今回は、調剤と零売の両方を取り扱う「おだいじに薬局 戸越銀座店」で店長として活躍する薬剤師の鶴田さんにお話をお伺いしました。店内に一歩入ると明るい挨拶で出迎えてくれて、店舗内も暖かい雰囲気が印象的な戸越銀座店で、地域密着度の高い薬局であるために意識していることなどをお伺いしました。
ーGOOD AIDへの入社のきっかけは何ですか?
元々、GOOD AID以前の運営会社の時から勤務していて、今年の4月から運営会社がGOOD AIDに変わったタイミングで事業部長の岩本さんから「正社員で働きませんか?」と、お声がけいただいたのがきっかけです。
社員になろうと思ったきっかけは会社に対してポジティブな印象がしたのが決めてですね。
今までパートで十分かな、と思っていたんですけど、GOOD AIDみたいな面白そうな会社が来たので、引き受けたてみたいな、と思って入りました。今年の5月から正社員で店長としてお店を任されています。
あと、気がかりだったのが患者さんにも顔見知りの方が多くて親子何世代にも通ってくれたりしている方がいらっしゃるので(顔見知りの)自分が居なくなると不安になるのでは?と思ったのも理由の一つですね。
高齢者の方は変化を好まれない方もいらっしゃるので、安心して欲しいな、と思って。
以前、パートで週1勤務だった時、「いつも何曜日にいるの?」と聞いてくれた方がいらっしゃいました。毎回、私の出勤日に合わせてわざわざその曜日に通ってくれるんです。慕ってくれる人がいるのは嬉しいので、その気持ちに答えたいな、と思いました。
ー今まで薬剤師としてどんな経験を積んで来たか教えてください!
新卒で製薬会社に入ってMRを10年ほど経験したのが始まりです。
その後は、薬剤師としていろんな角度から経験を積みたいな、と思っていたので調剤薬局・ドラッグストア等で働きました。
「薬剤師」っていう同じポジションでも、それぞれの立ち位置とか関わり方でやっぱり見える景色とか患者さんとの距離感が違うんじゃないかな?と思ったので。
その後は、ずっと現在の薬局にて薬剤師をしています。
ー運営会社がGOOD AIDになってから変わったことなどありますか?
以前はパート勤務だったのでシフト制の出勤だったけど、薬局を管理する立場になってから、ほぼ毎日店舗に出ることが増えたので患者さんの変化に敏感になったのは大きいです!
店舗に入ってきた瞬間の顔色とかで、なんか今日は体調悪そうだな、とか今日は調子良さそうだな、とか分かるんですよね。
会社としては、全体的に若いし前向きな会社だな、という印象でエネルギーを感じることが多いですね。
薬剤師の仕事って単調になりがちなんだけど、新しいことに携われるのはやる気がでるので、よ〜し!頑張るぞ!って(笑)
私自身もポジティブに、より意欲的に取り組もう!って思っています。
ー「おだいじに薬局」としてリニューアルオープンされて1ヶ月経ちましたが、患者さんやお客様の反応はどうですか?
店長になってから挨拶に回ったのと同時に近隣の病院さんへもご挨拶をして、名前変わったけど中の人は変わってないよ〜、って伝えてもらえるようにご挨拶しました!地域の患者さんやお客様だけでなく、病院の方との関係性構築も意識しています。関係性がある先生からの処方箋が来たときは嬉しいですね。
あと、ドアの前の透明なガラスから中を覗いて様子を伺う方もたまにいらっしゃるので、すぐに声をかけて「店舗の名前は変わったけど働いている人間は同じですよ〜変わらないですよ!」とお話ししています。
普段から、なるべくお待たせしないように気をつけているのですが、お待たせしても文句を言われることがほとんど無いんですよね。
そこはやっぱり、日頃の行動を評価してくれているからかな、と思います!
あとは、零売を扱う様になって新患が増えましたね!
ー零売という制度についてはご存知でしたか?
零売の存在は知っていました。スイッチOTCの拡大版というような意識に近かったですね。
今まで、営業・調剤薬局・ドラッグストア、色んな立場から薬剤師として携わってきたけど「零売」という立場から携わるのも面白そうだな、と思っていました。
ただ、立ち位置が違うだけで患者さんとの関わり方とかも違ってくるので試行錯誤しながらやっていますね。
ー調剤と零売の両方を取り扱う店舗ならではの特徴はありますか?
