屋外で食材を焼いて食べるBBQは楽しいもの。でも「またやりたい」と思えるほど楽しい体験にするには、ちょっとした仕掛けがスパイスとなって効いてきます。
大事なのはコミュニケーション。
場を盛り上げ、BBQの体験価値を上げるコツをご紹介します。
焼肉とBBQの「価値」は別物。
焼肉では「肉のクオリティ」が重要です。
「A5等級の黒毛和牛の希少部位を……」なんて口上を聞くとありがたく感じませんか?
つまり肉の品質が高いほど、焼肉の体験価値は上がります。
では、BBQの体験価値は?
焼肉と同じように肉の品質を上げるといい?
答えはNO!
肉の品質を上げると、食材コストも上がります。お金をかけて楽しむBBQは特別な催しになってしまい、気軽に楽しみにくくなってしまいます。「肉はおいしいけど、年に1回や2回しかやれない」となると本末転倒です。
BBQは、仲間同士のコミュニケーションを楽しむことが目的。
以前紹介したオーストラリアでは、多い人は年に100回、週末ごとにBBQを楽しんでいます。
オーストラリア人が 年に100回BBQする理由。
BBQの鉄則は塊肉!
BBQでは食材のコストは据え置いて、スタイルを変えた方が断然効果があります。
そこで、いい仕事をするのが「ブロック状態の牛肉」です。
塊肉を用意する(こんな厚いのにちゃんと焼ける?)
↓
強火で表面に焼色をつける(豪快だな!)
↓
BBQグリルの蓋をして数十分放置(え、それだけ?!)
薄い肉を頻繁に焼く焼肉とは違って、塊肉に火が通るまでには結構な時間がかかります。
その間におしゃべりを楽しむ余裕も生まれます。
BBQはエンターテインメント。
塊肉が焼けたらみんなを集めて披露します。そして一番分厚い真ん中によく切れる長刃のナイフを入れてダイナミックにカット。
仕上げにかっこ良くブレンドスパイス をかけてアピールします。
「うわー! これ絶対美味しいやつ!」
見ていた人たちから歓声が上がります。
これこそがBBQの醍醐味。
そしてテンションが上ったところで、記念撮影!
時間をかけてじっくり焼けた肉を囲めば誰もが笑顔です。
食材原価を上げていないのに、ワクワク感が高まっていると思いませんか?
つまり、BBQの体験価値=とはコミュニケーション価値なんです。
BBQを取り仕切る人の準備や演出、ゲストをもてなしたいと思う心意気ひとつで、体験価値を上げられるのがBBQの利点です。
奉行ではなくホストであるべし。
BBQの醍醐味は、「作って食べる」ではなく「作って【楽しんで】食べる」こと。
「作って食べる」には必要なさそうな要素(=遊び)を盛り込むことで、その場にいるみんなが平等に参加でき、ともに楽しめるようになります。
鍋を囲むと、たいてい鍋奉行の役割をする人がいます。鍋奉行の指示に沿わずに勝手に食材を入れたら「ちょっ、白菜の柔らかいところは後で!」と、秩序を乱すなと叱られます(笑)。
でもBBQは違います。場を取り仕切るマスターは「ホスト」に徹します。
ゲストをもてなし、全員が笑顔になるためにはどうしたらいいかを常に考える存在です。火を起こせたり炭の処理ができたりするといったアウトドア偏差値よりも、その場にいる人を巻き込んで楽しませる心配りの方が大切です。
BBQには遊びが必要だ。
BBQ&Coが運営するBBQ場では、「自分も何かしなくちゃ」と居心地が悪そうにしている人を見つけると、スタッフが水鉄砲を渡すことがあります。
「肉の脂が落ちて炎が上がったらこれで消してくださいね」
そう伝えると、役割を与えられた人はうれしそうな顔をしてくれます。
それから、肉を載せるウッドボードや塊肉がよく切れるナイフといったBBQを盛り上げる洗練されたオリジナルプロダクトを用意しています。特製のブレンドスパイス やドレッシングも。
「このブレンド、何が入ってるんだろう」
「誰かミルで岩塩削って〜」
「今度はこっちのスパイス を試してみる?」
BBQアイテムがきっかけになって会話が盛り上がるような工夫をしています。
ゆったりと座れるソファや、潮風や森の空気を楽しめるロケーションに身を委ね、肉が焼けるのを待つひとときも大切な体験。
みんなが楽しい時間を過ごせて、「じゃあ次はどうしよう」と新たなアイデアが湧く仕掛けがBBQの体験価値アップにつながります。
そんな仕掛けを常に考えているのが、私たちBBQ&Coです。