【CEOインタビュー】Spiral.AI創業の想い

まずは、佐々木さんのことを教えてください。

佐々木：
東京大学理学部物理学科を卒業後、東京大学大学院にて理学博士を取得し、卒業後はスイスの欧州原子核研究機構（CERN）にて３年間、ブラックホールや超対称性粒子などの研究に携わりました。超対称性粒子という未知粒子を探索するため、様々な機械学習や統計手法を駆使し、各国の研究者と戦いながら、分析アルゴリズムを開発しました。

その後、McKinsey&Companyにコンサルタントとして入社し、様々な企業の戦略策定を支援しました。データ活用の支援も手掛け、分析結果をビジネスのストーリーで語る"通訳"として活動。様々な企業がIoTやビッグデータ、AIをどうビジネスに活かすべきか研究を行い、変革を支援しました。

AIブームが本格化して以降は、Deep Learningの研究開発を専門に請け負うXCompassの取締役 兼 R&Dセンター長として、技術開発と事業開発を推進。年間百件弱の顧客との対話や、30-40件のプロジェクトを通して、ビジネスで使われる「AIのあるべき姿」を理解し、それを最先端論文と組み合わせ、開発ロードマップを設計し、実現する仕事をしました。

その後、ニューラルポケットへ初期メンバーとして参画。取締役CTOとして、画像認識AIを東西南北、様々な環境の中で安定動作させるための研究開発を行ったり、エッジAIに組み込むための技術開発を行ったりしました。それらを通して、スマートシティへのAI社会実装というテーマの実現に取り組んできました。ニューラルポケットは創業2年半での上場を成し遂げ、その間に社員数も250名水準へと拡大しました。

その後、同じようなAIの社会実装を、今度は巨大言語モデル (LLM) の世界で実現することを目指し、Spiral.AI株式会社を設立しました。

起業しようと思ったきっかけを教えてください。

佐々木：
Spiral.AIは、巨大言語モデル (LLM) の社会実装を目指して設立しました。

LLMの可能性は非常に大きいと信じています。応用例の一つにMetaが作ったGalacticaというLLMが存在しますが、これは5,000万本近くの論文を学習させたことによって、医学・物理学・コンピュータサイエンス等様々な領域に渡り、何でも知っている存在を生み出しました。任意の質問をすると、文章で答えを返してくれるどころか、論文のフォーマットで出力させたり、Pythonコードを書いてくれたりと、研究者を支援することができます。残念ながら、一部回答に不正確性があることから、Galactica自体はクローズとなってしまいましたが、大きな可能性の一端を示しました。

研究に限らず、LLMの力をうまく応用できると、私達はより効率的に仕事ができるようになりますし、ストレスを減らすことができます。ただし、現状のLLMそのものでは、まだ回答の不正確性やその改善のための方法論が普及しておらず、企業のサービスに導入するには時期尚早です。AIの歴史を振り返っても、今のブームは一旦沈静化するのではないかと見ています。 ただし、この可能性の塊であるLLMの活用が、そこで足踏みしてしまうことは避けなくてはいけません。他の技術と組み合わせたり、LLM自体の改良などにより、実用上十分な精度にすることでサービスへ組み込める水準まで性能向上させていくことが必要です。それこそが、Spiral.AIが実現していくことであり、AIの社会実装を生涯のテーマにしている私だからこそ、リーダーシップを発揮していきたい領域です。

Spiral.AIをどんな会社にしていきたいですか？

佐々木：
巨大言語モデル (LLM ) の可能性を世の中に広め、技術革新を進める会社でありたいと思っています。

各企業におけるLLM活用を支援するプラットフォーム開発と提供を行うことで、デモから先に進めていない状況の打破をお手伝いします。さらにLLM開発自体も手掛ける予定ですので、それぞれの企業の色に染まったLLM開発を進めていきたいと思っています。

それらの技術の上に、研究開発を加速するための事業を展開していきます。映画アイアンマンのJARVISのように研究開発を支援するAIを開発し、それを用いながら社内で様々な技術開発が高速で進められていく。Spiral.AIは、未来の世界を手繰り寄せるためのインキュベーションの場になっていきたいと考えています。

どのような人材を求めていますか？（どんな仲間と一緒に仕事をしたいですか？）

佐々木：
一緒に成長していける仲間と共に働きたいと思っています。

・自分の知らないことをリスペクトして、貪欲に取り込んでいくようなタイプの人。

・新しいことをやらないと気がすまない人。アントレプレナーシップが強く、現在の自分に常に不安を覚え続ける人。

・数学・AIが好きな人。それを使って何かやってやりたい！と心から信じている人。夢を語れる人。できない理由を先に探さない人。

・夢中になると寝食忘れる人。手が動いて、まず自分でやってみないと気がすまない人。

そんな仲間と一緒に世の中にインパクトやイノベーションを起こし続けたいと思います。

学生インターンも募集中です！

是非一緒に世界を変えてやりましょう！！