブル景気だったこともあり、極端に採用を控える時代に突入してしまったのでした。
これまで「是非に是非に」と言っていたA先輩は突然「これからの時代は、たくさんの世界、会社を見て・・・」などの歯切れの悪い言い訳とともに連絡が取れなくなっていきました。
ちなみにこのA先輩とは、その後5年ほど経って、私が社会人になってからお会いしていますが、上記のようなことがあったことそのものを一切忘れているようでした。本当に忘れているのか、それとも、忘れたふりをしているかはわかりませんが、彼女にほだされて採用されると思っていた自分自身が馬鹿だったなと今では思っています。
ずっとまってくれていたB社
私の経歴をご覧いただけると最初に入社した会社はわかってしまうのですが、ここではあえてB社とします。私がA社に一生懸命になっている間中、ずっと声をかけ続けてくれいてたB社のB先輩がいました。「あまりいわないけども、気をつけた方が良いよ」A社の件について、B先輩が注意を促してくれていたのですが、私は当時聞く耳を持っていませんでした。A社のA先輩を、信じ切っていました。B先輩は少し優しいタイプの方なので、頼りない印象を持っていたかもしれません。とにかく私はB先輩の話をあまり聞いて良い無かったのです。
A社を完全にあきらめた時期は、就活という意味では、非常に危険なタイミングになっていました。就職できないことはなかったと思いますが、人気のある企業は多くが決まっていました。
うちひしがれた気持ちで、どうすることもできなく、電話をかけたのは、B社のB先輩でした。B先輩から、言われた一言は、「うちにくればいいじゃない。田中君の席は一つとってあるから」でした。驚きました。まったく失礼な態度しか取っていなかった私に、B先輩がかけてくれた言葉でした。もちろん、入社試験を受けれるだけであって、採用確定ではありません。ですけれども、「一つ席がある」という言葉に、救われた気持ちになりました。そこから数ステップの採用プロセスを通過して、B社から内定をいただき、入社まで至るのでした。
相思相愛ってタイミングもある
大学院を修了し新入社員になった当時の私は、A社A先輩にすごく悪い印象を持っていました。少し恨んでいた、、、残念ながらそう思います。しかしその後、社会人経験を通じて、人事もわかってきました。きっといたしかたなかったのだろうと、今では思っています。逆に、B社B先輩には、一生感謝をすると思いますが、それもまたB社の人事採用戦略があるわけで、そこにうまくはまったのだろうと思っています。(B先輩の個人の思いだけではどうにもならないですしね。)
私が大学院生時代にわかっていなかったことを一つあげるとすれば、「相思相愛になる前にタイミングが大事」ということです。就職活動というと、業界、社風、所属する部署などばかりに目が行きますが、その中には、タイミングもあるのではないかと思うのです。恋愛を例に取れば、好きな相手にすでにお相手がいれば、おつきあいできないですよね。私には、そこが不足していました。相手のことをよく考えもせずに「入りたい、入りたい」だけで頑張ってしまったかつての自分に、「もうちょっとタイミングを考えようね」と言ってあげたい気持ちです。
相手のことを考えた後は、アクションをとろう
Wantedlyをごらんになっている方には、釈迦に説法ですが、相思相愛になるためのタイミングを見つけるには、リアルタイム性の高いWebでの求人情報は、双方にとってとても良いと思います。サイトでの記述を通じて、相手のことを即座に知ることができるからです。
もっとも、考えるだけでは、相思相愛にはなれません。相手のことを知り、考えたあと、、、そこで終わることのないように、双方とも、情報を送受信するという、アクションを取ることで、よりよい相思相愛にたどり着けるだろうと思うのです。
そうです、この文章もやはり当社エルブズからの情報発信であり、みなさまへのラブレターです。この文章を読んでいただいている方と当社エルブズ双方にとって、最高のタイミングになることを願いつつ、私の就活のエピソードを書かせていただきました。
皆様からのアクションをお待ちしています。