【あなたはパワハラを受けたことがありますか︖】
転職サイトを利⽤する35歳以上の男⼥を対象にした調査で、82%が「ある」と回答しました。
その⼀⽅で、自分がパワハラをした側として認識している⼈はどのくらいいるのでしょうか。
【⾃分の⾏動がパワハラでは、と思ったことがありますか?】
この質問に「実際にパワハラをした」と答えたのは2%、「⾃分の⾏動がパワハラでは、と思ったことがある」は27%でした。
調査対象になった人の8割、いわゆる「ほとんど」の人がパワハラを受けたことがあると言っているのに対して、パワハラをした(かもしれない)ということを自覚している人は3割にも満たないという、この差はあまりに大きすぎませんか?そして、まさに今の日本の社会、企業のパワハラ問題の元凶を表しています。
世の多くの人が、「何がパワハラなのか、何をやってはダメなのか」ということを分かっていないまま仕事しているということです。何においても…
【自覚がない】
大問題が起こるのは、ここなのです。
パワハラが、企業にも社員にも害になることは誰にでも理解できているはずではあれ、未だになくならないのは「個人の自覚」に対する責任感の無さと言えるでしょう。ストレスによる業務の低下、職場内の軋轢による人間関係の悪化による業務停滞と業績悪化はもちろん、最悪の場合はパワハラを受けたとされる社員が死に至ることもあるのです。
「自覚がない、自覚していなかった」を放置することで、組織も個人もみんながどんどん不幸になる、これが今の日本におけるパワハラの実情であり、会社の将来に大きな差を生み出します。
パワハラを完全に撲滅することは一朝一夕には難しいことではあれ、パワハラとは何か、なにをどうすれば(自分はそのつもりがなくとも)パワハラになりうるのか、ということを、上司部下という区別なく、組織の構成員全員がしっかりと「知っておく」=自覚する、そのことでパワハラから生じる組織の不幸を減らしていくことは可能なのです。
多くの組織が「パワハラ撲滅」を目標に掲げていながらも、社員全員に徹底して教育することはまだまだ実行実践されていません。企業というものはついつい「売上・利益」を優先するため、「教育」や「研修」の時間を「無駄」と考える組織人は残念ながら、まだまだ多いものです。しかし、昨今メディアなどでも大きく取り上げられるパワハラ問題を見れば、決して「後回し」にしても大丈夫な課題ではないことがわかります。
皆さんは自分の会社だけは、もしくは自分自身の「自覚」だけは大丈夫、と思っていないでしょうか?今回の調査結果を見てわかるとおり、どこの会社にもパワハラは「必ずある」と考える必要があるのです。経営者、管理職、社員、すべてに対する徹底したパワハラ教育・研修を実施が組織全体の幸福に繋がります。
パワハラ上司を生む生まないの大きな差は、「自覚」そして「先延ばし」にしない勇気です。