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デザイン会社への就職活動 〜 経営学科卒からデザイナーになった話 〜

コンセントの新卒採用では、学生時代に学んできたこと、強みや個性も多様な方々からの応募、入社があります。就職活動の仕方や考え方も人それぞれです。「デザイン会社への就職活動」企画では、そんな色とりどりの就職活動の一端を紹介していきます。

今回は、経済学部経営学科を卒業しコンセントでサービスデザイナーとして活躍する成瀬有莉にインタビューしました。コンセントでの就職活動を中心に、どのようにして自身の軸を見つけていったのか、なぜコンセントに応募したのか、どうやって選考が進んでいったのか、また、現在どんな仕事をしているのかなどを紐解いていきます。

/登場人物:株式会社コンセント|Strategic Design group サービスデザイナー成瀬有莉
上智大学経済学部経営学科卒。組織におけるデザイン導入、組織支援に強く興味を持ち、コンセントへ入社。デジタルマーケティングにおけるディレクション業務から、ユーザーエクスペリエンスデザイン、デザイン活動・共創を推進するためのワークショップデザインやファシリテーションまで、サービスデザイナーとして幅広く担当。

デザインとの出会いと就職活動

学生時代はどのようなことをしていましたか。

経済学部の経営学科に所属していて、学科の勉強と並行して、学習塾を経営するコンサルティング会社の長期インターンシップや、教育系の社団法人に所属するなど、学外での活動にも熱心に取り組んでいました。


どのような軸で就職活動をしていたのでしょうか。

就活を進める中でいろいろ変遷はあったのですが、最終的には2つになっていきました。
ひとつは、自分の性格などを踏まえて「さまざまな業界に触れられるような仕事がしたい」という軸。もうひとつは、「熱い思いや成し遂げたいことがある人たちの支援ができる仕事」という軸です。

なぜそのような軸になったのかというと、学習塾を経営するコンサルティング会社のインターンシップがきっかけにあります。その学習塾の先生たちは「社会や生徒に対して、こんな教育をしていきたい」「教える立場たるもの、自分も学び続けないと生徒に示しがつかない」などの熱い思いがある方たちだったのですが、経営があまりうまくいっていなかったんです。

そんな状況を目の当たりにして、熱い気持ちを持った人たちがずっと前向きでいられるように、その人たちがやりたい事を実現できるようサポートができる人材になりたいと思うようになりました。それを実際の仕事として考えてみたら、事業開発や組織開発支援という仕事に興味を抱くようになりました。
なので、業務系のコンサルティングの会社や、ITソリューションで業務を改善するような会社にエントリーしていました。あとは人材マネジメントや、人材開発系の企業なども。


どういったきっかけでデザインに興味を持つようになったのですか。

これも、インターンシップでの経験がきっかけです。その会社が経営する学習塾で生徒を募集するための販促としてチラシやポスターの制作を任され、独学でいろいろ勉強しながら見よう見まねで制作をしていました。それが、デザインとの最初の出会いだったと思います。

あとは、高校生に向けてワークショップを実施する団体に所属していて、そのワークショップのためのスライドなども作成していました。
もともとはまっ白なスライドに黒い文字で書いてあるような、簡潔なスライドだったのですが、せっかくならもう少し楽しい時間になるように、スライドの内容や見せ方を工夫しました。そうすると生徒さんから「スライドが可愛くて楽しかったです!」って言ってもらえたり、ワークショップのファシリテーターの人から「以前のものよりわかりやすくなった。ほかのところでも使っていいですか?」と言ってもらえたりして。

情報を整理したり、伝えるための配慮をしたりすることが、誰かのためになるということや、ちゃんと伝えるために大切であるということを実感しました。個人的な気づきからちょっとした工夫をしただけのつもりでしたが、スライドだけでなく、体験のデザインにもなっていたのだな、と今になって思います。

(当時のワークショップの様子)


コンセントにエントリーしたきっかけを教えてください。

就活とは関係なく、スライドやポスター、チラシなどを独学でつくっていた時に「トンマナ」という言葉を検索したら、コンセントの記事が出てきたのが最初の出会いでした。掲載されている事例や「デザインでひらく、デザインをひらく」というミッションなどを読み込んでいくうちに、堅実であると同時にすごく熱い会社だなと思ったことを覚えています。サイトを見ていたら、新卒募集という言葉が目に入って。

これまでは「デザイン」と聞くと、きちんと伝えるとか、魅力的に見せて人の心を動かすというイメージが強かったのですが、コンセントのサイトを見ているうちに「デザイン」という領域の幅広さに気づかされました。「デザインの手法って事業開発や組織開発にも使えるんだ。そういう世界もあるんだ」ということを知り、わくわくしたことを覚えています。当時就活中だったこともあり、また自身の興味領域でもあった組織開発にも携わるチャンスがありそうだと思い、エントリーしようと決めました。

