【零売とは?】業界で大注目の“セルフケア薬局”を展開するCEOの服部にインタビュー!
〈目次〉
そもそも零売とは?
業界注目の「セルフケア薬局」とは?
零売のメリット&デメリット
さいごに
1. そもそも零売とは?
零売(れいばい)とは、医療用医薬品を、処方箋なしに容器から取り出して顧客の必要量だけ販売することをいいます。
2005年に厚生労働省が「処方せん医薬品等の取り扱いについての通知」を出しており、「処方箋に基づかない販売」いわゆる零売を条件付きで認めた背景がありました。
医療費削減の観点からも、現在注目されている販売形態の1つです。協会発足の影響もあり世間からの注目度もお陰様で向上しまして、2020年11月のJR東日本スタートアッププログラム2020にて「セルフケア薬局」運営元のSD C株式会社が入賞しました。また、テレビ東京のワールドビジネスサテライトでも弊社の「セルフケア薬局」が取り上げられるなどメディアで零売が扱われることも増えてきました。
ただ、実は薬剤師の中でも知らない方も多数おり、「霊媒師」になるの?!と弊社社員が言われたくらいです(笑)それくらいまだ認知がされていないマーケットとも言えます。弊社がこれから協会含めて、啓蒙活動の重要性が問われてくるフェーズとも言えるかと思います。
2. 業界注目の「セルフケア薬局」とは?
では、具体的に弊社SDCが運営する「セルフケア薬局」をご説明させていただきます。
簡単に言いますと、下記の通りです。
セルフケア薬局とは、「処方箋がなくても病院の薬が買える薬局」のこと
実はあまり知られてはいないのですが、医療用医薬品の1万5000種類のうち、約半分が「処方箋なし」で販売可能になっております。ドラッグストアのお薬よりも、病院でもらう医療用医薬品の方がいい人は一定数以上おります。そういった方への医療の新しい選択肢として広めていきたいです。
おそらく、どなたにもご経験があるかと思いますが、何かしらの医薬品を処方されるには、これまででしたら、病院に行き・その後にクリニックに行き・・・と合計で2時間〜3時間ほど時間を要することも実は珍しくありません。ただ、どうでしょうか?忙しいビジネスマンの方や主婦の方は、薬を処方されるために半日空けることがいかにハードルが高いか、は想像に難くありません。
この2時間〜3時間ほどの時間を弊社のセルフ薬局でしたら、約10分で処方が可能になります。
これは多くのお客様に非常に喜ばれておりまして、WBSでもこんなお客様の声をいただきました。
3. 零売のメリット・デメリット
零売には多くのメリットがあると感じております。お客様様の視点から零売のメリットを説明していきます。
①金銭的な負担が少ない
まず前提として、零売は必要以上にお薬を販売するものではございません。なので、必要最低限の量を販売をする零売は、利用者にとって金銭的負担を軽減させるメリットがあります。具体的には、病院受診から薬局を利用する場合は、初診料から処方箋料、その他にも薬剤管理料などの保険請求の部分が利用者の負担になります。しかし、零売では、診察料や技術料がかからないので、その分、お得に医薬品を購入出来ます。薬の量も必要最低限になるので、多額のお金も必要ありません。
②素早く薬をもらうことができる
こちらは先述しましたが、待ち時間が長いクリニックや調剤薬局を利用している方にとって、処方箋なしで医薬品を受け取れる零売は、時間短縮の面から大きなメリットがあります。一例として、セルフケア薬局では来客をしてから、約10分程度で薬を購入する事が可能です。もちろん、スピードだけが零売のメリットではありませんが、移動時間や手間を考えると、馴染みの薬局だけに足を運んで、薬が貰えた方が断然に楽と言えるでしょう。(一方で、薬剤師がしっかりと傾聴を行って、何かがあった場合には受診の推奨を利用者にお伝えする場合もあります!)零売は日々にお仕事に追われている忙しいサラリーマンに向いた販売形態だとも言えます。
次に零売を販売する薬局側のメリットですが、
①地域医療に貢献出来る
零売はあくまでもお客様が決める1つの選択肢ですが、その選択肢が1つ増えるだけでも、薬剤師目線の貢献が出来たり、その地域に住んでいる人の「困った」を助けることができると考えています。ドラッグストアで買うお薬よりも、病院でもらう医療用医薬品がいいという方もやはり一定数います。そういった方への新しい医療の選択肢を提供していますので、今後、地域の相談窓口として、薬局自体が重要な役割を担うことが予想されます。
②薬剤師の価値が最大化できる
これは一番、私が声を大にして言いたいことでもあります。私も薬剤師上がりですが、薬剤師や薬局という業態が持っている潜在能力をもっと社会に役立てたい!と考えています。病院側から処方されたお薬をミスなくオペレーショナルに届けることももちろん医療人として大事ですが、今後、薬剤業界が求められるのは、「対物」から「対人」へのシフトです。もっとお客様に寄り添い、専門知識を生かした仕事がこのモデルだと可能だと思います。
もちろん、メリットだけではなく、デメリットもあります。代表的なもので言いますと、
①悪用される可能性がある
零売について、例えば、今後ビタミン剤や漢方薬を個人売買をするために購入する方が出てくる可能性もあります。上記については、服部社長も懸念しており、以下のようにコメントしています。「確かに零売を展開をするとリスクがあるかもしれない。だからこそ、法的整備が必要になります。また、私達は厚生労働省から零売を広めてもらうように、働きかけており、今はその準備として零売協会やガイドラインも展開しています。」零売を悪用されないように薬局側もしっかりと対応する必要があります!
②郵送販売は不可能
ネット環境やオンライン診療が広がってきている医療業界ですが、零売に関してはネットで購入後、店舗からの郵送は、制度上、不可能です。違法な使い方をしてしまう利用者もいるかもしれませんし、適した使用方法を遵守出来るかも不安材料です。もちろん、「この薬はある?」と電話相談やネットを介した相談は可能ですが、そこから郵送で薬を配達する行為は零売では出来ません。零売はあくまでも薬剤師が対面で、分割販売をする制度になっています。
4. さいごに
我々は零売をきっかけに薬剤師の価値を向上させる事を目指します。その背景には私たちの先輩方が調剤薬局を6万店まで増やしてくれた事が大きいと思っています。そして先輩からのバトンを引き継ぎながら、薬剤師の地位向上、下の世代へと繋げていく必要があるでしょう。
私は「薬剤師ってかっこいいよね!」と言われる未来を作りたいですし、上場に向けて1歩ずつ準備をしていきます。
Twitter:https://twitter.com/GOOD_AID
HATTORI YUTA/服部雄太