経営コンサルティングの会社は数多くありますが、歯科医院に特化した会社というのは、そう多くありません。これを読んでいる方の中には、「歯科医院以外にも手を広げればいいのに」と思っていらっしゃる方もいるかも知れませんね。
ですが、私たちが歯科医院に特化しているのには、きちんと理由があります。その理由は何なのか。そして、歯科医院の未来をどのように考えているのか。当社代表の岩渕に語ってもらいました。
院長は治療のプロだけど、経営のプロではない
――そもそも、なぜ歯科医院専門のコンサルティング会社を始めたのですか?
今もそうですが、私が事業を始めた当初から、歯科医院はコンビニより数多く存在していました。そうなると本来、患者さんをいかに呼び込むかという生存戦略が必要になるはずなのに、当時の医療業界ではコンサルティングがタブーとされていて、業界でも2、3人しかいなかったんです。
でも、歯科医院の経営者である院長は、医者であり経営のプロではありません。患者さんの治療は得意だけれど、経営は不得手でどうすればいいのか分からない。だからと言って、立場的にスタッフに相談できないし、そもそもコミュニケーションが苦手でスタッフといい関係を築けていないことだってあります。
こんな状況だと、例えその医院の院長がいい腕を持っていたとしても、経営に行き詰まり淘汰されてしまうことがあり得るわけです。それは非常にもったいない。逆に言えば、多くの院長が不得手にしている経営とコミュニケーションの部分をコンサルティングという形でサポートできたら、より良い歯科医院が日本中に増えるはずだと思い、この事業を始めました。
――事業を開始し、いつ頃から手応えを感じたのでしょうか?
私が会社を始めた当初から多くの問い合わせをいただきましたので、かなり初期段階で手応えを感じましたね。そして多くの院長と接する中で、改めて院長の苦労や孤独を知り、多くの院長が経営に悩んでいることを実感しました。
ちなみに、事業開始のタイミングに合わせて、歯科医院の経営戦略を小説仕立てにまとめた『歯科医院地域一番実践プロジェクト』という1冊の本を出版したのですが、こちらはありがたいことに累計1万部を突破しました。歯科医院は全国に約6万8000件ありますから、これは、全国で約15%の院長が読んでくださった計算になります。ここからも、いかに全国の院長が経営に悩んでいるかが分かるでしょう。
彼らを助けるためにも、歯科コンサルタントの存在は必須だと確信しています。
全員が同じ業種と向き合っているから、データやノウハウを共有できる
――歯科に特化していることは、働く上でどのようなメリットがあるでしょうか?
当社のコンサルタント全員が同じ業種を担当しているということは、データやノウハウを蓄積させ、マニュアル化しやすいということです。実際、このマニュアルがあるおかげで、新患数・月間患者数などの累積データと医院の状況をヒアリングすれば、その医院の課題が分かり解決ノウハウを即座に提供できます。
現在も、毎年メンバー全員で数日間かけてマニュアルをアップデートしているので、常にノウハウやナレッジが蓄積されていますよ。
――マニュアルは、普段どのように活かしているのですか?
入社したコンサルタントには必ず4ヵ月以上の教育カリキュラムを受けてもらっているのですが、その中で活用しています。こういう課題があったらどうすればいいかというハウツーも記載されているので、コンサルタントデビューした時に座学の内容を必ず実務に活かせます。
また、当社のコンサルタントは医院のためになることは何でもやりますが、その中にはチラシやPOPといった販促物の作成もあります。マニュアルには過去の制作物もファイリングしてあるので、誰もが取り出して参考にできます。
最近は、コンサルタントたちでグループLINEを作っていて、お互いのノウハウを共有しあっています。初めての事例に遭遇した若手コンサルタントが「これってどうすればいいんですか?」と質問するとその場で先輩コンサルタントからアドバイスがもらえる、という具合に助け合っているみたいですよ。
経営やマーケティングだけじゃない、医院のためにできることは無限大
――当社の歯科コンサルタントの仕事は幅広いですよね。
まず考えなくてはいけないのは、その医院の成果を上げるためには何をすべきかということ。同じような課題を抱えていたとしても、医院によってスタッフの人数や経営状態など条件が異なるので、それぞれ対応が変わってきますからね。今、目の前にある医院にとっての最適解は何かを全力で考えることが、当社の歯科コンサルタントの仕事です。
成果を上げるためには、ただ経営やマーケティング面にメスを入れるだけでは意味がありません。スタッフとの関係構築をはじめとするマネジメント、イラストレーターを使ったチラシ・POP作成、WebサイトのSEO対策、広告戦略までやらないと、医院は安定的に成長しないのです。大事なのは、その医院にとって必要なことは何でもやるという姿勢。
当社の仕事は、業界自体は歯科と限られていますが、できることは無限大なんですよ。
――具体的には、どういうことをしているのですか?
まず、院長やスタッフの話を聞いて、院長と一緒に経営戦略を考えます。その上で医院として取れる対策は全部取りますが、院長の今後の動き方も一緒に考えますよ。例えば、歯科医院の収益を上げるなら自費診療を増やすことが必須ですが、その中でも収益率が高い矯正治療をやっていない医院だった場合、「じゃあ先生、矯正治療をできるようになりましょう」とご提案し、5年かけて技術を習得してもらうことだってあります。
とにかく、その医院に必要なものは何かを全力で考えて、行動するんです。と、言葉にするのは簡単ですが、実際は非常に大変。何せできることが無限大ということは、必要なスキルも無限大ということですからね。でも、1つひとつの取り組みがクライアントの成果にきちんと繋がります。
当社のコンサルタントはクライアントの成長が本当に嬉しいみたいで、成果が出るといつもいい笑顔で報告してくれますよ。
より良い歯科医院を増やし、幸福度の高い社会へ
――これからの歯科の課題は何だと思いますか?
予防治療の啓蒙です。これは社会全体の課題であり、私たちの使命だと思っています。
日本は今、高齢化社会ですよね。人は歳をとると、だんだんと歯茎が弱まり、歯が抜け、入れ歯やインプラントを入れないといけなくなる場合が非常に多い。気が付いた時には、自分の歯で食べ物が食べられなくなっているのです。でも、食べることって、人間が最後まで味わえる楽しみなんですよ。車イスになっても、寝たきりになっても、歯が健康であればおいしいものを食べる楽しみというのは残るんです。
でも、その歯に悩みを抱える人が非常に多い。実際、高齢になってから後悔することの上位に、「歯を大事にすればよかった」がランクインしているというデータがあります。
じゃあ、健康な歯であり続けるためには、どうすればいいか。それは継続的に定期検診を受けて、予防に努めることです。そうすることで健康寿命が長くなるし、QOLは確実に上がります。
――そのために、当社ができることは何なのでしょうか?
予防治療を啓蒙できるような、より良い歯科医院を増やすことです。
正直、私たちはコンサルティング会社ですから、医療の未来をよくしたいというビジョンを掲げているわけではないんです。あくまで、クライアントの成果を上げることが私たちのミッションなだけ。でも、クライアントにとってのベストを尽くしているうちに、より良い歯科医院が増えていき、その結果、いい未来を創れるといいなとは思っています。
今、当社がコンサルティングしている医院と、当社が開催している勉強会に参加している医院を合わせると全国で600医院前後。そこに通う患者さんを累計すると、10年間で約1000万人にもなります。これは、日本の人口の約10%です。これだけの人が私たちが提案する歯科医院でいい治療を受けているとしたら、日本の歯科治療って変わったねって言えると思うんですよ。その声を確かなものにするために、私たちは歯科医院のコンサルティングを続けるのみです。
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