営業という仕事に本気で取り組んでいる人ほど、自身の仕事への葛藤が大きい。これは「営業あるある」の1つではないでしょうか。今回は、大手製薬会社のMR、外資保険の外交員と、2社での営業経験がある山本峻士に、営業として働きながら抱いていた思いを聞いてみました。
営業が好き。ただ、そのモチベーションは自己都合ではないか?
――山本さんは当社に入社する前、2社で営業を経験しているんですよね。
はい。ジョンソン・エンド・ジョンソングループの製薬部門であるヤンセンファーマでMRを4年間、外資保険のプルデンシャルで外交員を4年半くらいやっていました。
MR時代は、会社が立てた目標にコミットしていて。引き合いがほとんどだったんですけど、そこに自分の意思はないから、正直仕事にやりがいは感じていなかったんです。じゃあなんで頑張れたかと言うと、僕は中学から大学まで陸上のやり投げをずっとやっていて、1番へのこだわりが強いんですね。それもあって、とにかく結果を残して評価されたいという気持ちで頑張っていました。
一方プルデンシャル時代は、自分が立てた目標を追っていたので、そういう意味ではやりがいがあったし楽しかった。けど、その目標を達成するためには、常に新規開拓し続けなくてはならないという、自転車操業のような大変さもあったんですよね。
もちろん、生命保険という顧客の人生に深く関わる商品を売っているわけだから、顧客の役に立っているという自信はありました。ただ今思うと、口では「顧客のため」と言っていたけど、本当に顧客思考だったかと言うと……ちょっとかけ離れていたかもしれません(苦笑)。
――2社とも、何かしら葛藤があったということですよね。そうなると、どういうモチベーションで仕事と向き合っていたんですか?
ひと言で言うと、自己都合のモチベーションですよね。目標を達成したい、稼ぎたい、認められたい、注目を浴びたいという自己顕示欲。MRの時も、プルデンシャルの時も、決して会社のためではなかった。
結果を出せば出すほど周りは認めてくれたけど、心の奥底にある「人のためになる仕事がしたい」という思いにはずっと蓋をして、見ないふりをしていました。だって直視したら、自分の仕事に対して、本当にこれでいいのかという疑問が湧いてきちゃうじゃないですか。そしたらきっと、もう頑張れなくなってしまう。たぶんこれは、「営業あるある」なんじゃないかな。
「君から買いたい」は、本当に世の中のためになっているのか
――MR時代について詳しくお聞きしたいんですけど。どのような営業だったのですか?
営業って、結局人と人との付き合いで契約や購入に至るケースが多いと思うんですけど、MRはそれが顕著なんです。だから僕は、ドクターとゴルフに行ったり、朝まで仕事しているドクターを車で家に送ってあげたり、とにかく気に入られる努力をしていました。
結果、僕のことを気に入って製品を購入してくれたんですけど、それは別に自社製品を気に入ったからではないんですよね。顧客はあくまで「山本が気に入ったから山本から買う」という判断をしているだけなんです。
それって、僕自身は面白いけど、本当に顧客のためになっているのか。その顧客の先にいる患者さんのことまで考えると、世の中のためになっているのかという疑問が湧いてくるわけです。
――確かに……。そこから転職を考えたきっかけは何だったのですか?
大企業の営業経験者ならわかる人が多いと思うんですけど、営業成績=自身の評価ではなかったことです。露骨なことを言うと、自分より営業成績の低い40代の方が年収が高いということに納得がいかなかった。
人って、頑張っても頑張らなくても評価されない環境だったら、自然と頑張らなくなるじゃないですか。都合のいいことに、営業って基本外回りだから監視の目がない。手を抜こうと思えば抜けちゃう。それもあって、仕事は好きだったのに、ふと気づいたら「もういいや」と手を抜いている自分になっていました。そのくせ、僕自身のそれまでの努力と製品のネームバリューで製品は売れ続ける。じゃあ自分が全力を出す意味は何なんだろうって。
入社当時はあんなに「圧倒的に成功してやる!」って熱い想いを抱いていたのに、全力を出していない自分に納得がいかなくなった。まだ体力も気力も十分過ぎるほどある20代のうちに全力を出せる場に行かないと、自分はこのまま人生を終えてしまうと本気で焦ったんです。
決まった商材に顧客を誘導するのは、仕方がないこと?
