こんにちは、Gozioki代表の吉田です。Goziokiでは『〜世界とGET INVOLVED〜』をテーマに掲げ、世界との繋がりを大切にしています。今日は「アメリカ人はなぜリマインダーが多いのか」について書いていきたいと思います。
理解力不足 vs 説明力不足
仕事をしている際に、部下や後輩が、こちらが出した指示と異なる動きをしてしまった場合は、どこに問題があったと考えるべきなのでしょうか。指示を出した方の人間の「説明」が不充分だったのでしょうか。それとも、指示を受けた聞き手の「理解力」が不足していたのでしょうか。
もちろん、実態としてはケースバイケースで、一概に「指示を出した方に問題があった」あるいは「聞き手側に問題があった」と結論付けることはできません。但し、日本に於いては「聞き手側の理解力不足であった」として整理されてしまうことが多いのではないでしょうか。これは、「一を聞いて十を理解する」という言葉に現れている通り、日本では相手の意図をしっかり汲み取ることが美徳とされているからです。
では、海外ではどうでしょうか。例えばアメリカでは、いつ、いかなるときも、業務上で発生したミスコミュニケーションは、説明した側の責任となります。これは「人によって理解力や考え方が異なるのが当然である」という前提に立ったとき、「相手の理解力に依存したコミュニケーションは成り立たない」と考えられるからであります。従って、説明を行う側は、「説明責任」としてかなり詳細な指示を出さないといけないことになります。「リンゴを買ってきて」と伝えるだけでは、青リンゴを買う人も居れば、赤リンゴを買う人も出てきます。確かに、文化の多様性が相対的に少ない日本の場合は、「リンゴと言えば◯色だよね」という類の共通認識を持ち易いです。それが、「説明が不足していたとしても何とか伝わってしまう」という状況を(日本では)作り出していたりします。
「言ったから分かるでしょ」も成り立たない
アメリカでは、日本のような「言わなくても分かるでしょ」は一切成り立ちません。言わないと伝わりません。ここまでの話は何となく想像できますが、更に興味深いのは、アメリカでは「言ったから分かるでしょ」も実は成り立ちません。「人間は忘れてしまったり、勘違いしてしまったりすることが当然にある」という前提に立ったとき、ここでも、「相手の理解力に依存したコミュニケーションは成り立たない」と考えなければなりません。そこで必要となってくるのは、「繰り返し伝える」ということです。重要なポイントは、相手に言い訳する隙を与えないことです。相手に言わせてはいけない3つのフレーズが、「聞いていません」、「勘違いしていました」、「忘れていました」。このどれかを相手が言ったら、「こちら」の負けです。そのためにも「詳しく伝える」、そして「しつこく繰り返す」必要があります。
日本では「◯月×日△時」と会議の日程が決まると、それを皆がスケジュール表に書き込んで、あとは会議の当日を迎えるだけです。アメリカでは会議の日程が決まった後に、もちろん会社やメンバーによって多少は異なりますが、例えば、1週間前→2日前→前日→当日朝と繰り返し「リマインダー」が来ることがあります。リマインダーがあまりにもしつこいので、「さすがに仕事だし、会議の時間ぐらいは認識しているんだけど」と日本人なら少し戸惑うかもしれません。先に述べた通り、ポイントは「聞いていません」、「勘違いしていました」、「忘れていました」、この3点セットを絶対に周りに言わせないことです。日本では考えられないことかもしれませんが、会議の日程をすっかり忘れていた人が、「会議主催者のリマインドが不足していたから会議のことを失念してしまった」と強気に出ることすらあります。
また日本人からすると、しつこく相手に対してリマインドすることは、少し気が引けるかもしれません。ただアメリカ人は「リマインドをしつこく行う」ことの意味も理解していますので、遠慮する必要はありません。外国人と仕事をする際は、「詳しく」伝えましょう。そして、「繰り返し」伝えましょう。
Gozioki
世界との繋がりを大切にするGoziokiでは、多様な経験をお持ちの皆様をお待ちしています。必ずしもグローバルな経験である必要はありませんし、これまで働いてきた期間も特に問いません。皆様にご自身の価値観を持ち込んでもらえれば、それが必ずやGoziokiにとっての戦力となります。どうぞよろしくお願いいたします!