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【社員インタビュー後編】じっくり考えて「これなら上手くいきそう」が分かったときの喜び

Datumix株式会社はDXソリューションを提供する米国「Datumix Inc.」の子会社で、2018年8月に設立された日本法人です。強化学習とデジタルツイン開発を得意とするAIベンチャー企業として物流効率化サービスなどを提供しています。

そんなDatumixで働くエンジニアは、どんな思いを持っているのでしょう。

後編となる今回は会社としての雰囲気や社会への貢献感について、前編と同じく若手エンジニアのリーダーである奥戸さんと、エンジニアだけでなく営業やコンサルティングにも従事する原さんのお2人に聞いていきます。

※前編では「ここでできること」「おもしろいと感じること」を中心にお話を伺いました。
【社員インタビュー前編】コーディングから経営まで。挑戦できる環境が「やりたい」を刺激する

エンジニア・奥戸 嵩登

1995年生まれ。総合研究大学院大学 複合科学研究科 情報学専攻 博士課程在学中。

東ロボプロジェクトなどを推進した国立情報学研究所(NII)に所属。大学院では人が訓練できるAIの研究を行い、ネットワーク分析研究に従事。2018年8月よりDatumixに関わり、現在は若手エンジニアリーダーとして受託開発案件の顧客対応を担う。最近、幼馴染とゴールイン。

エンジニア・原 嘉宣

1994年生まれ。首都大学東京 都市教養学部理工学系研究系数理科学コース卒業。

食品会社で国内・海外の新規営業、フェンシングクラブで企画・経営に携わり、その後アクセンチュア株式会社でITコンサルタントに従事するも大学院に通うため退職。2021年11月からDatumixの運営にジョイン。

メンバーの「やわらかい対応」に感化?

――Datumixは、2020年から完全リモートワークになっていますよね。コミュニケーションはチャットメインですか?

奥戸さん:そうですね。Slackでやり取りしています。

――リモートメインのコミュニケーションは難しい……なんて話も聞きますが、現在の会社の雰囲気はどんな感じでしょう?

奥戸さん:ほかの方は分かりませんが、僕はコミュニケーションにストレスを感じたことはないですね。基本チャットベースのやり取りですが、みなさん物腰がやわらかい人が多くて。「きついな」と思う言い方をする人はいないですね。

――物腰やわらか……。仕事のやり取りになると単刀直入な会話もあったりされるかと思いますが、そこはワンクッション挟む「やさしい言い方」をされる人が多い?

奥戸さん:そのあたりの「使い分け」が上手いのかなと思いますね。はっきり言うときは言うし、ワンクッション入れるときは入れて、という感じです。

――全員が会社に出社されていた時期もありましたよね。その期間があるから……というのも理由にありそうですか?

奥戸さん:出社していたころのメンバーは、実はもうほとんどいないんです。残っているのは3~4人くらい。

――じゃあ、同じ感覚の人がDatumixに集まってるような。

奥戸さん:そうかもしれませんね。リアルでは会ったことがない人が多いです。

――原さんはDatumixにジョインされて4ヵ月くらいですよね。どんな雰囲気を感じていますか?

原さん:無理なく自由にやってる人が多い印象です。奥村さん(代表)自身の言い方がやさしいので、みんなそれに感化されているような(笑)

                 (お話に出てきた代表の奥村さん)

――代表の奥村さんは1on1で、個人個人とお話される時間も定期的にとられていますよね。原さんや奥戸さんも、メンバーの方とオンラインでお話する機会はありますか?

原さん:ありますね。奥戸さんもそうかと思いますが、チームのメンバーとは積極的に話すようにしていて。フルリモートでも、ビデオ通話で話す時間が必要。相談しやすい環境づくりを意識しながらやっています。

――何かあったとき相談できる空気感って、ほんとに大事ですよね。

じっくり考えて「上手くいきそう」と分かったときの嬉しさ

――奥戸さんと原さんが「これやっていて楽しい!嬉しい!」と思う瞬間についてお聞きしたいです。

奥戸さん:最近だと「ログを上手く理解できたとき」ですね。

※ログ=機械やシステム動作の履歴が、文字で記録されているもの

奥戸さん:ログには「現場で何が起きていたか?」が記録されていますが、パッと見てもただ理解不能な文字が並んでいるだけ。状況を読み取るには物流業務とシステムに関する知識の両方が必要ですが、1年以上ログに触れ続けることで文字から状況が把握できるようになったことが嬉しいです。

――前編でも「ログ」のお話がありました。難問を解読すると、やっぱり嬉しいですよね。

奥戸さん:はい。あと僕はもともとAIエンジニアですが、システムのバックエンドやフロントエンドの作業をする機会があり、新しい技術に触れるのも楽しくて。AIのアルゴリズムを考えて形にして、上手くいきそうと分かったときも一連のプロセスに楽しさを感じましたね。

――ありますね、楽しいこと、嬉しいこと。

奥戸さん:ひとつ目のログの理解は「苦しみから解放された嬉しさ」のような気もしますが(笑)

原さん:僕の場合は「ロボットがどんなロジックで動いてるかを考えるとき」ですね。倉庫内にいるロボットの動作シミュレーションをつくるために「どんなロジックで動いてるか?」を考えるんです。人から聞いたり、映像で見た情報を頼りに「おそらくこんなロジックで動いているはず」と予測して、ロジックが崩れないように再構成するんです。

――なんだか、すごく難しそうですね。

原さん:そうなんですよ、大変です……。ロボットメーカーは特許の関係もあってロジックまで教えてくれないので。でもシミュレーションするためには動きをある程度再現しなければなりません。自動運転できる車ってありますよね。あれをシミュレーションするためには「こんなときはこう判断してるはず」と推測させる必要があります。それと同じですね。

――こちらで、判断基準を設定してあげるようなイメージですか?

