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なにをやっているのか

認定NPO法人D×P(ディーピー)は、10代の孤立を解決するNPOです。 10代の孤立は、不登校・中退・家庭内不和・経済的困難・進路未定・無業などにより、安心できる場や所属先を失ったときに起こります。 D×Pは、学校とLINE相談で10代と出会い、困った時に頼れる人とのつながりをつくります。定時制高校では、高校生と社会人が対話する授業や校内居場所事業を実施。LINE相談事業「ユキサキチャット」は全国から相談を受け付けています。コロナ禍では、保護者に頼れない10代へ食糧支援・現金給付を実施し、生活のサポートをしています。 2012年の創業時より関わった10代は7,282名。また、これらの取り組みは寄付で実施しており寄付者数(法人寄付含む)は1,930名となりました。(どちらも2020年度末時点)

なぜやるのか

■めざす社会: D×Pのビジョンは「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」です。 人には、たくさんの可能性があります。 しかし、環境や周囲の人との関係性のなかで可能性が閉ざされ、 本来持っている自分を発揮できない10代に出会うことも多くありました。 そんな背景から、「自ら這い上がって立ち直れる」という意味でなく 「周囲の人の手を借りて、自分なりの一歩を踏み出せる」という意味をこめました。 子どもも大人も、豊かな人とのつながりを持っていて、 生きていくなかで嬉しいことも辛いこともありながらも、 「まあ、これからも大丈夫かも」と思えるような。 それが、”自分の未来に希望を持てる”ということだと思っています。 わたしたちは、若者がどんな境遇にあったとしても自分の未来に希望を持てる社会の構造をつくります。 ■D×Pのミッション: D×Pのミッションは「ひとりひとりの若者がどんな境遇にあったとしても、つながりが得られる状態をつくる」 2030年度までに、さまざまな境遇で孤立している13-19歳・全国約50万人のうち30%の15万人に対して、3つのつながりを提供できる状況をつくります。 -安心できる人とのつながり 3人以上,3つ以上の居場所や頼れる人がいる状態をつくります。「居場所だと思う場の数」が多いほど、自分の将来についてポジティブに考え、自己効力感を感じているというデータがあります。(※平成29年版(2017年度)子供・若者白書 ) -生活費が得られるつながり 仕事をする・福祉制度を利用するなど、本人の状況に合わせた方法で毎月20万円以上の生活費が得られている状態をつくります。生活を最低限おくれるばかりでなく、娯楽・交際・衣服などの文化的な費用や社会保険料の支払いを含めて月20万円以上としました。希望を持てる状態をつくるために、本人が選択肢を得られる状態が必要だと考えます。 -安心して暮らせるつながり 食べる・住むなど、安心して生活を送ることができる状態をつくります。安全がおびやかされず、健康で文化的な暮らしを送ることができる環境が大切です。そういった暮らしは、何かをがんばろうという気力を生み、仕事をするときや人と関わるときの土台になります。 ■取り組む社会課題: わたしたちが取り組む社会課題は、「10代の孤立」です。 「10代の孤立」は、不登校・中退・家庭内不和・経済的困難・いじめ・虐待・進路未定・無業などによって、いくつかの安心できる場や所属先を失ったときに起こります。 内閣府の平成29年版子供・若者白書では、「暮らし向きがよくない」と回答する人ほど、居場所だと思う場所の数が少なくなるという結果が出ています。家庭の経済状況は、教育や文化的経験の機会に影響します。居場所と思える場やコミュニティに出会うきっかけが少ない状況になります。くわえて、過去の経験によるつながりづらさもあります。いじめや人間関係のトラブル、家庭での暴力や虐待・無関心など、さまざまな背景からの心理的ハードルです。これらが重なると、さらに孤立が深まります。 大人のように見える10代。しかし、未成年であることで本人が自力でとれる選択肢はせばまります。彼らが頼れる人とのつながりをなくし孤立した状況になると、社会にあるさまざまなセーフティネットへたどり着くことも難しくなります。また、危険な大人とつながり事件に巻き込まれてしまうなど、深刻な状況に陥ってしまうこともあります。 D×Pは、定時制高校での活動とオンラインでの活動を掛け合わせ、10代とつながります。日常的な雑談から、生徒の困りごとを拾いサポートにつなげる学校での取り組みと全国から気軽に相談できるLINE相談で10代の孤立を防ぎます。

どうやっているのか

【取り組み】 D×Pは、「学校」と「インターネット」の2つのフィールドで生きづらさを抱えた10代と出会います。 ■学校(定時制高校)での取り組み クレッシェンド・居場所事業・仕事体験ツアーの3つの取り組みをしています。 それぞれが生徒とつながる接点であり、継続的なサポートの場です。 ■オンラインでの取り組み LINE相談で全国の孤立する10代とつながります。 相談者との継続した関わりから、学校・仕事・その他の頼れる場所や人につないでいきます。 【大切にする姿勢】 ■否定せず関わる 相手や自分の価値観やあり方を否定せず、背景に思いを馳せて関わろう。「否定しない」と「関わる」の両方を大切にし続けたとき、だれかの可能性がひろがる環境が生まれる。 ■ひとりひとりと向き合い、学ぶ 「◯◯の人たち」とまとめることなく、ひとりひとりに向き合おう。年齢や性別、社会的な肩書で決めつけず、それぞれのバックグラウンドを持つ人から学ぶ姿勢を持ち続けよう。 ■オーナーシップを持つ 実現するのは、どこかのだれかではなく自分自身。自分の中に湧いた違和感に素通りせず、納得いくまで仕事をしよう。アイディアもいいけど、実現に向けて自ら一歩を踏み出そう。 ■翻訳者になる 世の中の多数の人に届かない、声なき声に気づいてすくいとろう。わかった気にならず、「現場」に足を運び肌で感じよう。そしてだれかに伝わる言葉に変える翻訳者になろう。