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染色で花の命を長く愉しむ。唯一無二のドライフラワー図鑑


こんにちは。株式会社RINです。代表の河島が、今年3月マニアックな図鑑を出版しました。その名も「いつまでも美しい染色ドライフラワー図鑑」。60種類以上の花を、生花、ドライフラワー、染色ドライフラワーの3種類でそれぞれ比較できる内容になっています。社内でも、参考書代わりになっている貴重な1冊。今回は、弊社のアンバサダーでありライターの岩田紫苑さんが、河島にインタビューした時の様子をお届けします。岩田さんは、PR業務を通じて、花業界で働く人を応援するべく、執筆活動をしています。

出版までの経緯、染色ドライフラワーの魅力、図鑑を手に取った読者からのコメントや、河島の染色ドライフラワーへの想いなど、ぜひ最後までご覧ください。

©KATO SHINSAKU

岩田)春佳さん。本日は宜しくお願いします。私も読んでみましたが、こだわりがたっぷりつまった1冊でした。染色ドライフラワーは、RINの空間装飾でも大活躍していますよね!まずは、出版までの経緯をお聞きしたいです。

河島)ドライフラワーの図鑑は、世の中にあるけれど、染色ドライフラワーをメインにした本は無かったから出版したい!と思ったのが、きっかけです。生花をそのまま乾燥させたのがドライフラワー。生花に染色液を吸わせた上で乾燥したものが、染色ドライフラワー。染色ドライフラワーは、鮮やかなドライフラワーなので、長期間の展示でも存在感があり、RINの強み。図鑑では3パターン(生花、ドライフラワー、染色ドライフラワー)を、見開きで比較することができます。この比較は、わたしたちRINの社内でも参考になっています。「どんな色になるんだっけ?」と思い立ったときに、すぐに図鑑で確認することができるからね。

岩田)なるほど。確かにRINの装飾は、色鮮やかなドライフラワーを数多く使っていますよね。今回、その染色ドライフラワーを扱った書籍ですが、どんな方に向けて読んでもらいたいですか?

河島)見本になる写真が沢山掲載されているので、「どんな色に染まるのかな?」とドキドキしたり、染色後に「イメージと違った!」となる前に、まずは図鑑を眺めて貰えたら嬉しいです。内容は凄くニッチだけれど、無理なく染色ドライフラワーにチャレンジできるので、これからドライフラワーを作りたい初心者さんも、ドライフラワー作家さんにも、参考になると思います。一言で言えば、花を恐れずに、扱ってもらえる秘訣がつまった本かな。

私自身が過去に取り組んできた染色の経験をまとめたので、今までにないドライフラワー図鑑です。

©KATO SHINSAKU

©KATO SHINSAKU

岩田)この図鑑が、染色の実験結果そのものですよね。春佳さん自身の、染色ドライフラワーの思い出をお聞きしたいです!

河島)興味本位で染色したのが、きっかけかな。初めて染めた花は、カスミソウとカーネーション。ドライフラワーと言えば、「茶色」「色褪せ」というイメージが先行しているけれど、それを払拭できたのも、とても面白かった。カラフルなドライフラワーになるので、表現の幅も広がっていって。でも実は染色ドライフラワーを始めた当初は、失敗も沢山ありました…染色液を薄めてから、生花に吸わせてみたら、全然染まらなかったり…(苦笑)

何がどんなふうに染まるのか、未知だったので、どんどん実験していったかな。染色後の変化が面白くて、夢中になりながら…。弱った生花より、新鮮な生花のほうが、着色しやすいことも判明したり。

©KATO SHINSAKU

岩田)なるほど。試行錯誤を繰り返す中での、この図鑑なのですね。出版への背景や、思い出を伺ったことで、1冊の重みがグンと増しました。図鑑の見どころをぜひ教えてください!

