最近、エンジニア経験のあるWebディレクターが注目されています。開発や制作を統括するWebディレクターには広範なスキルが求められますが、特にテクニカルスキルを持つWebディレクターは、評価も年収も高い傾向にあるようです。
今回はエンジニア経験のあるWebディレクターが稼げるといわれる理由と、評価されるポイント、エンジニアがWebディレクターになるために身につけるべきスキルを解説します。
エンジニア経験のあるWebディレクターが稼げる2つの理由
エンジニア経験のあるWebディレクターが稼げるといわれる理由は以下の2つです。
- 習得難易度の高いスキルを持っているから
- 大規模プロジェクトを任されることが多いから
習得難易度の高いスキルを持っているから
エンジニア経験のあるWebディレクターは、習得難易度の高いテクニカルスキルを持っています。
Webディレクターにテクニカルスキルがあれば、エンジニアと円滑なコミュニケーションが取れるため、実装工程の進捗を把握しやすくなります。
また、デザイン系のWebディレクターはバックエンドの知見を補わなければなりませんが、エンジニア出身ならそれほど多くを学ばずに済むでしょう。エンジニアならロジカルシンキングとコーディングが身についているので、最新のデザインやUI/UXへのキャッチアップも比較的容易です。
AIやAR/VRなどの先端技術に対する習得障壁も低いため、高単価案件の獲得に結びつきやすいといえます。
大規模プロジェクトを任されることが多いから
大規模プロジェクトを任されやすいことも、エンジニア出身Webディレクターが稼げる理由です。
事業収益に大きく貢献するシステムを開発するには、フロントエンドだけでなく、バックエンドも連携する必要があります。システムやサーバー、クラウドを理解したWebディレクターなら、高度なデータベース連携などを提案でき、収益を最大化する開発のディレクションが可能です。
サーバーやデータベースを理解していると、複雑な機能を実装する大規模開発で適切なディレクションができると判断されるため、年収も高くなる傾向があります。
企業の省人化やDXニーズに対応できるから
開発スキルを持つWebディレクターは、企業の省人化やDXの需要にも対応できます。
人材不足や新型コロナパンデミックの影響もあり、企業のDX化の需要は高まりを見せています。一例として、近年マーケティング活動を自動化するマーケティングオートメーション(MA)が注目を集め、専門人材を配置できない企業で多く導入されるようになりました。
MAに代表される自動化ツールの導入や開発・カスタマイズを提案できるディレクターは重宝されるため、高度な開発案件を多く任され、収入アップもめざせるでしょう。
エンジニア出身Webディレクターが評価されるポイント
エンジニア出身のWebディレクターは、クライアントや社内の上層部から以下のポイントで評価されています。
- システムやサーバーの知見を活かした提案ができる
- 開発工程のヒト・モノ・カネ・時間を管理できる
システムやサーバーの知見を活かした提案力ができる
エンジニア出身のWebディレクターが評価されているひとつめのポイントは、システムやサーバーの知見を活かして提案ができることです。
システム開発のディレクションでは、開発手法の考案と提案を行います。しかしクライアントは開発手法に詳しいとは限らず、特にクライアントの上層部は、自社のサイト・サービスに最適な技術を知っていることはほぼないでしょう。
もしWebディレクターにシステムやサーバーの知見とスキルがあれば、専門家として適切に説明でき、クライアントを技術的観点から目指すゴールへ導けます。
Webディレクターはクライアント企業の課題解決へのコミットが求められるので、課題解決に結びつく技術を提案できる人材の市場価値は高まります。開発チームのアサイン・構築もできれば、社内外での人望がさらに厚くなるでしょう。
開発工程のヒト・モノ・カネ・時間を管理できる
エンジニア出身のWebディレクターが評価される2つめのポイントは、開発に必要な「ヒト・モノ・カネ・時間」のリソースを適切に管理できることです。
開発の分かるWebディレクターなら、決まっている開発スケジュールを遅延・トラブルなく遂行するために、今後の工数や必要なリソースを的確に把握できます。そのためどこへどのスキルを持つ人材を補充すればよいかが分かり、過不足のないリソース配分が可能です。
結果として、開発プロジェクト全体に対し、タスクの抜け漏れがなく進行できます。遅延やトラブルが発生した際のリカバリ方法を迅速に判断できる点も、エンジニア出身Webディレクターの強みです。
エンジニア出身のWebディレクターが磨いておきたい5つのスキル
