コンセントには、「デザインでひらく、デザインをひらく」というミッションのもとに、さまざまな職能のメンバーが在籍しています。また、対象とするデザイン領域の広さから多くの職種があり、担当する範囲も多岐にわたります。そんなコンセントの職種を紹介する「職種紹介」シリーズ。
今回は、Relationship Design groupのグループマネージャー野澤美子より、コンセントにおける「ウェブディレクター」ポジションの業務やおもしろさについて説明します。
/登場人物:株式会社コンセント|プロデューサー、プロジェクトマネージャー 野澤美子
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。2008年よりコンセントに入社し、ウェブサイトの運用・改善・立ち上げなどを複数経験。現在は企業のウェブサイト運営支援やガバナンス整備、プロジェクト設計・マネジメントなどを中心に活動。
一人ひとりの強みを活かしてプロジェクトを進行。課題解決の戦略にもコミットし、幅広い業務を行う。
—コンセントおいて、ウェブディレクターという職種はどのような業務を担っているのでしょうか。
一般的にウェブディレクターと聞くと、ウェブサイトやウェブサービスの制作ディレクションに特化して業務を行う印象が強いと思います。しかし、コンセントのウェブディレクターの場合、業務内容が一般的なイメージよりも多岐にわたり、例えば、ヒアリングや調査から情報を収集してユーザーや課題を特定し、課題解決のための戦略を検討するというところにもコミットしていきます。
主に対応するのがウェブサイトであったとしても、戦略検討時ではコミュニケーション課題全般に関わる解決策を検討・提案します。ですから、自社のソリューション全体に対する理解や、デジタルマーケティングの知識、外部サービスを含めた技術トレンドのキャッチアップも必要になっていきます。また、戦略に沿ったUX検討や情報設計、コンテンツ検討なども業務内容に含まれるので、その情報収集も不可欠です。
つまり、「ウェブサイトやウェブサービスの実質的なUIデザインや実装作業」以外のすべての業務に携わらせてもらえるようなイメージですね。
—これらの業務を、1人で担当するのでしょうか。
いえいえ、さすがに1人でプロジェクトを回すというのは難しいので、複数のウェブディレクターとともに担当します。
コンセントでは、ウェブディレクターに望むスキルとして、マーケティング・PR支援、プロジェクトプランニング、プロジェクトリード、プロジェクトマネジメント、情報設計、進行管理などを挙げていますが、それら以外にも各個人の個性や得意な部分も存在します。その点を含めて検討しながら、プロジェクト上の立ち位置や役割を決定していますね。
プロジェクトに一気通貫で携われるという醍醐味。
「クライアントに長期で伴走できる」というおもしろさも。
—業務内容が幅広いというのは、非常にやりがいがありそうですね。
その通りですね。プロジェクトにおける課題の発見からアウトプットまで一気通貫してクライアントと関わっていけることは、ウェブディレクターの醍醐味だと思います。
また、ウェブサイト立ち上げ後の運営にも寄り添って、新たな課題への提案や中長期計画に向けての検討もクライアントと一緒に行えるなど、「長期で伴走できる」という点もおもしろいと思います。
しかも、プロジェクトではウェブディレクターがコミュニケーションの中心となることが多いため、クライアント担当者・社内スタッフ・外部パートナーがひとつのチームとなる一体感をある意味最も感じることができるポジションです。自らのディレクションでチームの中でよい化学反応が生まれたときは、とてもやりがいを感じますね。
ただ、業務範囲の広さゆえに、常に「今やらないといけないこと」を自覚して、優先度をつけながら対応していく必要があります。また、複数のプロジェクトを並行して進めている場合、それぞれ役割が異なることもあるので、その都度気持ちを切り替えながら対応していく大変さはあるかもしれません。
—多岐にわたるウェブディレクターの業務ですが、将来に向けてどんなキャリアを積むことができるのでしょうか。
私の場合、現在はプロデューサー/プロジェクトマネージャーという肩書きですが、最初はウェブサイト構築プロジェクトの進行管理役としてキャリアを始めました。さまざまなプロジェクトの経験を重ねるうちにだんだんと、そもそも「どんなサイトをつくるべきか」という部分から担当していけるようになりました。その後、クライアントの業務支援の部分にコミットすることが多くなったこともあり、現在は組織マネジメントを活動の中心に、プロジェクトプランニングやプロジェクトリードなどの役割を担うようになっています。
このように、コンセントのウェブディレクターは自分の得意とすることや特定の技術を高めていくことができるだけでなく、それらのスキルを使いながら他の職種にチャレンジしていくことも可能です。こうした選択肢の広さも魅力のひとつですね。
また、コンセント全体としてサービスデザインの視点と技術がベースにあるため、ウェブサイトに限らず「誰のためのものか」「解決すべき課題はなにか」「どのような体験であるべきか」といった本質的な課題を検討することが職種問わず当たり前になっています。そういった視点のある人たちと一緒に働ける環境は、自分の視野が広がりますし、学ぶことも多いと感じています。
「経験豊富」でなくとも、得意なものがひとつでもあれば、それを強みに。
—コンセントのウェブディレクターという職種を考えたとき、どのような志向、経歴の人に応募してもらいたいと思いますか。
この職種は「業務範囲が幅広い」という特徴がありますが、だからと言って「経験が豊富でなければできない」というわけでは決してありません。
コンセントには、ウェブディレクターとして何かひとつでも得意なものがあれば、その強みをベースにしながら成長していくことができる環境があります。クライアントに長期的に伴走していきたい方、どのような仕事にも自分なりのモチベーションをつくれる方、コミュニケーションが好き・得意な方、自ら技術を吸収する意欲が高い方、ウェブサイト・ウェブサービスの課題解決に携わったことがある方、ぜひチャレンジしてください。
インタビュー/柴崎卓郎 butterflytools
写真/牧野智晃 〔4×5〕