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【創業者インタビュー】創業者鈴木が考える、今の日本で最も重要な課題とは?

記念すべきストーリー第一弾は、当社創業者の鈴木健太へ今の日本が抱える社会課題についてインタビューしてまいります。


【略歴】

1989年:東京都国立市出身。

2009年:筑波大学医学部へ入学。在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。

予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。

2018年:同年1月に(一社) 健康経営推進産業医会を創業。産業医のコミュニティや教育体制を形成、セミナー等企業への発信活動を行う。

2019年:同年2月、株式会社Dr. 健康経営を創業。全国の多くの企業に産業医サービスを提供開始。


鈴木さんが日本で最も大事な課題の一つとして考えていることは何でしょう?

鈴木健太(以下鈴木):多くの職場でメンタルケアが十分と言える水準で行われていないことですね。結果多くの社員にメンタル不調が発生しています。

昨年から猛威をふるい続けているCOVID-19により、多くの企業がテレワークを導入しました。

出勤の時間が減った、お互いリモートなので商談にかける時間も短縮された、など時間を有効活用できるようになったことは皆さんもご存知のことと思います。

編集部一同(以下編集):はい、ニュースなどでよく耳にしますね。

鈴木:一方で、昨年5月ごろから社員のメンタル不調発生が顕著になってきました。テレワークの影響で新入社員が1日も会社に出社しないまま退職してしまったり、マネージャーも自身のチームメンバーとのコミュニケーション時間が膨大になり、結果テレワークにより労働時間が以前よりも増してしまったといった、という事象も見られるようになりました。

すべての事象がテレワークによるものだけではありませんが、大きな要因となっていることは間違いないと思います。

人と人との距離が遠くなってしまった現代では、メンタルケアを充実させる必要がありますよね。



どうしてメンタルケアが十分に行われていないのでしょうか?

鈴木:多くの職場で「社員のメンタルヘルスのケアを本気で取り組まなかった」ことが原因でしょう。

そもそも社員のメンタル状態とは「目では見えない」ものです。リアルで顔を合わせていた時でさえ、メンタル状態を把握することは難しいのですが、テレワークになってPCのモニター越しのコミュニケーションがメインになったのですから、難しさは増しますよね。

編集:そうですね。顔の写り方も人それぞれですから、そこからメンタルの状態を把握するのは難しいですね。

鈴木:本気で社員のメンタルヘルスをケアするのであれば、社内のフォロー体制の仕組み化や産業医との連携、マネージャークラスへの研修、それらが緊密に連携している運用体制構築など、企業がやらねばならないことはたくさんあります。

しかし元々がみなさん多忙です。見えない課題なので、どうしても注力して取り組めなかったのだと思います。社員のメンタルケアのために行っている施策のアンケートでも「実施している施策はない」がアンケート結果で上位2位の結果がそれを示していますね。

編集:約3割の企業が施策をうっていないんですね!


この状況下で産業医の皆さんは社員のメンタルケアに対してどう対応しているのですか?

鈴木:まだまだ多くの産業医が本来の機能を果たしているとは言えません。

私がフィールドワークを通じて調査した結果、稼働している産業医の約5%しか十分な機能を果たしていないという驚きの事実がわかりました。

日本の認定産業医は約100,000人います。その中で実際にフル稼働している人数は約20,000人ほど。その中で十分な機能を果たしている産業医は1,000名ほど。さらにしっかりとコンサルティングできる産業医は数百名ほどではないでしょうか。

産業医もコミュニケーション能力、知識、スキル、経験、そして熱意などバラバラです。

また残念ながらアルバイト感覚、企業へのとりあえずの名前貸し、といった産業医がいることも事実です。

編集:激務により産業医の診断を受けねばならず、会社の指定した産業医と面談をした知人がいるんですよ。その時のことを聞きましたところ、紙に書いてあることをただ質問されていた感じで、何のケアを受けたのかわからない、と言っていました。これが現状なんですね。

鈴木:課題を解決するには、産業医そのものをアップデートしないといけないと思います。



社員の皆さんにはどのような課題がありますか?

鈴木:ご自身が抱えているストレスの内容を、正確に理解できていないことですね。

例えば残業ひとつとっても、ご自身のスキルアップのために猛烈に働くんだ!と腹落ちした状態での残業は、ポジティブなストレスです。

でもそうではなく、仕方がないからやっている状態での残業は、ネガティブなストレスとなります。

本人がストレスの性質をしっかり把握し、ネガティブなストレスを軽減できる状態であればよいのですが、それを上手く実践できる人は多くありません。

編集:今日も1日疲れたな〜、で終わってしまい深く考えない人も多いですよね。

鈴木:テレワークが普及した結果、オフィスですれ違いざまに交わす際やたばこ部屋での会話、コーヒーブレイクなど、当たり前のように行えていたストレス軽減策ができなくなりました。

一部の企業では、オンラインコミュニケーションツールを導入して、テレワーク導入前のコミュニケーションの「場」をバーチャルでつくっている先もありますが、まだまだ一般に普及をしているとはいえないですし、効果検証もこれからになります。

個人として大事なことは、まずご自身のストレスが発生する原因をしっかり理解することです。

対人関係、自身の将来、仕事の状態、自身の役割など他にも多々ありますが、まずはストレスが発生する原因をしっかり特定することが大事です。

編集:自分自身のメンタルヘルスの状態を認識しなければいけないけど、実際はなかなか難しいんだよね、と皆が思っていました。

こうした社会課題を提起し続けて、解決の機運を高めていかなければいけないな、とあらためて感じました!

鈴木さん、本日はありがとうございました!

鈴木:ありがとうございました!

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