エンジニア出身のWebディレクターはそれだけでも高く評価されますが、さらに市場価値の高い人材になるためにも、エンジニア時代に以下のスキルを磨いておきましょう。
- ディレクションスキル
- マネジメントスキル
- マーケティングスキル
- 企画・提案スキル
- 問題解決スキル
ディレクションスキル
エンジニア時代に磨いておきたいスキルのひとつめは、ディレクションスキルです。
ディレクターになると開発・制作でなく指示を出す側になるので、適切な指示出しやフィードバックのスキルを身につけることが大切です。
ただし一方的な指示出しではメンバーのモチベーションを維持できず、チームのパフォーマンスが低下する恐れがあります。逆に納期間際で遅延が発生しているような状況でも的確な指示出しができるWebディレクターなら、リカバリできる可能性が高まります。
クライアントと制作チームの両方に対して、相手の立場を思いやったコミュニケーションや傾聴ができるよう、エンジニアとして働いているうちに意識しておきましょう。
マネジメントスキル
エンジニアとして働いているうちに高めておきたい2つめのスキルは、マネジメントスキルです。
Webディレクターは多様な職種のスタッフを統率しながら、Web制作のプロジェクトを管理・進行し、成果物の品質に対する責任を負います。予算やスケジュールの管理、クライアントや他のセクションとの調整能力も問われます。
クライアントの課題を解決するために、デザインや機能の選定、コンテンツの方向性の決定能力も、Webディレクターに求められる重要なスキルです。テクニカル領域をマネジメントできる人材はまだ多くないため、開発をマネジメントできるWebディレクターは高く評価されます。
マーケティングスキル
エンジニアとして活躍しながら磨いておきたい3つめのスキルは、マーケティングスキルです。
Webディレクターにはクライアントの目的達成(売上向上、登録者数UPなど)のために、市場動向やユーザーニーズを分析するマーケティングスキルが求められます。
CVアップや直帰率低減、回遊率アップのための施策を考えるうえでは、データを分析・活用するスキルが必要です。
- マーケティングの方向性を決める内部・外部環境分析(3C分析、SWOT分析、VRIO分析など)
- 分析スキルや解析ツールの使い方
これらを短期間で習得するのは困難なため、エンジニアのうちから少しずつ学んでおくとよいでしょう。構築したWebサイトやシステムから収益を出せれば、Webディレクターとしての評価が高まります。
企画・提案スキル
Webディレクターになる前に磨いておきたい4つめのスキルは、企画・提案スキルです。
Webディレクターには、商品の販売やブランディング、認知度アップといった顧客のゴールを把握し、達成するための企画・提案をするスキルが求められます。
エンジニア出身のWebディレクターであれば、クライアントの要望を実現するための技術まで提案できると理想的です。現在の仕事のなかで、顧客課題とゴールを意識しながらシステム開発を手がけ、提案力を高める方法を学んでおきましょう。
システム開発に携わるなかで、上流工程でどのような企画と提案がなされているのかを把握するようにしておけば、今後のキャリアにも役立つでしょう。
問題解決スキル
今後、必要とされる5つめのスキルは、問題解決スキルです。
プロジェクトで課題やトラブルが発生することはよくあります。Webディレクターにはイレギュラーな事象が発生したときに、論理的かつ冷静に原因を究明し、迅速に対処する力が必要です。
遅延やトラブル時に軌道修正ができ、適切な代替案を提示できれば、パートナーの信頼感が高まるでしょう。このスキルは、一朝一夕に身に付くものではありませんが、トラブルシューティングの基本的なプロセスを習得しておくことはできるでしょう。
エンジニアの知見を活かして稼げるWebディレクターになろう
エンジニア経験のあるWebディレクターは、知見を活かして開発を効率化でき、クライアントからも重宝されます。対応範囲が広く、システムやプログラムに関しても相談されるWebディレクターになるには、幅広い経験を積める環境で仕事をするのが近道です。
リバミーは、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアが活躍できるプロジェクトと、Webディレクターが求められるプロジェクトを両方請け負っています。「エンジニアからWebディレクターへ」というキャリアを考慮して、適切なプロジェクトアサインすることもできます。
希望のキャリアにつながる仕事ができるので、必要なスキルを実務で身につけられます。エンジニアの知見を活かして稼げるWebディレクターになりたい方は、ぜひリバミーにご相談ください。