Web業界では女性の活躍が増えています。今回は、デザイナーとして働きながら、1歳の赤ちゃんを育てる橋本さんにお話を聞きました。
橋本さんは5年前に印刷業界からWeb業界に転職。その後Webデザイナーとしてスキルアップしながら、1年前に出産。2019年の4月に職場復帰されました。
Webデザイナーという職業や、出産後も働くことに対してリアルな感想をお聞きします。
前編では、Webデザイナーに転身した理由や実際の1日のスケジュールなどを紹介します!
未経験・30歳オーバーでWebデザイナーに転職
リスティングプラス(以下リ):橋本さんは5年前に転職をされる前には印刷業界でデザイナーとして働かれていたんですよね。そこからどうしてWeb業界に転職することになったのですか?
橋本さん:そうですね、新卒から11年くらいDTPのデザイナーをしていました。
従業員が10人程度の小さな会社で働いていたのですが、今後も長くここで働けるかなと思うと不安もあって初めて転職を考えたんです。
規模が小さいこともあって、人が入れ替わったりとかそのようなことが雰囲気に大きく影響する職場だったので。
リ:なるほど。そこでどうしてWeb業界に転職することになったのでしょうか?
橋本さん:いえ、最初はやっぱり同じDTPの業界で転職しようと思ったんですよ。その方が11年頑張った経験を活かせると思って。
でもいざ転職活動を始めてみると、同じ業界は難しいとわかってきたんです。
リ:どういう点が難しかったのでしょうか。
橋本さん:やはりインターネットやデジタル化の影響で印刷業界の市場は縮小傾向で、求人自体あまり数がありませんでした。あとは30歳を超えていたので、年齢の問題もありました。
1回目の転職だったので、初めて業界や自分の仕事について考える機会となったのですが、現実を知ったという感じでしたね。
それで最初はぜんぜん上手くいかなかったのですが、そこで転職エージェントに進められたのがデザイナーとしては未経験のWeb業界だったというわけです。
リ:Web業界への転職をすすめられたときはどう思いましたか?
橋本さん:やっぱり同じデザイナーといっても、Web業界はぜんぜんジャンルが違うので不安はありました。
でも印刷業界と比較してWeb業界は成長傾向にありましたし、これから伸びる業界だと思いました。それで、未経験ではありましたが転職の候補に入れて活動を開始しました。
その時すごく良い転職エージェントさんにも会えたんです。いくつかの転職エージェントに登録していたのですが、他が「結構厳しいと思ってください」という感じだったのに、その人だけ「任せてください!」って。
ただ、業界を広げても変わらず年齢の所はネックだったので、「普通の人の2倍くらいは応募してください」といわれて実行していました。今思うととても頑張ったと思います(笑)
リ:そうして今の会社に出会ったんですね。
橋本さん:そうなんです。リスティングプラスにWebデザイナーとして採用されて、2015年の4月に入社しました。
あとから知ったのですが、私を面接してくれた人は私が初めての転職で、前職で11年勤めていたところを見て、仕事にコツコツ取り組む人だと思ってくれたそうです。
職場復帰に合わせて会社が制度を整えてくれた
リ:そこから5年間、Webデザイナーとして活躍されて、2018年に第一子出産のために産休・育休に入られましたね。
橋本さん:そうですね。そして2019年の4月に元の職場に復帰しました。
リ:それはもともと予定されていたのでしょうか?
橋本さん:もともとは、「子どもを産んでもばりばり働くぞ!」って思っていたんです。でもいざ息子が生まれたら可愛くて離れたくなくなってしまいました。このかわいい時期に人に預けて仕事するのはもったいないような気がして、仕事に戻るかどうかは正直ちょっと迷いましたね。
リ:そうですか。職場復帰するつもりだった女性の中でも、産んでみたら離れたくなくなったとか、育児が大変で復帰どころではなかったとかで、結局退職してしまう人も多いようです。
橋本さん:気持ちはすごくわかりますね。心境の変化とか周りの環境の変化とか、やはり女性の周りは出産で大きく変わります。
それでどうしようかと思っていた時、会社から復帰する時の制度について提案を受けたんです。
内容は、在宅勤務を基本にして9時から16時の短時間労働というものでした。
子どもを預けることにはなりますが、片道1時間の通勤をしなくていいので、子どもと過ごす時間も確保できると思いました。
それまでと同じペースで働くと、通勤もあるので朝の7時半には家を出て、夜は21時に帰って・・・それだともう子どもを寝かせる時間で一緒には過ごせないですから。
リ:その制度は、もともとあった制度だったんですか?
橋本さん:いえ、実はその時に会社が作ってくれた制度だったんですよ。
ベンチャー企業だったので、それまで女性の出産後の復帰についてはしっかり制度がありませんでした。
でもこの時同じように出産をした女性社員がもう1人いて、これを機会にということで制度を整えてくれたのです。
リ:なるほど。女性の福利厚生というと大企業のほうが整っているようなイメージですが、ベンチャーだからこそ、その人の働き方に合わせた制度を作ることが出来たということですね。
橋本さん:成長しているベンチャー企業の良いところだと思います。
それに他の社員も若い人が多くて、みんなこれから結婚したり出産したりしていくんですよね。
だから子育てをしている私たちにも協力的だと思います。産休に入る時にもいろいろフォローしてくれて、今も子どもが熱を出したりして、仕事を中断しないといけない時もありますが、それで嫌な雰囲気になる事はなく心配してくれるのはありがたいです。
仕事に戻る時にはやっぱり少し不安で「やってみないとわからない」「戻ってみてから考えよう」と思っていたのですが、今は子どもを預けてでも復帰してよかったと思います。
在宅Webデザイナーの1日
リ:今、どんなスケジュールで仕事をされているのですか?
橋本さん:時短勤務の自宅勤務なので、基本的には9時から16時まで、お昼の1時間休憩を挟んで勤務しています。その他に週に1日だけ会社に出勤して、あとは会社のイベントがある時にも出社します。
リ:担当されている業務はどんなものですか?
橋本さん:私が担当しているのは、自社の公式サイトや集客ページがメインです。デザインをしたり、依頼が来たら必要な修正をしたり。
今うちの会社はYouTubeチャンネルもいくつか開設しているので、そのサムネをデザインしたりしています。
あと、最近増えてきているのが紙の印刷物の制作です。うちはWebマーケティング会社なのですが、最近はオンラインとオフラインの境界がなくなってきて、全部を組み合わせて行き来させる必要があるんです。
DTPデザイナーからWebデザイナーになったのですが、印刷物の作成ができる事がここに来て役に立っています。会社のパンフレットを作ったり、チラシを作ったりしています。
リ:仕事中、お子さんは保育園ですか。
橋本さん:はい、待機児童問題とかすごく心配していたのですが、運よく家から近い保育園に預けることが出来ました。事前予約などには惨敗していたのでただのラッキーなのですがよかったです。
朝は7時位に起きて、子どもにご飯を食べさせたり準備をさせて、保育園に連れて行きます。帰宅後は子どもが盛大に散らかしたおもちゃをさっと片付けて、仕事を始める準備をして、9時に業務開始する感じですね。
仕事はなかなか16時ぴったりに終わることはないのですが、迎えの時間ごろには間に合うので迎えに行きます。それで夫が帰ってきて、夕ご飯を食べるという形です。
リ:お子さんと過ごす時間もあって、仕事もできて、メリハリのある素敵な働き方だと思います!
今回はWebデザイナーの橋本さんにお話を聞きました。
後編では、在宅Webデザイナーのメリット・デメリットやスキルアップについて紹介します。