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移動の問題を解決し、好きなところに住み、好きなところで働いて、好きなところで学べる世界を作りたい。

MaaS Tech Japan(以下、MTJ)は、プロダクト開発の強化に向けて経営体制を変更しました。その体制変更に機に迎え入れた取締役CSO/プロダクト開発統括 清水 宏之に、MTJが取り組むプロダクト開発について、概要と今後の展望を聞きました。

株式会社MaaS Tech Japan 取締役CSO/プロダクト開発統括 清水 宏之

――今年2月にMTJのCSO/プロダクト開発統括に着任されましたが、プロダクト開発統括とは具体的にどんなことをするのでしょうか?

 CSO/プロダクト開発統括は、プロダクト開発の戦略を考える役割です。日本中に交通の課題を抱える自治体や事業者はたくさんいらっしゃいますが、MTJは少ないメンバーで一つ一つ対応しているため、多くの案件を扱うことができず、お手伝いできる量が限られてしまっています。それは、とても勿体無いですよね。

 もっと広くMTJの技術やノウハウを活用していただけるようにするためには、どういうプロダクトを開発すれば良いか、より多くの方に使っていただき、日本の交通の課題解決に繋げることができるのかを考えること。これがCSO/プロダクト開発統括の仕事です。

 よって、私の大きな役目の1つは、MTJが持っている技術やノウハウをプロダクトにすることです。加えて、その開発したMTJのプロダクトを一緒に展開してくれるパートナー企業を作っていくこともミッションになります。

 具体的には、様々なお客様のニーズに合わせてどのようにプロダクトを仕立て、それをどう収益化し、どのように販売・展開していくかを決めます。
 さらに、プロダクトが完成し、販売したら終わりではなく、プロダクトの導入を決めて下さったお客様が、しっかり活用できるように、導入の支援・サポートする必要があります。

 プロダクトを展開していくには、自社だけでなく、一緒にプロダクトを営業・提案・導入支援・サポートをしていただけるパートナー企業が重要になると考えています。そのため、MTJと共に導入支援・サポートをしてくださるパートナー企業の開拓を進めていきます。

――これまでのご経歴をおしえてください。

 私は新卒でJR東日本情報システムというJR東日本グループの情報システム子会社に入社しました。そこでは17年間、主に新幹線のシステム開発を担当していました。鉄道の中でも新幹線という特異な分野で面白かったのですが、徐々に公共交通全般を扱う仕事をしたいという思いが強くなりました。そこで、システム関係で、かつ公共交通を含む官から民まで幅広いつながりを持っている企業ということで、2016年5月に日本マイクロソフトに移りました。

 ちょうどその頃、MaaSという言葉が世の中に出始めたので、「これだ!」と思ったんです。それで、当時の上長とともにMaaS専門部門を立ち上げ、何かできないかを考え、ユーザー中心アプローチによるMaaSソリューションとして、ビジネスワーカーが日々使っているOffice 365を組み合わせた「働き方改革 x MaaS」の取り組みを立ち上げました。その後、少しずつ社内外でも立ち位置ができてきて、マイクロソフトだからこそできるMaaSは何かを考えながら、アイデアを一つ一つ案件化し、パートナーエコシステムの構築をしていきました。コロナ禍で在宅勤務が続き、ワーケーションで地域活動に関わるようになって、徐々に自分の中で「リアルな交通の現場に出て行きたい」という思いが強くなっていったんです。

 そう考えていた時期に日高社長と話す機会があり、MTJが創業から3年経って、プロダクト開発を加速させている、という話を聞きました。そこで「これまでのJRでの仕事とマイクロソフトでのパートナーエコシステム構築の仕事での経験は、これから間違いなくMTJで必要になるし、自分に役立てることがあるかもしれない」と思い、MTJにジョインすることを決めました。

――MTJの良いところや強みはどのようなところだとお感じになりますか?

