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なにをやっているのか

■ 特定非営利活動法人(NPO法人)アジアクラフトリンク  私たちは、ミャンマー各地で地場産業として息づいてきた「竹細工」「木工品」「織物」といったクラフト産業の振興を専門とするNPO法人です。新潟を拠点に、2005年に活動を開始、2012年にNPO法人化した、新潟発の国際協力NGOです。  現地の人々とともに工夫を凝らすことで、ミャンマーの良質な素材から付加価値の高い製品を生み出し、産業育成と持続的な発展を実現することを目指しています。ソーシャルビジネスの要素を備えた開発事業、一時的な与える支援ではなく、 「一生残る、技術力という支援」 を合い言葉に、人々の自立を目指した事業を展開しています。 ■ 一村一品運動の推進 ー その土地の自然や社会に適した手法を、現地の人々と考える。 ミャンマー現地では「ミャンマー版の一村一品運動」の推進を目指して、生産技術の紹介やデザイン開発の支援をおこなっています。ここでは、日本の技術を「よいもの」としてただ持ち込むのではなく、現地の暮らしや生産現場に溶け込み、定着できるような技術や手法であるか、という視点を何より大切にしています。ミャンマーの地元生産者や技術指導員の皆さんから私たちが学びつつ、交流と試行錯誤にもとづき、ミャンマーに適した技術を普及させていきます。 ■ フェアトレードの実践 ー 自分たちの手で、マーケティングまでサポートする。 「生産者と消費者をつなぐ」を私たちのフェアトレードとして位置付け、ミャンマーの活動で生まれた木工品や織物を、自分たちの責務として、日本のマーケットへ紹介、販売しています。新潟市で「フェアトレードショップSai」を運営するほか、毎春5000名以上が来場する「ミャンマー展」などのイベント開催、県内や東京での販売会出店をおこないます。さらに、日本最大の展示会のひとつ「東京国際ギフトショー」にも30回以上続けて出展しており、全国のクラフトショップや土産物店への販売網づくりに尽力しています!

なぜやるのか

■ ミャンマーの課題 ー 国際協力による技術革新や情報提供が必要  私たちが活動するミャンマーは、長年「アジアで最も貧しい国のひとつ」と言われています。2011年から約10年間には、民主化により大きく経済発展を遂げたと言われましたが、具体的な産業を見てみると、海外市場へ通用するような製造業の成長はまだまだです。この背景には、ミャンマーが長い間、国際的に孤立してきた歴史がありました。ものづくりに携わる人々は、 「海外では、どのような商品が人気でニーズがあるのか?」 「海外へ販売するには、どうすればよいのか?」 といった情報に触れることが難しく、経験も蓄積されていません。国家予算や国内人材も不足していることから公的サポートも十分でなく、国際協力による技術革新や情報提供が必要な状態でした。 ■ ミャンマーの素晴らしさ ー 豊かな材料やクラフト、そしてそれを営む人々の存在  私たちの活動は、代表の斎藤が東南アジアで仕事をしていた1990年代、休暇でミャンマーを訪問するところから始まります。ミャンマーの素朴な風景や温かい人々に触れ、また、人々との出会いや会話の中から、発展の可能性を感じます。 「いつか、ミャンマーの人々と共に、他ではできないことをしたい」 そう感じた斎藤は、数年後、ミャンマーで木工に携わる人々のもとを訪ね、日本向けの製品づくりを開始します。ミャンマーには、他国ではもう少なくなってしまった、硬くて丈夫な木材資源がまだ豊富に残っており、それを使った木工が現地の地場産業として脈々と続いていました。さらに各地に目を向けると、世界第3位とも言われる竹林面積や民族性豊かな手織物など、可能性を感じる材料やクラフト品、そしてそれを営む人々の存在があり、対象産品や分野を少しずつ広げ、現在に至ります。 ■ 私たちのビジョンとミッション  こうして、私たちは、「一村一品運動の推進」と「フェアトレードの実践」を活動の両翼と位置付け、日本とミャンマーでの活動を展開しています。    いまミャンマーでは、コロナ禍や政治社会の混乱によって、経済が完全にストップし、経済成長率はマイナス18%と急激な落ち込みを見せています。仕事や収入を失う人々が増え、貧困率は46.3%に、仕事を求めて海外への人材流出に歯止めがかかりません。こうしたなか、私たちが対象とする、木工や竹製品、織物のように、地元で収入が得られる仕事の重要性がますます高まっています。

どうやっているのか

日本では新潟や東京で販売イベントに参加
ミャンマーの木工品生産者の皆さんとの意見交換
■ 大切にしていること 団体のモットーは、「一生残る、技術力という支援」。日本の技術を教えるという立場ではなく、日本とミャンマーで、互いに学び合う姿勢を大切にしています。 生産者の皆さんが技術を高め、海外に通用する名産品を生み出せるようになれば、より多くの収入だけでなく、ものづくりに「挑戦した」経験が得られることになります。こうした経験は、人々の一生のうちに訪れる課題を乗り越えていく、かけがえのない力となっていきます。 現地の人々の努力で完成した名産品を、マーケットに届けるところまでを私たちの役割として担ういっぽうで、正直、私たち「だけ」でできることには限りがあるのが現状です。そこで、日本の小売卸売業界の皆さん、各種団体や教育機関の皆さん、そういったご専門の皆さんからの助言や協力を得て、ミャンマー製品の販売網の拡大、学生デザインコンペからの新商品開発、消費者の声の生産者へのフィードバックなどが実現しています。周囲の皆さんからの共感と協力を大切にしながら活動しています。 ■ 特徴 NPO法人と聞くと、助成金や寄付での活動をイメージされる方が多いかもしれません。私たちは、ミャンマーの人々の自立、を目指した活動をしているため、私たち自身がしっかりと、自分たちの事業で収益をあげながら、活動資金を生み出しています。現時点では、数千万円規模で助成金や補助金を活用させて頂きながら助成者との協働事業も実施していますが、コロナ禍を含む直近3期の平均でも、活動資金全体の6割以上を事業収益から生み出しています。こうした特徴は、より柔軟に、現地の人々にとって効果的な活動に、すぐに着手できること、と言い換えられます。 ■ 近況 近年はSDGsへの具体的なアクションとして、植林されたユーカリを利用した世界でも珍しい木工品づくりに挑戦中です!こうした活動から生み出された製品は、日本の市場でも人気を博し、生産量がどんどん拡大しています。新潟SDGsアワードでも評価を受け、経済部門で奨励賞をいただきました。 ミャンマーと日本の人々が共に、働きがいを感じながら、そんな仕事を生み出し、継続していけるよう、日々奮闘しています。