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未経験の転職者がどうやって!?入社4年で最優秀チーム賞を受賞できた理由

楽天を経て、2017年にキュービックに入社した井上真琳さん。マーケターは未経験だったにもかかわらず、3年後の2020年には優秀社員賞を、4年後の2021年には最優秀チーム賞を受賞しました。彼女はいったいどのようにしてこれらの結果を出したのでしょうか。その理由を探りました。

井上真琳

2014年に新卒で楽天株式会社に入社。楽天スマートペイ(現:楽天ペイ)や楽天カード、楽天証券など複数の金融商材を扱う仕事に従事。2017年にキュービック入社。薬剤師転職メディアのマーケティングディレクターを経て、現在、総合転職チームのマネージャー。

マーケティングによって事業が成長していく過程を隣で見ることができた体験

——井上さんは、新卒で入られた楽天ではどのようなお仕事をされていたんですか?

井上:2カ月くらいの全体研修を経て、金融部門で1年ほど研修を受けました。それから楽天証券に配属になり、証券の知識を身につけるために口座開設のオペレーションなどカスタマーサービス系のオペレーターを1年くらい。それから投資信託のマーケティングを担当しました。

——そこでの経験が現在のマーケターとしてのお仕事につながるんでしょうか?

井上:それもなくはないのですが、一番のきっかけは、楽天の入社前にさかのぼるんです。内定をいただいたあとに10カ月くらいインターンの期間があり、楽天のとある部署で働く機会をいただきました。

その部署では当時、新規のサービスを立ち上げたばかりで。マーケティングに長けた社員の活躍で、1日1万円程度だった決済金額が1日1億円にまで伸びたんです。マーケティングによって事業が成長していく過程を隣で見ることができて、しかもほんの一部だけでも自分自身が関わることができて。あの貴重な経験が現在につながる原体験だったんだろうなと思います。

入社して数年経った時に、このまま楽天証券でキャリアを積んでいくのか、それとも自分のなりたいマーケター像を追いかけるのか、悩みに悩んで後者を選び、転職活動を始めました。

キュービックだけが未経験のマーケターを採用していた

——そこでキュービックに出会ったのですね。

井上:はい。社会人経験が3年半あるとはいえ、そのうち2年間は研修です。マーケターとして履歴書に書けるような経験はほとんどなく、転職活動は大変でした。その時にあたった会社では、キュービックだけが未経験のマーケターを採用していたので結果的になんとか雇ってもらえましたが、キュービックがなければマーケターになれていないと思いますし、転職自体を諦めていたかもしれません。

——キュービックの印象はいかがでしたか?

井上:転職活動をしている時は、楽天というメガベンチャーからの転職だったので、他に受けている会社も含め、なんだかんだでネームバリューを気にしていていました。キュービックに関しては、「よくわからない会社」という印象で……。とんでもないことを言っていてすみません(笑)。

でも、選考の中で世一さん(世一英仁/代表取締役社長)と話をした時に、そのおおらかさに惹かれて。これから仕事で何か辛いことがあっても、世一さんは頼ることができる、拠り所にできる存在だなと思ったんです。なかばフィーリングではありましたが、これがキュービックに入社を決めたきっかけでした。



未経験なのに……入社と同時にMD(マーケティングディレクター)に

——キュービックに入社してからは、どのようなお仕事を?

井上:最初は薬剤師転職のメディアに携わりました。アドのチームでMD(マーケティングディレクター、メディアの戦略設計や運営を担当)を務めました。

——えっ? いきなりMDですか?

井上:今ではあり得ない采配ですよね。当時は私のような未経験MDがたくさんいたんですよ(笑)。会社が第二創業期に入っていて、事業拡大のためにそういう採用戦略を採っていたんだと思います。

チームには他に社員もいたのですが、私以外は「総合転職」という別の転職メディアの担当に移ってしまい、薬剤師転職メディアには社員は私1人だけが残りました。ですが、業績はひどいものでしたね。配属から半年くらいで薬剤師のジャンルからは撤退したほうがいいんじゃないかという話が持ち上がったくらいです。

——苦戦の原因はどういったところにあったのですか?

