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CTO水上が語るサービスの歴史とこだわり「日々奮闘しながらの今のDIGGLE。将来世の中の仕組みを変える唯一無二のサービスへ」

プロフィール情報

名古屋大学大学院多元数理科学研究科修了。動画制作スタートアップにて、動画視聴ビッグデータ解析に基づく動画プランニングツールの開発を担当。2016年DIGGLEを共同創業。11歳の時に独学でプログラミングを始め、有用なプログラミング言語やクラウド等の技術の組み合わせを見極め、スケーラブルな設計に落とし込むことを得意とする。

DIGGLEのはじまり

前職(新卒で入社したスタートアップ)では、エンジニアとして開発業務を行いつつも、ビジネス全体を俯瞰できるようになりたいと思っていたので、時折営業と同行して、お客さんの課題などを直に聞いて開発内容に落とし込んだりしていました。そうしたプロセスを通じて、ビジネスを俯瞰できる視点を学びました。しかし、当時その会社ではプロダクト"で"価値を出すことが難しい状況があり、エンジニアとしては物足りなさを感じていたので退職を決意しました。

実はCEO山本と前職が一緒で、退職するタイミングもたまたま一緒だったんですよね。そこからは自分の実力をどこまで発揮できるのかを試したくてフリーランスという道を選びました。山本から予実管理サービスを作ってほしいという依頼があったため、その時フリーランスの一案件としてDIGGLEのサービスを作っていました。

DIGGLEサービス初期:試行錯誤な日々

「予実管理という領域は、多くの人が複雑怪奇なエクセルでの運用に苦労していて、この問題を解決するサービスを作りたい」という山本の思いを起点に、実際に経営企画の方々にヒアリングをするところから始めました。その中で、例えばエクセルのバージョン管理が煩雑なことや、属人的な計算式が組み込まれているという課題があることが分かってきました。この時に感じていたのは、お客様は明らかにペインが存在していることは分かっていたものの、複数の課題が絡み合っていて、中々すぐにはプロダクトの全体像がまとまりきらない状況だったので、面白くも難しそうと感じましたね。お客様には様々な課題があったので、すべてを一度に解決するのではなく、ひとつずつステップを踏むことにしました。

第一ステップとして、様々な部署からの予実管理情報を統一することだけに焦点を当ててプロダクト開発を試みました。予実管理は様々な部署の予算や売上などの数字を収集しますが、その収集に時間がかかるため、簡単に各部署の数字をまとめられるプロダクトを作りました。その後第二ステップとして様々なお客様の要望を少しずつプロダクトに取り入れていきました。少し張りぼて感があるものの山本と2人で作っていたので、とりあえず要望に合わせてできる限り早く開発するというスタイルでしたね

コンテストファイナリストの称号からのDIGGLE入社

山本からTech Crunchという様々な会社のプロダクトが集うコンテストに出てみようと言われ、当時プロダクトは全然まだまだだったのですが、勢いで応募することにしました。そこでなんとファイナリストにDIGGLEのプロダクトが残ったんです。これがPRとなり、一気に500社程のお客様からサービスに興味があるとご連絡いただく結果となりました。こうした経緯から、DIGGLEというサービスにはまだまだ伸びしろがあると感じましたし、やっぱり自分でつくったプロダクトに愛着があったのでDIGGLEにCTOとしての参画を決めました。

エクセルライクからの脱却~本来あるべき予実管理サービスへ大転換。しかし・・・

Tech Crunchのファイナリストになったものの、まだ私の中ではまだ改善の余地があるプロダクトだと考えていました。当時、プロダクトの方向性がしっかりと決まっていなかったので、どういう形であるべきか、見た目がエクセルのままなのは良いのかなど、改善の余地はありました。エクセルライクなUIだったがゆえに、お客様からはプロダクトとエクセルを比較されることが多く、結局お客様自身も、本質的な課題ではなくエクセルと同じような機能を満たすという考えから抜け出せなくなっていました。DIGGLEとしてはエクセル再生産がミッションではなく、エクセルで困っている課題を解決し予実管理をクラウドで実現することであると考えたので、結局1年後のタイミングでエクセルライクな機能(コピペや計算式システムなど)や見た目を抜本的に見直しました。お客様が使用した時にエクセルと同じような操作を行うことではなく、予実管理そのものに集中できるように、フォームや見せ方を意識し、エクセル脱却にフォーカスする方が絶対に良いに違いない、と思っていました。ところが、変えたことによって、エクセルライクなUIに愛着があるお客様からは厳しい評価をいただいたり、チャーンされることもありました。このときは、正直かなり「やっちまった感」があり、「本当はエクセルライクで突き進むのが正解だったのでは・・?」と、すごく悩んでいました。

しかし、一方でエクセル脱却を掲げ、本来の予実管理の目的にフォーカスできるサービスに共感して使い始めて頂けるお客様もその後徐々に増えてきました。それによってホッとしていましたが、振り返ると我々もエクセルライクから離れることにムキになっていたのもあり、価値のある部分をしっかり見定められていなかったのが失敗だったなと思っていて、プロダクト開発の難しさを痛感しました。今は、そうした価値のあった部分が具体的に何だったのかを再評価し取り入れつつも、解決すべき課題という焦点をブレさせることがないように慎重に開発を進めています。また、エクセルが苦手なこと(情報の統合とバージョン管理)を積極的にDIGGLEサービスで提供できるようにしました。

世の中の仕組みを変える将来のDIGGLEサービス

当然、今困っているお客様の課題をしっかり解決できるサービスを作りつつも、DIGGLEは経営に関わるとても面白いデータが集まってくるので、こうしたデータを中心に、世の中にないような価値を発揮できる大きなポテンシャルがあります。例えば、外部の株価の情報と自社の実績の対比を行ったり、公開されている同業種の平均値を比べたりする機能をつけるなど、考えるだけで面白いアイディアがたくさんあります。以上のようなビジョンはエンジニアチームに私から伝えています。とはいえ、まだまだ目先のお客様が感じている膨大な課題の解決をやりきらなければ、先には進めません。そうした中で、ありきたりな言葉ではありますが、もっとも大切なのは、「ユーザ目線」に立つことだと考えています。特に、私を含め、エンジニアチームはユーザ目線を普段から強く意識しないと、裏側のデータ構築構造のことに目がいってしまい、ユーザとの距離が離れてしまいがちです。組織の規模が大きくなれば、ユーザとの距離が離れていても役割分担できるのですが、いまは少数精鋭のフルスタックなチームなので、なかなかそうはいきません。なので、お客様からの要望や課題認識の共有を徹底して、一人ひとりがその内容を咀嚼し、ユーザの視点に立って一つ一つ機能改善の背景から設計を説明できるようになるよう心掛けています。

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