 今のMTJの強みだと思うのが、事業開発陣も技術開発陣もとても良いメンバーが揃っていることです。事業開発のメンバーは、交通分野や街がどうしたらより良くなるかを真剣に考えています。自治体や事業者の方々と同じ目線で話しているところや、お客様に共感できるというのは大きいと思います。

 技術陣は、技術レベルが高いのはもちろん、MaaSとはなんぞやという思想的な部分に加えて、そのMaaSで何をしようとしているのかという事業開発側の意図も分かった上で、技術の使い方を考えているチームです。単純にプログラミングができる云々ではなく、その技術によって、いかにMaaSや交通をより良くできるか、すごく考えながら開発している。これは、他のいわゆるSIer(エスアイヤー)と呼ばれるシステム開発系の企業のプログラマーとは違う部分であり、良いところだと思います。

 メンバーのバックグラウンドや仕事への姿勢なども含めて、業務側と技術側の両方でこれだけの顔ぶれを備えているのは、企業として一番の強みです。

――プロダクト開発部門が新設され、今後MTJはどのように変わっていくのでしょうか?

 事業開発の面でも技術の面でも、今までとは少しやり方を変えていかなきゃいけない部分は出てくると思います。コンサルティングビジネスの場合は、お客様の要望には基本的になんでも応えてあげたくなるんですよね。でもプロダクトを意識すると、どこかで線を引く必要も出てきます。このバランスの取り方は難しいんですが、とても大事なことです。

 バランスをどう取っていくのかを決めるのが、プロダクト開発が担う部分になりますが、これも事業開発や技術のメンバーと一緒に3部門で相談しながら、最適なバランスが取れるように調整していきたいですね。

――MTJにジョインして、実現したいことはどのようなことですか?

 どこの自治体も何かしらの交通課題を抱えていますが、その対応は自治体によって大きな差があります。中にはモチベーション高く、既に課題解決に取り組まれているところもありますが、それも多くはありません。担当者が「何かやらないといけない」と思っていても、やり方が分からなくて、そうこうしているうちに地域がどんどん衰退してしまう…そんなことにならないようにしたいです。

 MTJのプロダクトがあれば、自治体や事業者に強力な旗振り役がいなくても、なんとか地域の公共交通を維持できる。そういうケースを少しでも増やして、地域交通全体の底上げができるといいなと思っています。

 そのためには、MTJのプロダクトを浸透させるだけでなく、利用者同士のコミュニテイづくりなど、それを必要としている方々に、どのように使ってもらうのかまでを含めたサポート体制を作るのが理想です。まずは各自治体の成功事例を利用者間で共有できるようしたいですね。良い事例を見て、「MTJのプロダクトを使って自分たちも課題を解決してみよう」という気持ちになってもらえれば嬉しいです。

 あと、今後日本の人口減少が続くと、行政サービスを効率的なものにしていかないと、住みたいところに住めない社会になってしまうかもしれません。私個人としては、「住みたいところに住んで、働いて、学んで、生きていくことが人間の幸せだ」と思っているんです。なので、もしも移動によって何かが制限がされて、住みたいところに住めず、勤めたいところで勤められない、学びたいところに通えないなら、その障壁をなくしていきたいと考えています。

 そのために必要なことは様々ありますが、私はMTJで、自治体の武器になるようなプロダクトを作り、多様な情報を得られる環境を作っていければと思っています。

――最後に一言お願いします!

 プロダクト開発部門では、パートナー企業と会話してコミュニケーションを取る、いわゆるパートナー営業的な役割のメンバーを募集しています。この仕事は、自分だけが儲かればいいというよりは、相手のビジネスモデルも考慮し、両社にとって最適な組み合わせを見出すことを大切にします。より良い地域交通をつくるため、縁の下の力持ち的な仕事に興味がある方は一緒にやっていきましょう。

 そして、「好きなところに住んで、好きなところで働いて、好きなところで学べる世界を一緒に作りたい」と思った方も、ぜひMTJに来てください!

――ありがとうございました。

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