井上:当時は私の下にインターンが8人いたのですが、私、インターンの子たちの管理がまったくできていなかったんです。彼、彼女たちが何をやっているのかが把握できておらず、打った施策の振り返りができていない状況でした。自分たちが打った施策が業績に大打撃を与えてしまっていることに気がつくのも数カ月後、という始末で。SNS広告でターゲティング規制がかかって、「薬剤師」という特定の職種名で広告を打つことができなくなり、その対応が遅れたという要因も重なっていました。組織の問題と外部環境の問題、これが一緒に存在していたということです。

狙いを持って施策を打って、検証して、次につなげる

——どうやって盛り返したのでしょう?

井上:まずは、自分自身がスキルをつけることが重要だと思いまして、検索広告やディスプレイ広告など、片っ端から勉強してスキルをつけて、それをインターンに教えるという流れを作りました。

さらにその上で仮説検証をしっかり回していく。自分たちが何をやっているのかわからないままに状況を悪化させてしまうということのないよう、ちゃんと狙いを持って施策を打って、検証して、次につなげる。こういうことが普通にできるような組織に変えていったんです。そうしたらうまく回るようになりました。

——なるほど、キュービックの根幹となる考え方ですよね。改めてそのような工夫をされたんですね。

井上:はい、結果的に薬剤師転職のアドは継続することが決まって……本当によかったです。ただ、2019年ですから入社して2年目ですね、その頃は総合転職が伸び悩んでいて、私が薬剤師と総合転職の両方のメディアを兼務する形になりました。役職もジュニアマネージャーになりました。

その後、薬剤師を離れて総合転職専任になって……コロナが始まるんです。

——2019年の終わりですね。

コロナ禍での求人動向を注視しハイキャリアとエンジニアに絞った戦略にシフト

井上:コロナ禍を迎え、社内でも「人材ジャンルはヤバいんじゃない?」という空気になり、事業としても一時期はステイ状態になりました。でも、落ち着いて求人の動向を調べてみると、コロナ禍においても転職できる人はいたんです。それがハイキャリアとエンジニア。そこで、この2つを押さえるための戦略にシフトしたら、総合転職の業績がめちゃくちゃ伸びて! 優秀社員賞をいただき、マネージャーに昇格しました。2020年の終わり頃のことです。

——その後、井上さんのチームは2021年の社内表彰で最優秀チーム賞を受賞しました。どういった工夫が効いたのだと思いますか?

井上:先程も少し述べましたが、広告運用のスキルがついているのは大前提として、仮説検証をしっかり回しながら、定性情報として、インタビューなどを通じてユーザーの解像度を上げていき、そこから得た仮説をもとに、広告配信して、定性情報と定量情報を結びつけていくこと。これが効いたのだと思います。

——井上さんの場合は入社直後からMDになり、複数のインターンを配下に持ち……と大変だったかと思いますが、今後、未経験でマーケターとして入社される方はどういうところに配属されるのでしょうか。

井上:大きめのチームに配属されて、基礎から広告のこと、マーケティングのことを教えてもらえることになると思います。周りの社員からフィードバックを受けて着実に前に進めるような環境になるはずです。私のようにいきなり数人のインターンを抱えて戸惑うことにはならないと思います(笑)。


「Web広告をやっていく」という強い意志のある方と一緒に働きたい

——そうならないための道筋を井上さんが作った、というところもあるのかもしれませんね。事業部としては、どういった方に入社してほしいと思っていますか?

井上:「Web広告をやっていく」という強い意志がある方がいいですね。そして、キュービックが大事にしている「ユーザーと向き合う」「ユーザーのインサイトを掴んで前進させる」という気持ちを持っている方。さらに、自分が日々やっている仕事がユーザーやクライアントにつながっているんだという意識を持っていて、そこに喜びを感じられる方。こういう方と一緒に働きたいです。

——ご自身の今後のキャリア形成についてはどのようにお考えですか?

井上:言い方が難しいところなのですが……キュービックが主に取り組んでいるWebメディアを、ユーザーが必要な時だけ見る比較サイトという位置付けではなく、ユーザーを継続して後押しできるような、ユーザーに覚えてもらえるようなメディアに育てていきたいと考えています。これはチャレンジしたいことの1つです。

——たとえば転職で言うと、「転職について調べるならキュービックの●●というサイト」というような、転職にまつわる情報を網羅したメディアですね。

井上:はい。もうひとつ、人材サービスにも注目しています。メディアに取り組むほど人材サービスの裾野の広さを実感します。マーケティングという枠からは外れるかもしれませんが、転職エージェント業も含めて、人材に関わるサービスを広く展開させていければと思っています。

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