コンセントには、「デザインでひらく、デザインをひらく」というミッションのもとに、さまざまな職能のメンバーが在籍しています。また、対象とするデザイン領域の広さから多くの職種があり、担当する範囲も多岐にわたります。そんなコンセントの職種を紹介する「職種紹介」シリーズ。今回は、Design Engineering groupのフロントエンドエンジニア小山直樹より、コンセントにおける「エンジニア」ポジションの業務やおもしろさについて説明します。
/登場人物:株式会社コンセント|フロントエンドエンジニア 小山直樹
ウェブデザイナーとして受託制作・サービス開発を経験し、2013年エンジニアとしてコンセントに入社。主にコーポレートサイト、ブランドサイトのフロントエンド開発や開発ディレクションを担当。現在はデザインシステム構築プロジェクトにも従事。
エンジニアリングのスペシャリストとして
活躍の幅を広げていく。
—2023年7月、Design Engineering groupという新しい部署を発足しましたが、そもそもコンセントにおけるエンジニアとはどのような職種なのでしょうか。
コンセントのエンジニアの定義は、「ウェブ、アプリなどのさまざまなサービスにおける、プログラム、データ、インフラの具体的な導入・設計・実装・検証を担当する。プロジェクトの意図に合った手段の検討・提案や、実装における外部パートナーへの指揮・管理を行うなど、プロジェクトの円滑な遂行と最終的なアウトプット品質に貢献する」職種とされています(人材育成ツール「技術マトリクス2023年度版」)。
ただ、これまでの傾向として、実際のプロジェクトではすでに決まった要件の範囲内で業務を遂行する機会のほうが多かったとは思っていて、全体の企画や提案などにはなかなかリーチしづらかったんじゃないかなと。技術マトリクスで求められているエンジニアの基本スキルを身につけながら、その上で一人ひとりが興味のある分野、得意な分野のスキルも伸ばしていって、エンジニアとして活躍できる幅を広げていくことを目指しています。
—なぜ今、エンジニアには活躍できる幅を広げることが求められているのでしょうか。
現在はテクノロジーの進歩で実現可能なことがどんどん増えていて、専門職でなければ追い切れないほどの流速でトレンドが変わっています。そのような状況でレガシーな構成の提案を行えば、「もっとパフォーマンスの良いものを」「表現力の豊かなものを」と言われてしまうケースも起こり得ます。テクノロジーに強いエンジニアが提案やデザインに深く関与しながらプロジェクトを推進していくといった動きは、今後ますます求められていくと考えます。
また、「デジタルスキル標準」※ の中の「DX推進スキル標準」でも、「フロントエンドエンジニア」の必要なスキルとその重要度が定義されています。今後、「デジタルスキル標準」がビジネスの指針になっていくことを考えると、そこで描かれている幅広いスキルを身につけることは必要不可欠になっていきます。
※2022年12月、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が定めた、DX推進のためのデジタルスキルの指針
Design Engineering groupという部署を新たに発足したのも、進化し続けるテクノロジーを活用し、コンセントのデザインの価値を高め、より魅力的にするエンジニアリングの実践が求められていることが背景にあります。業界の進歩と自社の組織的な改革から、エンジニアがさらに成長できる環境が整ったといえるかもしれません。
能動的に自己研鑽していくことで個々の強みを伸ばし、全体の力にする。
—エンジニアの職種にはどんな魅力があると考えますか。
エンジニアというのは、コードを通じてユーザーの目に映る画面そのものをつくり出します。そのようなユーザーにダイレクトに響く表現を担えるというのは、やはり大きな魅力があると思います。もちろん、最終品質を担保する職種でもあるのでシビアな部分を求められることもありますが、大半の人は「楽しいからやっている」という気持ちがあるのではないでしょうか。
魅力という意味では、「技術を研ぎ澄ます」「役割の幅を広げる」というどちらの方向でもキャリアパスを描きやすいということも挙げられると思います。ある程度「今、自分は市場的にどんな価値があるのか」を測れていれば、比較的仕事に困ることのない職種であると思います。
—一方、エンジニアの職種は、どのような点が大変だと感じますか。
「自分の強みの発見」「他者認知の獲得」「継続的なセルフアップデート」を能動的に行わなければいけない点ですね。トレンドの変化が速い上に、担うべき役割も増え続けていく中で、市場への提案価値や会社や組織からの期待を踏まえながら、取捨選択して自己研鑽していくのも簡単なことではありません。
そこで2022年からエンジニアチームがメンバー全員で新たに取り組んでいることもあります。全社に向けて毎週記事を執筆・公開するという取り組みです。「組織に対する貢献」といったテーマを設定し、まずは新しい視点で考える力を培うというのが狙いです。加えて、自分の考えをまとめて他者に発信していく経験にもなっています。
このような取り組みを通じて情報発信に自信をつけたメンバーが、社外イベントに自主的に登壇するなどの良い成果も現れています。Design Engineering group発足後は、社内外への情報発信力のさらなる強化を目指し、メンバーによる社内向けのライトニングトーク会を毎週開催しています。一人ひとりが自分の強みと出会い、さらにその強みをメンバーと共有しながら複合的なものにして、コンセントのエンジニアリング力として練っていきたいですね。
他者視点をもってプロジェクトを俯瞰しながら、
最適解を求めて自発的にアクションできる人。
—最後に、どのような志向、経歴の人に応募してもらいたいですか。
自発的にスキルアップを行えるというのはもちろんのこと、「フォロワーシップ」があり、他者視点をもってコミュニケーションができる人ですね。
「フォロワーシップ」というのは、組織やチームのゴールに向けて、リーダーのサポートやチームメンバーのパフォーマンスを適宜カバーするなどのアプローチを積極的に行うこと。エンジニアとして働く中で、これまでは受け身にならざるを得ない場面も多かったかもしれませんが、自発的に動ける方とぜひ一緒に働きたいと思っています。
また、「他者視点をもつ」ということに関しては、実はエンジニアにとって一番の難関だと感じています。エンジニアというのは自分のほしいもの、自分のやりたいこと、自分に深い思いがあることに対しては尖ることができます。ただ、コンセントの仕事は、基本的にクライアントワークです。しかも、プロジェクトによって毎回課題が違うので、その一つひとつに「自分が提案したものに対して、クライアントがどのような反応をするかを想像する」力が必要になっていきます。個人の尖った部分と、その時々で異なるニーズを掛け合わせた提案やコミュニケーションができることは、コンセントでエンジニアをやるおもしろさでもあります。
「活躍の幅を広げる」「成長を続ける」「能動的」「フォロワーシップ」「他者視点をもつ」……このあたりにピンと来た方は、奮ってご応募いただきたいです。
インタビュー/柴崎卓郎 butterflytools
写真/牧野智晃 〔4×5〕