現在、1拠点2教室(小中学生部門と高校生部門)の私たちが運営する学習塾C.schoolには約100名の塾生が通ってくれています。「なりたい自分に出会える塾」を土台のコンセプトに定める私たちが創りたい教育現場としては「子どもたちが自分で選択を重ねていく塾」。子どもたちが「自分で決めること」を大切な価値観として、サポートを行なっています。自分で決めて行動することが、主体的で豊かな人生を創ると信じていますし、また、社会に出ると主体的に決めて行動していく人材が求められていると感じるからです。
私自身が中学校のときに所属していた野球部では、軍隊のような教育が行われていました。監督(先生)の指示通りに動けないと、怒鳴られ、時に体罰を受けるような部活でした。それ依頼、言われたことをそのまま行動したり、大人が望むことを察して行動することをうまくやっていくようになりました。しかし、大学に入ると、突然、自分でやるべきことを考えなければならなくなります。就職活動に至ると、「あなたは何者なのか?」「あなたは何をしたいのか?」を聞かれるようになる。だれかに言われたことをこなすことが求められる子ども時代から、自分で決めることが求められる大学生以降に大きなギャップがあると思うのです。
だからこそ、「自分で決める」経験を積み重ねてほしい。そんな想いが強くあります。特に、人生でも大きな選択となる進路選択こそ、自分で決断してほしい。もちろん、私たちは情報提供や選択の観点を提供し、一人ひとりの考えの整理に協力し、半歩先・一歩先を照らす存在であるつもりです。でも、最後の最後の決断は「自分で決めた」という感覚を持ってもらいたい。そういう瞬間を増やしていく教育現場を作りたいと思っています。
前置きが長くなってしまいましたが、このような想いがあるからこそ、私たちには、使う言葉と使わない言葉があります。
例えば、「指導する」「〜をやらせる」「管理する」という言葉は使いません。一方で、これらの言葉は、「情報を提供する」「人としてあるべき姿を伝える」「機会を創る」「カリキュラムをつくる」「一緒に考える」というような言葉になります。行動の対象を直接的に塾生にしないのは、強制的に塾生を変えようとするのではなく、塾生が変わる機会を創ること、変わりたいと潜在的に思っている子どもたちが変われる機会を創ることやその背中をそっと押せるような関わりをしていくことが大事だと考えているからです。「子どもたちを強制的に変えるために〜をする」のではなく、「子どもたちが変われる機会をつくるために〜をする」のです。
これから私たちはここまで多くの方々に共感をいただいているこの塾を広げていきたいと考えています。だからこそ、ますます自分たちの価値観、そしてその価値観に基づいて使う言葉を大切にしながら、取り組んでいきたいと思います。