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日本に女性管理職が育たない理由、それはもうホラー!

「セクハラ」という言葉が、1989年の新語・流行語大賞の新語部門の金賞を取ったのを覚えているだろうか?今ではリモートハラスメントのリモハラ、パワーハラスメントのパワハラ、モラルハラスメントのモラハラ、など、種類は多様化している。当時に流行った「それ!セクハラですよ!」というフレーズとともに、一世を風靡。「セクハラ」という言葉そのものも、仕事をする女性たちへの無神経な言動が「性的嫌がらせ」として訴訟対象になるということも、当時の社会に与えたインパクトがどれほど大きかったのかが伺える。

それから間もなく30年が経とういう現在、セクハラは職場の問題として変わらずに起き続け、未だに女性管理職が育たないのが日本である。社会への女性進出がもはや当たり前となった反面、セクハラ案件に次いで、結婚・妊娠・出産に対する女性対象の新ハラスメントすら誕生した。女性対象のハラスメントに関する相談や訴訟は増加傾向にすらあり、そんな職場環境の中では女性管理職が育つはずもない。

何よりも大きな壁になっているのは「概念の壁」なのではないだろうか。日本の近代社会は男女平等のように見えてはいても、影の部分の古い概念や習慣の壁は根深い。最近では、某有名医大で、女子受験生には長年当たり前のように入学試験の時点で「差別」が行われていたという事件の暴露は、衝撃的だったのではないだろうか。これは一大学の不祥事件として通過してはいけないことである。

世界ではエリート教育に、STEM教育の重要性が求められている。STEMは、S(サイエンス・科学)、T(テクノロジー技術)E(エンジニアリング・工学)、M(マスマティクス・数学)の専門分野の強化であるが、日本では女性の専門大学への進学率が極めて低い。入学試験の時点で女性差別が行われる国で、2年後にオリンピックが開催される…。もはやホラーである。

当然ながら、日本の一般社会や職場でも同様に、「女性には管理職は重責すぎる」「女性は家庭のことなどで責任を継続できない傾向がある」と懸念する考えが浸透しているのは事実である。女性側もまた、そうした職場環境にいることで「自分に意欲があっても、職場内の理解や協力が得られないのが見えているのなら、管理職はあえて望まない」という声が多いのだ。某大手企業に勤める女性から「希望を持てば持つほど、現実に潰される経験をしてきたので、意識的に希望を持たず淡々と仕事をするようにしてきた」という声も聞いた。

たとえば「working woman」という画像検索で出てくるのはこういう写真。


女性に何を求めてますか?

「働き方改革」の課題に挙げられている「女性活用」「女性管理職の増加」には、企業文化の習慣や癖から徹底して把握、改善していくことが求められる。自社の職場環境がどうなっているのかの現状把握、さらにはそこからの改善、教育、研修を進めていくべきである。

アメリカのトップ企業では、ハラスメントや差別、不当な取り扱いが起こらない労働環境への改善のために、専門家を雇い、予算も時間もかけて取り組んでいる。こうした世界企業の情報やノウハウをいち早くキャッチできるのも、日本の素晴らしい特性のはずだ。

ハリウッドから始まった「#me too」運動からもわかるように、欧米の女性たちもまったく同じハラスメントや差別、社会進出の壁に向かって改革をしてきた。日本の女性には、その強さを支える柔軟性がある。これからの日本企業に女性管理職が増えていく可能性に期待したい。

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