実は、書籍『なるほどデザイン』もコンセントのトンマナに関する記事に出会う前から、デザインの勉強のために持っていて、「これ、コンセントの人が書いていたんだ!」と入社してから知って、すごくびっくりしました(笑)

元々、大学の時のゼミが新規事業開発やアントレプレナーシップなどの研究をしているゼミだったので、世の中の流れとして「新規事業を考える時にデザイン思考というものが役に立つらしい」というレベルでは知ってはいました。なので、デザインが経営学とまったく関係ないわけではないと理解していたこともエントリーに影響しているのかもしれません。


会社を選ぶ上ではどのようなところを見ていたのでしょうか。

コンセント以外にもデザイン会社を見たりもしたのですが、いいなと思うところは募集期間が終わっていたり、そもそも新卒で募集をしている会社があまり見つけられなくって。コンセントともう一社だけ、デザイン会社ではエントリーしていました。
会社選びにおいては、分業体制がはっきりしすぎていないか、というところを結構気にしていました。
切り出したタスクを渡されるような状態だと、本質的な課題を見つけることや、本当にその手法がベストかどうかを考えられないんじゃないか?ということを思っていたので、あまり職種ごとに業務がキッパリ分かれすぎていない会社が良いなと考えていました。

コンセントの場合は「デザインでひらく、デザインをひらく」や「伴走するデザイン」のような、会社としての根っこの考え方の部分にもとても共感したという点が、応募してみようと思った大きな理由のひとつです。


コンセントにエントリーして、選考はどのように進んでいきましたか。

まずはエントリーシートと作文と、ポートフォリオの3点を送りました。作文は志望動機を書きました。
ポートフォリオは、デザインを専門的に勉強してきた人と比較して見られると思うと恥ずかしさはありましたが、何もないよりはあったほうが熱量が伝わるかなと思って送りました。当時インターンシップや教育系団体で作成していたスライド、パンフレット、チラシなどなど。その後にウェブ適性検査を受け、面接は3回ありました。


面接はどのような感じでしたか。

一次面接は面接官が4人くらいで、二次面接は3人ぐらい。最終面接は役員が8名全員いました。ここ数年はオンラインで面接をしていると思うのですが、私の時はまだリアルでの開催で、恵比寿にあるオフィスで実施されました。

コンセントの面接は、ほかの会社の面接の雰囲気と全然違っていて、何かジャッジをされるという感じではなくて、私のことを知ろうとしてくれているように感じていました。それもあってか、自然体で楽しくお話をしているような感じだったので、終わったあとにうまくいった!みたいな手ごたえが全然なかったので、当時は漠然と不安にもなりましたが。

他の会社の面接だと、一人の人物像として言動に一貫性があるのかをエピソードトークでしっかり見られる場面が多くあったと感じています。「過去の自分がやってきたことなんて、当時やりたかったことをやっているだけだよなあ」と思っていたので、そこの一貫性を持たせて、かつ志望動機に綺麗につなげる……というのが個人的にすごく違和感があって。
コンセントの面接では、「今後どうしてきたいか」とか「企業に入って何をしたいか」とか、将来の話を尋ねられたのが印象的でした。
社風にあってるかどうかを見ていたのかもしれないですけど、当時の私はそういう、過去の経験や行動の一貫性だけではなく、気持ちも重視してみてくれている部分に好印象を持っていました。


エントリーや面接にあたって苦労したことなどはありましたか。工夫したポイントもあれば教えてください。

就活サイトなどを見ると、どんな選考だったかなど、過去の就活生の体験談みたいなものが書いてありますよね。他社を受ける時はそういう記事を事前に見てから面接に臨むなどの準備ができたのですが、コンセントはその当時、公開されている情報が他社と比べて少なくて。何を聞かれるかがまったく想像ができなかったことが大変でした。書類選考での作文について聞かれるかもしれない、くらいは考えていたので、その対策はしていました。

提出する作文自体、どういうことを書くべきかも気をつけていました。
きっと作文では「ロジカルに物事を考えられるか」というような基礎能力的な部分を見られているんだろうなと思っていたので、そういった部分と、「自分らしさが伝わる言葉で書く」ことの2つに気をつけていました。
「学生時代に力を入れたこと」って複数社受けていると同じ文章を使い回してしまうこともあると思うんです。ただそれだと本気度が伝わらず落とされてしまうだろうと思ったので、きちんと自分なりの言葉で語ることを意識しました。これまでの経験から得た気づきや課題意識を言語化して、その解決のためにデザインという手法が有効であると思う理由と、だからこそ私はデザイン会社でこういうことがしたいんです!というような、ロジックとパッションのどちらも乗せて書くことを意識していました。

