2022年の夏から秋にかけて、Prover代表取締役であり、オリンピック・柔道銅メダリストでもある西山が手がける、柔道着素材で作ったトートバッグの制作プロジェクトを展開していました。
クラウドファンディングサービス「Makuake」上で、賛同者を募集したところ、最終的に100名を越える方に応援いただき、プロジェクトは大成功のうちに終わりました。
そもそも、どうしてバッグを作ろうと思ったのか?
Proverの事業にどう関わっているのか?
代表インタビューを実施し、柔道着バッグ制作プロジェクトの総括を行いました。
プロジェクト概要
「柔道家 西山将士が柔道着素材で作った、タフな三河木綿の刺し子織りバッグ」
- 愛知県の伝統工芸素材「三河木綿」を使用した、2種類のトートバッグの制作プロジェク
- 丈夫な柔道着素材を生かした長く使える「サステイナブル」な製品
- バッグブランド「CaBas」×柔道家・西山将士のコラボ
- 地域密着型工房と柔道、両者の新たな価値を発信
- ◎テレビ番組「フューチャーランナーズ(フジテレビ)」にて、本プロジェクトが紹介されました。(2022年6月15日放送回)
サイズ:
2way Carry tote large・Wide tote standardの2種類展開
実施時期:
2022年6月〜8月(商品発送は同年10月)
最終応援購入金額:
3,033,100円(目標金額 312,000円を972%で達成)
最終サポーター人数:
111人
Makuakeページ:
プロジェクト実行者:株式会社ライヴス(TSUKURIBA)
製造:株式会社タネイ
※記事内画像はMakuakeより転載
柔道着には欠かせない”刺し子織り”の三河木綿を広めるために
ーーそもそも、なぜ柔道着素材でバッグを作るというアイデアが生まれたのでしょうか
最初のきっかけは、Proverとして独立した直後の2021年の春に私の友人が柔道着素材のバッグをプレゼントしてくれたことです。
とても素敵な商品だったので、このバッグを作っているのは誰なのかと友人に聞いたところ、柔道・空手・合気道・居合の武道衣の製造と、その素材を活かしたバッグの生産を手がける株式会社タネイさんと、日本独自の伝統工芸や素材を生かして様々な商品プロデュースを行う株式会社ライヴス(TSUKURIBA)さんのことを紹介してくれました。
その後すぐに株式会社ライヴスの担当の方と話す機会をいただいた際、「一緒に商品の企画をしませんか」という話が持ち上がり、とんとん拍子で今回のプロジェクトが発足しました。
ちなみに今回コラボすることになった、ライヴスさんが手がけるバッグブランド「CaBas」は、フランス語でバスケット(買い物かご)を意味します。
柔道が人気なフランスの言語をブランドネームにされていることにも、何かご縁を感じました。
プロジェクト実行元:TSUKURIBA
株式会社ライヴスが運営する全国の職人とデザイナー・プロデューサー、そして、お客様をつなぐプラットフォーム。
もっと工芸品を身近に感じて欲しい、そして日本全体でものづくりを盛り上げたい… そのような想いから「TSUKURIBA」は生まれました。
敷居が高く、近づきにくい印象のある伝統工芸の業界をもっとオープンにし、多くの人に楽しんでもらえる「出会い」の場所になってほしいと願っています。
バッグブランド:CaBas
数あるアイテムの中から、誰にとっても身近で普遍的なトートバッグを中心としたバッグコレクションを、日本の素材と工房にこだわり展開するブランド。
自分らしいライフスタイルを確立していこうとするあらゆる世代に向け、もの選びの“新しい価値観” を見出せるような商品を提案しています。
製造:株式会社タネイ
CaBasのバッグを製造する工房。
1921年、日本で初めて綿業が根を下ろした愛知県の三河の地に創業。それまで手工業で行ってきた刺し子織りを、動力織機の導入で安定供給を可能にし、三河の地に刺し子織りを根付かせました。剣道や柔道など、武道着の発展に寄与し、現在も国内の道着トップメーカーとして多くの道着を世に送り出しています。
生地の織りから裁断、縫製まで一貫したモノづくりにより、高品質な商品に定評があるアトリエです。
商品開発の話がすぐにまとまった理由の一つに、バッグを生産する工房の後継者不足がありました。
CaBasのバッグ作成を請け負う株式会社タネイさんは、日本古来より伝わる手法”刺し子織り”の布(三河木綿)を用いた、高品質な道着を生み出すトップメーカーです。
一方で、日本全体の少子高齢化の影響を受けて、伝統技術の継承者が居ない、後継者不足の問題に悩まされていました。これはタネイさんだけではなく、貴重な技術を持つ全ての町工場に共通する問題です。
愛知県三河地区の伝統手法である“刺し子織り”を広めたい。
そして柔道の新たな意義を考えるきっかけを作りたい。
柔道着素材を使った高機能なバッグの制作は、目的を両者ともに達成できるプロジェクトになるのではないかと考えました。
「2way Carry tote large」は、荷物の量に合わせて使い分けができる機能的な2WAYデザインです。
一人分のキャンプ用品であれば難なく持ち運びできる収納力&耐久性!