――大企業からプルデンシャルに転職したわけですが、こちらはどういう営業でしたか?
仕事のやり方がMRの時とは違って、自分で目標を立てて、その目標に向かってコミットするというスタイルなんです。顧客は自分で見つけてこないといけないことを筆頭に、基本的に会社が何かしてくれるということはありません。
そんな中で結果を出さなければいけない。正直、顧客のために頑張るというのではなく、自分が立てた目標に向かって全力を出しきるという感じで。報酬もその頑張りに見合うだけもらえたので、そういうやりがいも大きかったですね。
――MR時代の葛藤は概ね解消されたんですね!でも、顧客のためになっているか、というのだけはプルデンシャルでも解消されなかった……?
そうですね。もちろん当時は、保険に入ってもらうことが顧客にとっていいことだと思っていました。けど正直、自分の目標達成のために、ある程度強引にコトを進めたことがあったのも事実です。その先のゴールである「保険に入ってもらう」というのは顧客にとって正しい選択なのだから問題ないだろうって。
今思うと、仕事を全力でやりきるために、自分で自分をそう信じ込ませていたんでしょうね。
「本当に顧客のためになっているか」を追求しながら、自分自身の願望に全力を出し切る
――2社の営業経験を経て、当社に経営コンサルタントとして入社したわけですけど、営業経験者の目線で見て、当社の仕事内容や環境をどう捉えていますか?
営業って、全力を出している人ほど自分の仕事に納得がいっていないと思うんですよ。成果を出しているのに評価されないとか。成果を上げるために自社製品を売っているけど、会社に愛着は持てないとか。自分の仕事が顧客のためになっているのかわからないとか。万が一40代50代になって、会社から放り出された時に他社で通用するような能力が身についているのかわからないとか。
その点、当社はすごくちょうどいい。完全歩合ではないけど、歩合のような制度があるので、頑張った分だけ評価してくれて、それがダイレクトに数字に表れる。けど、安定した地盤や教育体制もあるから、僕みたいに未経験からでも経営コンサルタントになれる。
しかも、これまでの自分の経験やアイディアを活かして、好きなだけチャレンジもできます。仕事の幅も広いから、とにかく適応力が身につくし、本当に人として成長できるんです。
――では今、山本さんはどのようなモチベーションで仕事に取り組んでいるのですか?
まず大前提が、「本当に顧客のためになる仕事がしたい」というモチベーションです。その上で自分の欲望として、マネーモチベーションと、全力を出しきりたいという気持ちがあります。
当社は、徹底したクライアントファーストだから、誰のために、何のために頑張っているかが明確です。大事なのはクライアントの成果を上げられたかなので、どれだけ売上を出したかを聞かれることはないし、気にしていないスタッフも多いと思います。そういう人たちなので、マネーモチベーションが高い人は少ないです。
けど僕は、それを大前提にお金を稼ぎたいという気持ちがすごく強いし、実際公言しています。そうすると、「じゃあ、新しいセミナーの講師やってみる?」とか「この新規クライアントお願い」とか仕事を振ってくれて、僕の希望を叶えられるフィールドを用意してくれるんです。
とはいえ、僕のマネーモチベーションが高いのは、ただ単に自分自身がお金持ちになりたいからではありません。それよりも、事務スタッフも含めて、会社の全員でよくなりたいという気持ちが強い。
今、僕より先輩の人たちは、会社の内部体制強化を優先させなければならない時期です。となると、僕の立場でやらなければならないことは何か。それは、会社の売上を最大限向上させることだと思うんですよね。当社は売上目標がないことが魅力ですが、だからこそ今は個人的に売上にこだわっています。
当社は、こうやって僕の仕事に全力投球したいという希望を叶えてくれる一方で、岡本のように家族を優先して週4勤務にしたいという希望も叶えてくれます。それぞれの状況や思いに合わせたフィールドを用意してくれるから、全員が納得しながら、クライアントのために全力で働けるんですよね。
だから、本当の意味で全力を出して働けている今、毎日がめちゃくちゃ充実しています!
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