最近の処方の傾向が分かります。処方箋にも流行り廃りがあって。
新しい薬の処方とかをタイムリーに患者さんにフィードバックできるのは利点ですね。
最近だと特にコロナワクチン対策で零売で解熱鎮痛剤のカロナールを所望されることが多いんですね。
カロナールってmgが「200」「300」「500」の3種類があるので、先生の処方箋の対応とかをみて零売の方でもmgをそれぞれに合ったものを提案するように注意しています。
そこは、やっぱり街の薬局としていろんな処方箋をみたり、傾向が分かっているからこそ提案できるのかな、と思いますね。
ただ、ワクチン対策で来られた方はそれっきりのご購入・ご来店の方が多くって。
その後の経過とか、反応はどうだったかな?などが分かりづらかったりするのが残念です。
ー零売も取り扱っている薬局ならでは薬剤師としてのやりがいはどんなところだと思いますか?
原則、診断はできないのですが健康に関するアドバイスや相談を求められることがあるので薬剤師としてプロの情報提供ができる点ですね。
患者さんが納得してお薬をご購入されていくので、リピーターになってくれて感謝の言葉を聞くことができるのは嬉しいな、と思います。
私のポリシーとして、「誰でも(小学生でも)分かる言葉で伝える。専門的な用語を如何に噛み砕いて説明するかが大事。」というのがあります。
高齢者の方のご利用が多いので、難しい専門用語や分かりにくい説明だと聞いてるふりされる方も中にはいらっしゃいます(笑)
なので、とにかく、簡潔に分かりやすく説明する!という点は意識しています。
私、コミュニケーション取るのが大好きなので!(笑)
患者さんとかは私たちのこと娘だと思って接してくれていますね。
散歩で通りがかった近所のおばあちゃんとかが、よくお菓子とかコーヒーとかを差し入れてくれたり(笑)
近くに零売を取り扱っている薬局があっても、おだいじに薬局の戸越銀座店にくるよっていってくださるお客様もいますね。
ー取材中も笑顔の絶えないアットホームな薬局だなと感じたのですが、地域密着型の「街の保健室」として意識していることはありますか?
そうですね!
ただ、当たり前のことを徹底してやっているだけですかね(笑)
朝入ってきたら「おはようございます」や「こんにちは」など元気に挨拶すること、常連の方とお話しする時は雑談とか日常会話を医療事務のスタッフも一緒に普段からコミュニケーションを取るようにしています!
1人暮らしの高齢者の方も多いので、薬局に遊びに来て元気になったよ!って言ってくれる方もいますね。薬局のイメージを明るくしたい!また遊びにきてね!っていう感覚で接しています。
薬局に来られる方の中には、お医者さんには言えないことを話してくれる方もたまにいらっしゃいます。
日頃から何気ないコミュニケーションをしっかり取っていくことで患者さんからの信頼が得られる様になると思うので、そこは意識していますね。
ー医療事務のスタッフの方との連携が素晴らしいな、と感じたのですが皆さん本当に楽しそうに働かれていますよね!その秘訣を教えてください!
店舗って、空気感がとっても大事だと思うんです。
明るく、楽しい、雰囲気を良くすることは地域密着型では大事です。そういう空気はやっぱり来た方も敏感に感じ取りますからね。
薬局内のスタッフとの関係性とか相性はとっても大切だと思います。
どっちがかけてもダメ!(笑)
人って、環境とか配置されたポジションによって相性が悪い時があると思うんです。
今まで活躍出来ていた人が環境が変わったり配置が変わると上手くいかなかったり。適材適所、ハーモニーを如何に作っていくかは本当にとっても大事だと思います。
今日も頑張ろう!今日も会社(店舗)に行くのが楽しみ!って思えるのは相性が良い人たちとハーモニーが出来ているからこそだと思います。
ー最後に今後の薬剤師の在り方や薬剤師が提供できる価値はどのように変化していくと思いますか?
「オンライン服薬指導」とかはニーズが出てくると思います。
ただ、お薬の現物が患者さんの元にあるのが原則になるので、お薬が手元にないと服薬指導にはならないのでまだまだ懸念事項などはあるかな、と思いますね。*後日届くものに対しては指導はできない
あとは、ジェネリックの欠品が多く先発のお薬に戻す、とかよくあるケースなのですが名前が前回のものと違っていたりすると、中身(成分や作用)は同じでも納得しない方もいらっしゃるので、そういった場合の説得は重要になってくると思います。
普段から関係性があると信頼してくださるのですが、オンラインで初回の方に説明しても納得いただくまでが大変かもしれないかな、と思いますね。
対面だと、常連の方の顔色とか声のトーンで健康状態の異変に気づいて調子の良し悪しの変化に気付きやすい、っていうのはやっぱりありますよね。
「疲れてる?」と聞くと「わかる?」と嬉しそうに答えてくれたり、「今日は元気そうじゃん!」とか、ちょっとした人との繋がりは今後も医療には外せないと思います。