ーー西山さんは、本企画以前にプロダクト開発に関わった経験はありましたか。
いえ、今回が初めてでした。
手探りで進めていくうちに、生産工程や物流、原価の考え方といった、商品開発の現場に必要な要素が見えてきましたし、非常に面白く感じましたね。
人材事業とは全く異なる、所謂“ものづくりに対して直ぐに興味を持てたのは、独立前に製造業で営業をした経験のお陰と言えるかもしれません。
競技生活から営業担当に転向した直後は、正直なところ製鉄業に興味を持てずにいました。
現役時代に成果を上げるために運動学・栄養学・コンディショニングなど柔道の周辺にある情報については当然詳しくなりました。スケールの大きさはひしひしと感じるが、過去のアスリートとしての知見や経験との親和性を全く感じることができない重厚長大な製鉄業。それが、一つひとつ仕事を覚えたことで、理解できることが増えていきました。仕事に対する入り口の好き嫌いの感情だけではない仕事特有の面白さの見つけ方がわかるようになったような気がします。
ーー企画立案から、クラウドファンディング終了までの間に、何か困難はありましたか?
ありがたいことに、特に大きなトラブル無くプロジェクトを完走することができました。
プロジェクトページにて事前にお伝えしていましたが、今回のバッグはプロジェクト終了からお届けまでに約3ヶ月のお時間をいただくスケジュール感でした。
これは染色工程から縫製・梱包に至るまで、全ての工程を職人の手作業によって1点1点仕上げるためです。納期圧縮は製造業の永遠の課題ではありますが、質の良い商品製造に欠かせない時間とも言えます。
最終的にはタネイさんの多大なるご厚意によって、予定より前倒しの10月中に殆どの商品をお届けすることができました。
バッグコレクションの全工程を製造した、株式会社タネイの皆様
目標金額を約1000%達成!好評の理由とは?
ーーProver初のクラウドファンディングは目標金額972%達成・大成功という形で幕を閉じました。大成功に終わった要因は何だったのでしょうか。
柔道界としては全く新しい取り組みを、スピード感をもってプロジェクト化できたことが大きな要因であると考えています。
タネイさん・ライヴスさん・Proverの三方で協力して、まだ影響力は小さくても社会的に意義がある取り組みができたと自負しています。
商品の仕様としては、柔道着と同じ素材を使っているから勿論丈夫で、カジュアル過ぎずビジネスシーンでも使えます。ビッグキャリートートは子供連れの家族荷物が全て入り、1-2人のキャンプ用具なら充分に入る程の大容量。
柔道の枠組みの中での課題解決だけではなく、“柔道着の素材を柔道以外で利用する”という新たな表情を感じる企画になったのではないかと思います。
今後も人材の社会課題の解決に資するプロジェクトを実行していきたいと考えています。
PR:三河木綿の刺し子織りバッグの受注販売が再開します!
今回の記事で紹介した「2way Carry tote large」「Wide tote standard」を2023年に再販売することが決定いたしました!
現在は代表取締役・西山の各SNSで予約を受付しております。少しでも気になった方はぜひお気軽にご連絡ください!
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