原さん:そうですね。そのロジックが上手く組めたときは嬉しい。奥戸さんと同じで、苦しみから脱出した嬉しさかもしれませんが(笑)。複雑なロジックが見えてきた瞬間は、個人的に楽しい。あとはインターンで入ってきた人が、先月より上手くワークしてるのを見たときは「良かったな」と思います。その2つですね。

「社会の役に立っている」と感じるとき

――では、ここからちょっと話を大きくして、自分がしていることが「社会に役立っている」と感じることはありますか?

奥戸さん:直接的ではないですが、物流センターの出荷数を増やすための効率化に役立つツールをつくったとき、いつも辛口コメントの多い60歳の担当者の方から「いいね」とポジティブなフィードバックをもらえたときは「やって良かったな」と思いました。

――やっぱり嬉しいですよね、お客さんからの一言って。

奥戸さん:そうですね。あとは、エレベーター会社さんの案件。地震が起きてエレベーターがとまったとき、保守員さんが修理に向かいますよね。でも地震は広範囲なので、同じようにエレベーターがとまっている建物はほかにもたくさんある。保守員さんがどんな順番で修理に向かえば、最も効率よく回れるか?というツールを開発しました。そのツールがあれば災害時にエレベーターの中に閉じ込められた人も、早く外に出られるようになります。

――エレベーターって狭いので、閉じ込められると恐怖感を感じる方もいますよね。

奥戸さん:そうですね。タワーマンションだとエレベーターありきの生活なので、とまると困る人も多い。復旧を早めて、早く元通りの生活にする。そこに貢献できているかなと思います。

――原さんはどうですか?

原さん:僕はDatumixに入って半年なので、何に貢献したか?といわれると難しい。なので、これからの目標を言わせてもらいますね。物流業界は人手不足が大きな課題で、その課題を自動ロボットなどでサポートしていくことになります。自動ロボットが高い生産性を発揮すれば物流運賃を上げずに済む。それができれば消費者に負担がかからず、世の中のためになる。長い道のりかなと思いつつ、そんな未来に向けて頑張るしかないと思っています。

――物流課題って昔からありそうですが、解決されずに放置されていた面もあるのでしょうか?

原さん:技術が追いついてない部分があると思います。人が足りないのは少子化によるもので、ほかの業界も同じタイミングで起きていますが、物流業界は人手が減ったとき「何に置き換えるか」が問題です。例えば銀行ならATMで業務システムを刷新して、1人の業務量を増やす。1人が1時間かけて伝票数えるより、システムにバッチ処理させたほうが早い。そういう業界は進んでいきますが、物流業界は力仕事の業界で。

――物流業界は力仕事……

原さん:力を誰かが代替する必要があるんです。そこにロボットが登場する。でもロボットを効率的に動かすには、経験則のデータが必要です。データを得るにはロボットを動かさないと……

――ロボットを入れてすぐに「はい、解決!」ではなくて、ロボットを動かしてデータをとってから問題解決への道が始まるんですね。

原さん:そうです。データが溜まれば「できること」もじっくり考えられる。そのためにはロボットを導入しなければならない。でも導入するためのお金と余裕がない。結局みんな二の足を踏んで人が減り、労働力がかかり、運賃が上がっていく……、そんな流れになっていきます。

――それは非常に困ります……!

原さん:だから打開策を見出さないといけないんですね。見出せたらノーベル賞ものです。

AIをもっと身近に

――最後にお聞きします。これからお2人が叶えたい未来を教えてください!

奥戸さん:僕がDatumixに入ったのは、物流業界で強化学習を適用させたかったから。だからこれから先も強化学習に関わって、何かチャレンジしていきたいです。

――強化学習は、どんなことに役立つんでしょうか?

奥戸さん:強化学習は自動でロボットを動かすときに使われる技術なので、そういうところで使われると無人化、省人化が進みます。その技術を使っていけると嬉しい。社会で実装されて実際に価値を出している技術ですが、適用例がまだ少ないので増やしていきたいですね。

――原さんはいかがですか?

原さん:Datumixは今、機械学習やAIでがんばっていますが、まだ汎用化されていません。仕組みが世界的に整っていないので、どんどん仕組み化していきたいですね。ちょっとしたAIや機械学習の知識がある人なら、活躍できる仕組みをつくりたいです。

――AIにまつわるお仕事は「頭がいい人」にしかできないイメージがあります。そうじゃなくてもできる?

原さん:確かに機械学習やAIは、頭がいい人や多くの訓練を積んだ人じゃないとできない、職人芸みたいなところがありますよね。でもそのハードルを少し下げたい。例えばイタリア料理は専門のシェフじゃないとつくれないと思っていたけれど、サイゼリアが再現していますよね。知識のないアルバイトの人がすぐできる!とまではいかなくても、エンジニア知識を持っている人、大学で独学でAIやマシンラーニング、統計学を学んだ人。そんな人が会社に入ってすぐ活躍できる会社がつくれたらなと思っています。

――AIの世界、その入り口が今よりも大きく開くといいですね。

原さん:そうですね。物流業界でソフトウェアをつくるDatumixとしても、ロボットをレンタルして物流業界に貢献するハードウェアのベンチャー企業と手を取り合い、物流業界を変えていこうと思っています。そんなプラットホームを実現させていきたいです。

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