すこし違う業界から転職して、最初に携わった大きな案件に自分の経験はあまり有効的ではなかった。
今まではまさに目の前で作業している人たちの様な事をしていた。
今度はそれを管理して一つのチームとして機能させなくてはならないのだ。
正直、今現場で聞かれている事はマニュアルには載っていない。
しかしこの決定を以てイベントが進むから、適当な返事はできない。
怒鳴られながらもなんとか言われたことをこなし、本番を無事に迎えた。
何一つ満足いくような仕事はできず、覚える事も一回で覚えきらず焦る。
これが年一回の案件であるため、今年の疑問が解消されるのは来年だ。
無事本番も終わり、般若の様な顔だった協力会社の先輩の顔も徐々に恵比須顔に。
機材の搬出時、仕事ができないならとりあえず動けというご指導の下、部活動やアルバイト、前職を
こなしてきた自分はただボーッとエレベーターを待つのに突っ立っていることが何とも気持ち悪く
非常階段で一気に駆け降りて下で荷受けすればスムーズに出せるのでは?そう考え一気に駆け下りた。
これが最大のミスだった。
荷捌き場階に着いた時にはもう遅く、警備員さんのご迷惑をおかけする。
非常階段はその階層の毎の管轄であり自分たちの動線として確保されていたエリアを越えていたため
不審者扱いになるのだ。
当然、その失態は上司やクライアントにまで届き大変お叱りを受ける事態になる。
今までは自分の常識で奇跡的に渡り歩いてきたがその業界にはその業界ごとのルールがあるという事をこの時学んだ。
この経験は他の案件でも大いに役立っているのは事実で、立派な経験になっている。
現在は回数を重ねる事に徐々に立ち回り方や手の打ち方も少しずつ覚えてはきて、何について
質問や答えを求められているか落ち着いて理解できるようにはなってはきたが、それでもまだまだ
それはまた別の話。