入社直後と4年目のいま

入社後はどのような仕事をしてきましたか。

最初の1年目は半分クライアントワークのプロジェクトをして、半分自社のマーケティングチームで仕事をしていました。
マーケティングチームではイベントを企画・開催したり、販促ツールとして自社のポートフォリオや動画をつくったり、公式サイトの沿革ページもリニューアルしました。会社としてもマーケティングチームが組成されて初年度だったということもあり、自社のことを伝えるためのツールをつくる活動が多かったかと思います。ツールをつくるために実施した社員へのインタビューなどを通して、コンセントという会社がどんな会社なのかを改めて深く知ることができ、良い経験になりました。

あとは、コンセントの経営自体に触れる機会もありました。
管理職のメンバーが集まってコンセントの事業状況について確認する会議が毎週あって、そこに参加して議事録をとっていました。新卒当時の自分には少しイメージが湧きづらい規模が大きめな話でもありましたが、企業がどのように数値を管理して、売上を立てているのかといった事業運営の裏側を知る、良い勉強の機会だったと思っています。
クライアントワークでは、とある企業の事業部ビジョン策定プロジェクトに参加していました。出張して、クライアントと一緒にワークショップをしたり、他にはウェブサイト制作のプロジェクトにも入ったりしていました。

当時の上長と「まずは色々やってみよう」と話していたので、広報誌制作のためのインタビューや撮影等にも同行していました。撮影なんて右も左もわからない、というようなレベルだったのですが、本当にジャンル問わずやらせてもらっていました。
2年目も色々とやっていたのは変わらないのですが、徐々にサービスデザイナーとして動く機会が増えていき、4年目の今はサービスデザイナーの役割でプロジェクトに参加する機会がほとんどです。

(Strategic Design groupのメンバーとの一枚。画像右:成瀬さん)


入社前にやりたかったことはできていますか。

はい、最近もまさに組織開発支援系のプロジェクトリードにチャレンジさせてもらい、とても学びが多いプロジェクトになりました。
組織をありたい姿に近づけ、その先にいる顧客にとっての満足や良い変化を生み出すためには、問題が複雑に絡み合っているがゆえに、一筋縄ではいかない部分も多くあることに気づかされました。働く人それぞれの思惑や身につけてきたやり方がある中で、まずはどこから解いていき、変わるための持続的な活動を生む仕組みをどうつくるのか。まさにサービスデザインが役目を果たすところだなと感じます。
組織課題は複雑性も高く、難しさもありますが、今回のプロジェクトを通して乗り越えるべき壁の解像度が一段上がったと感じます。学生の頃は見えていなかった部分です。ぎゅっと身が引き締まる思いです。

また、入社してはっと気づかされたことに、まず何よりも「ユーザー目線で考える」ことの重要性があります。コンセントの中だと本当にあたりまえのように皆に染み付いている大前提なのですが、入社当時の自分にとっては、すごい発見だったというか、新鮮で。
それこそ私が学生の時にやりたいと思っていた「企業の人たちが、前向きに働けるように。やりたいことを熱を持ってやり続けられるように。」って企業側の目線だけだったのだな、ということにそこで気づきました。
企業側のやりたいことやビジネスとしての事情も大事にしつつ、ユーザーとの間の架け橋になり、双方にとっての良い状態をつくり出すのがデザイナーなんだ!と気づけたことは自分の中でも大きな出来事でした。

最後に、就活生にメッセージをお願いします。

この記事を読んでくれている方は、「自分は専門的にデザインを学んでいたり、美術系の大学出身ではないが選考において不利にならないか」という不安を抱かれている方も多いかもしれません。
ただ、コンセントの新卒採用ページを見てもらえるとわかると思いますが、職種による募集ではないことや、特定のスキルを条件に入れていないことなどからも、選考において芸大や美大出身であることが優位になるというわけではないです。選考の際は出身大学や専門領域に関わらず、フラットに見られていると考えてもらって良いと思います。

大事なのは、デザインによる課題解決を仕事にしたいと考える動機や、他のさまざまな選択肢がある中でデザイン会社やコンセントに入ってどんなことをしたいのか?が自分の中でしっくりと腑に落ち、他人にも説明できるようになるまで考え切れているかという点です。それができたのであれば、自ずとそこには熱量が乗ってくると思います。その熱量もぜひ伝えてください。コンセントの面接ではその熱量をちゃんと受け取って、対話してくれる人ばかりなので、自分なりの素直な考えを伝えられると良いと思います。

考え切るためには、誰かに話を聞いてもらって自分の考えを整理したり、必要であれば社員と面談をしたりして、デザインを仕事にすることや、将来どんな風になりたいかの解像度を上げていってみると良いと思います。

頑張ってください! 一緒に働ける日が来ることを楽しみにしています。



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