二度と登らないと誓った富士山。人が言う富士山は眺めるもので登るものではないよね、を痛感した初登山。数日は膝が痛すぎて歩けず病院で膝の水を抜いてもらいました。それから7年。懲りずに富士山に登って参りました。
9号目から頂上に向かうアタックはまさに冒険そのものでした。岩場はまるで壁のように立ちはだかり、ところどころ垂直ではないかと思うほどの厳しい斜面。夜の闇が広がる中、ヘッドランプのわずかな光と前の人の足元だけを頼りに、一歩一歩慎重に登っていきました。背中には重いリュックがのしかかり、その重みで仰け反り、転落しそうになる瞬間もありました。心臓が高鳴り、息が切れる中、一歩一歩を踏みしめながら、頂上を目指すその時間は幻想的な不思議な感覚でした。
富士山登山に向けて、私は3か月前からトレーニングを開始しました。常に3kgの重りを足にくくりつけて駅では階段を使い、週末はジョギング、そしてジムで体を鍛えました。娘たちも一緒に登るため、事前準備の大切さを繰り返し口うるさく彼らに注意してきました。しかし、いざ登山当日、息絶え絶えになったのは私の方で、娘たちに心配される始末でした。情けない。
登山中に見た景色は本当に素晴らしいものでした。夕焼けから朝日が昇る前の空模様の色彩の変化は言葉では言い尽くせない美しさでした。オレンジ色に染まる夕空から深い青に変わる夜空、そして淡いピンクと紫が混じり合う朝の空。これらの光景は、写真や言葉では表現しきれないほどの感動を与えてくれました。この経験はまさにプライスレスで一生忘れられない思い出となりました。でも、もう登らない。