「横浜の一大社交場」の実現に向け、改修着々の横浜スタジアム
横浜スタジアムの完成予想図。完成後は約3万5000人を収容可能になる(画像提供:横浜スタジアム)
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/00314/?SS=imgview&FD=1420927604
前回のサッカー編に続き、野球場でのスマート化の動きを追ってみたいと思います。
目次
収容人数:32,170人
横浜DeNAベイスターズはKDDIとパートナーシップ契約を締結し、5GやIoTを活用したスマホ決済サービスなどスタジアムにおける来場者の利便性向上を目指すことを発表しました。5GとXR、自由視点を組み合わせた映像テクノロジーを活用し、客が好きな視点でリプレイ視聴ができる新たな野球観戦の提供も予定とのこと。
本格的な取り組みは2020年春以降となりますが、横浜スタジアムは進化する”コミュニティボールパーク”として2017年から3年間の増築・改修工事を行っており、街と市民に開かれた、世界に誇れるボールパークに生まれ変わっています。
また、2011年以前までは観客動員数が110万人前後で、プロ野球球団の中でも5年連続で最下位だった状況を打破し、2018年には200万人超え、増加率84%を達成したデータマーケティング施策が有名です。
こうしたこれまでの流れを考えると、今後どのような新しい取り組みを行っていくのか、個人的に非常に注目しています。
出典:https://www.yokohama-stadium.co.jp/news/other/?n=14378
収容人数:30,508人
観覧車があることで有名な楽天生命パーク宮城ですが、2019年開幕戦より「スマートスタジアム構想」として完全キャッシュレスに取り組んでいます。
また2018年11月には第5世代移動通信方式(5G)ネットワークを活用し、自動配送ロボットの遠隔操作やドローンによる撮影映像を用いたユーザー認証、360度カメラを用いた8K VRの映像配信など、5Gの導入によってもたらされる次世代のスマートスタジアム実現等に向けた実証実験を実施しました。自動配送ロボットを用いた5Gの実証実験は国内初だったようです。
■自動配送ロボットの遠隔操作および映像での本人確認による配送
本実験では、5Gの大容量伝送と低遅延の特質を生かし、楽天技術研究所(RIT)が宇都宮大学と連携して開発した自動配送ロボットに搭載した5G端末と、ロボット上のカメラで撮影した4K映像を用いて、リアルタイムでスムーズな遠隔操作および高精細な映像による本人確認などの遠隔管理ができることを確認しました。これにより、将来的にスタジアム内で注文した商品の配送や、ラストワンマイルにおける配送ロボットの実用化等が期待されます。
■ドローンを用いたユーザー認証技術の実証実験
本実験では、「楽天ドローン」が保有するドローンから撮影した映像を5Gネットワーク経由で伝送し、スタジアム内の人物特定等が実施できることを確認しました。これにより、スタジアムでのエンターテインメントや、特定の人物への物の配送およびサービス提供等にも活用が期待されます。
出典:https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2018/1116_01.html
例えばスタジアム内で注文したフードを運んできてくれるような使い方を想定していると思いますが、これは人手不足解消というよりも、混雑緩和や席を気軽に離れられない方の満足度向上として意味があるように思います。