BBQ&Co代表の成田です。
海外向けに和牛販売ビジネスを展開している「Humans of Wagyu」のGui(ギイ)は、肉を美味しく食べることでは天下一ともいえる南米・ブラジル育ち。
大蔵海岸「ZAZAZA」に彼を招いて一緒にBBQをしたところ……僕らの価値観をひっくり返すような実にエキサイティングな一日になりました。
その様子をご紹介します。
フォロワー数21万人の和牛マイスター。
Guiとの出会いについては、前回の記事で紹介しています。
ブラジル出身のGuiはアメリカの大学を出て、ビジネスの世界で活躍されてきた方です。日本人の奥様と出会い結婚し、和牛の素晴らしさに魅了され、今は六甲山に暮らしながら海外向けに和牛を販売するビジネスをしています。
彼のインスタ、塊肉の迫力と美しさがすごいです!
フォロワー数21万人超という超人気インスタグラマーなんです。
■Humans of Wagyu(@humansofwagyu)
「朝から肉のお世話ができるなんて最高だね」
4月中旬の晴れた日、BBQパーティは夕方17時スタートの予定。
世界最長の吊り橋・明石海峡大橋や淡路島を望む大蔵海岸ZAZAZAで、波の音をBGMに、夕暮れ時から夜に移りゆく空と海をカラダいっぱいに感じながらBBQを楽しむ計画です。
なんとGuiは、朝8時から焼き始めました(笑)。
「ちょ、9時間前から仕込みですか?!」
「仕込み? 朝から肉のお世話ができるなんて素敵な日だよ」
「ここは景色もいいし最高だね」
と、実に楽しそう。
Guiは9時間、8kgの豚塊肉をオーク(ナラ材)チップでスモークしていました。
ちなみにこのスモーカーは、僕がオーストラリアにBBQ視察に行ったときに、現地のホームセンターで買って輸入代行して貰ってきたもの。
ドラム缶のようなスモーカーの中に網があり、そこに味付けした塊肉を載せます。ドラム缶の横についているサイドカーみたいなボックスで火を焚いて、庫内温度を常時100℃程度にキープして燻製にする仕組みです。
スモーク&ビアの優雅な過ごし方。
Guiは温度をチェックし炭を足したり引いたりして、
「肉の表面が乾かないようにするには、ここに水を張っておくといいよ」
「燃えすぎると煙が臭くなるからホドホドの炎でね」
と、スモークのコツを僕らに教えながら火の番をしていました。
実に楽しそうな姿を見ているうちに、僕は気づきました。
彼にとってこの時間は「仕込み」じゃない。
BBQの一部としての「過ごし方」なんだ、と。
見晴らしの良いZAZAZA、陽の光を浴びながら、塊肉に味付けをしてスモーカーにセットして、火をつけて、そのそばでクラフトビールを飲みながら優雅な時間を過ごす。
だから、「今日は朝から肉のお世話をするのは楽しいし、その上、みんなに喜んでもらえるなんて最高だな」になる。
文化的なスタンス、BBQという行為の捉え方が根本的に違っていました。
仕込みも楽しめるとBBQはハッピーになる。
僕ら日本人は、「料理でおもてなし」となると、ゲストが来るまでに段取り良く仕込みして、時間内に準備しなくちゃというプレッシャーを感じてしまいがちです。
特にホテルや飲食業ではお客様を待たせるわけにはいかないので、開店前の仕込みはまるで戦場です。
でもGuiの場合は、自分もみんなもハッピーになるために肉を焼いているから、楽しくてしようがないんです。
他の料理とは違って塊肉を焼くBBQは、味付けさえすれば、あとは火が美味しくしてくれる。炭の量を調整して、温度を確認して、よけた炭でまた別の肉を焼いたりして、ビールを飲む。
火の番から離れて、ゲストを思っておもてなしのセッティングをする。今回はZAZAZAのテーブルをカラークロスで飾り、グリーンを置き、ホテルで使うお皿やカトラリーを並べました。そしてまた合間に美味しいビールを飲む。
「誰かのためにやらなきゃ」ではなくて「自分が好きでやっている」という楽しさにあふれていました。
BBQにまさかの備長炭?!
そして、今回のBBQで彼が使ったのは高級な紀州備長炭。
備長炭ほど、日本のBBQで不向きとされるものはありません。というのも、高級な備長炭はそう簡単には着火しません。薄切り牛肉をパッと焼いて食べたい屋外焼肉的な日本のBBQシーンだと、焼き始めるまでに1〜2時間、下手すると火が付かずに終わってしまう失敗になること間違いありません。
でもその分、備長炭は長く燃えます。海外の方からすると、日本の備長炭はとても魅力的なアイテムなんです。
Guiは、神戸市西区育ちの牛のカイノミを、備長炭と七輪とでじっくりと焼いていました。
「日本のプロダクトには素晴らしいものがたくさんあるよね」
彼は、和牛、備長炭、七輪などの日本独自の素材をリスペクトしてくれています。南米育ちの肉のプロフェッショナルが!
僕はなんだか嬉しく、誇らしく感じました。
と、同時に、肉を薄く切って焼く従来のBBQ(=屋外焼肉スタイル)では、これらのプロダクトが持つ素晴らしさを引き出せていないことも実感しました。「和牛とは、備長炭とは、七輪とはこういうもの」と僕ら日本人が無意識にかけてきた既成概念を解き、もっとBBQを自由に楽しめるような起点になる取り組みをしたいと、改めて思いました。
今後の展開をお楽しみに!
ZAZAZAが夕暮れの柔らかな光に包まれ、BBQ&Coスタッフも集まってきました。みんなが食べ飲み、笑い、楽しいパーティの始まりです。
9時間かけてスモークされた8kgの塊肉が登場すると、歓声が上がりました。ナイフを入れて切り落とし、断面を見せるとまた歓声。Guiが持ち込んだBBQスタイルに魅せられて、僕らは楽しい時間を過ごしました。
Guiとの刺激的なBBQ、もっといろいろな人に体験してもらえたらいいなと考えています。
お客様を招待してのBBQイベントも企画していく予定なので、乞うご期待!
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■大蔵海岸BBQサイト「ZAZAZA」