自家製秘伝のタレをベースにしたヨシダソースで、アメリカで大成功を成し遂げたヨシダグループの会長兼CEOであるアメリカのソース王吉田潤喜氏の、経営セミナーに参加する機会に恵まれた。セミナータイトルの「経営はパッション、ミッション、人儲け」。4歳で右目を失明し、いじめを受け、19歳でアメリカに渡り35年、不法労働から起業し、今や年商250億円のグループへと成功させてきた。企業の成功率はいたって低く、よく知られているところでは10年で5%である。吉田氏はサクセスストーリーに合わせて、社会貢献活動でも全米で知られている。
人間魅力、吉田氏の存在そのものからそんな言葉を思い出した。経営学というよりも人間学。そこには成功する人材育成の軸もある。成功した経営者には必ず「〇〇流経営哲学」が生まれ、次の成功者にならんとする人なら誰もがこぞって、その哲学と秘密を学び取ろうとするものだ。吉田氏の成功哲学はいたってシンプルであり、シンプルがゆえに、純粋に突き進む勇気こそが必要であり、経営者であっても社員であっても、人としていかに魅力的に在るかに尽きると感じさせられる。
吉田氏の言葉をそのままに借りると、
- パッション(情熱)とは死に物狂いの意思
- 意思のエネルギーから生まれたパッションが渦巻きのように人を巻き込む
死に物狂いになるほどの意思を、人を渦巻のように巻き込む情熱を持って生きているだろうか。経営者ならば自社のビジネスの繁栄に情熱を燃やして当然だが、ひとりひとりの社員を情熱をもってして巻き込むことはできているだろうか。それには人間魅力しかない。
奇跡のアメリカンドリームを手にした吉田流経営学「こんちくしょう!今に見とれ」も、誰かに対する復讐のエネルギーではなく、ポジティヴリベンジだと、氏は語った。文字に書くと反骨的にも見えてしまうが、満面の笑みのテンガロンハットの吉田氏が声に出して言うだけで、とてつもない魅力的なフレーズにさえ聞こえてくる。復讐のリベンジではなく、愛をもって感謝を数百倍にして返すポジティヴリベンジである。そしてどこまでも「自分が大好きでなければ、人生も経営も成功しない」と。
人間力と魅力は情熱で育てる
人間魅力を買うことはできない、書籍やセミナーでも学べない。人生を通して、仕事を通して、すべての経験から直感を磨き、自分自身をとことん好きになることを毎日積み重ねた人が確実に手にできるものである。魅力を磨く、魅力的に存在する…日本の職場、働き方に大きく欠けているのは、ここなのかもしれない。
職場は自分を大好きになれる環境になっているだろうか。人を情熱で巻き込む人材育成が行われているだろうか。これからの日本のダイバーシティ促進や人材育成のプロジェクトにも、「自己愛」と「情熱」も必須項目として取り入れていくことで、大きく進化するだろう。