河島)見どころは、見開きページで、生花・ドライフラワー・染色ドライフラワーの比較ができて、違いが一目でわかるチャプターかな。この3つの比較は、世の中に出回っているドライフラワー図鑑には無かったから。「ここの比較が分かったら嬉しいな」「ここの変化が知れたら嬉しいな」という、気になる部分をしっかりまとめたので、そこが1番の見どころです。

もう1つ、見どころを挙げるなら、小さなサブカットの写真かな。染色ドライフラワーを分解して、花びらをピンセットで並べています。バラは、花びら全部に色が染まっているんだ!という気付きもありました。とても大変だったのは、ラナンキュラス。何十枚もある花びらを1枚1枚丁寧に並べた時は、達成感に満ちた撮影シーンだったので、思い出深いです。(笑)分解してみないと、分からない部分が、このサブカットを通して、解明されたんだよね。1枚1枚にしっかり染色液が行き渡っている証明もできたのかなと。花を真っ二つにしたら、雄しべと雌しべが見えたり。球根のものは、来年の芽が見えたりもしました!

私自身、新たな発見があったので、小さな写真だけど注目してもらえたら嬉しいです!

©KATO SHINSAKU

岩田)「球根もドライフラワーになるの!?」と半信半疑でしたね。球根の根っこをつまんで、ハンギング法でドライフラワーにしたのですか?

河島)そうそう。当たり前だけど、しっかり根元から染色液を吸っているから、根っこの色も変わっている。茎を通り、葉や花へ着色する状態が、顕著にあらわれているのが、この図だなと思いました。花って生きているんだな、と生命力を感じたし、面白かった。

©KATO SHINSAKU

岩田)図鑑には、乾燥させる方法として、3種類(ハンギング法、シリカゲル法、電子レンジ法)を紹介していますよね。どの花にどの方法が向いているのか、記載されてあって、ここも参考になる部分だと思います。これらも春佳さんのご経験からでしょうか?

河島)そうですね。ハンギング法は、RINのアトリエでいつも試している方法です。シリカゲル法は、どちらかと言えば、初心者さん向きではないかも。理由としては、密閉する瓶やシリカゲル、シリカゲルを丁寧に払い落とす筆などの道具が必要になってくるので。さらに乾燥に2~3週間かかります。手間も時間もかかるからこそ、シリカゲルの隙間から、綺麗なドライフラワーが顔をだした時は、感動もひとしお!

電子レンジ法は、市販のプラスチック道具(押し花キット)を使っています。前述した2種類よりも、時間もかからず、すぐに作ることができるけれど、水分量の多い花は、温める過程で焦げてしまったりするから…少し難しいかな。

©KATO SHINSAKU

岩田)惜しみなく(笑)、春佳さんによる実験データがまとめられた図鑑なのですね。出版してから5ヶ月が経ちますが、図鑑の感想が寄せられたり、反響などはありましたか?

河島)SNSでも沢山リアクションを頂きました!実際にRINのアンバサダーの皆さんにも、感想を伺いましたので、一部をここで紹介しますね。

Solaju
「こんなに、たくさんの花を染めることが出来るなんて…魔法のようだと感動しました。今まで、自然のものを着色するのに少し抵抗感がありましたが、染色することで、自分だけのオリジナリティが表現できるんだなと感じました。特に、元の生花の色・自然乾燥させた色・染めた色が、わかりやすく掲載されていて、染めてみたくなります!!」

kamome
「白のラナンキュラスとカーネーションを使って、14色の染まり方を比較した、染色カラー図鑑(P22~)がとっても参考になりましたね。一発で染まり具合が分かるので。実は、苦手意識のあった染め花ですが…読後、積極的に染色液を取り入れてみよう!と思って、早速購入してみたところでした。このページを見て、気に入った色を購入!することもできるので、無駄なく染色液を購入できますね。本当に助かります!これからも重宝する1冊ですね。」

Izumi
「まず、写真がとっても綺麗で、ページをめくるのが楽しい図鑑です。失敗せずに染色ドライフラワーを作ることができるので、初心者の方に向けても参考になります。花を仕事にしている方にとっても、新たな発見がありますね。生花からドライフラワーへの変化を深く理解できたり、疑問が解消されたり。読み終わって感じたことは、ドライフラワーに向いていないと思っていた花が、乾燥できることに驚きました。参考書のように使えるので、より自信を持って、自分の仕事にも活かせますね。」

Anneau
「春佳さんの図鑑、くまなく拝見しました!個人的には、とても見応えがあって、読み進めながら、ワクワクしていました。花に詳しくない方は、逆にマニアック過ぎてしまうかも…と思うほど、ニッチな内容でしたね!」

Masami
ドライフラワーは作り方によって、花の仕上がり(表情)が全く異なります。この図鑑は、種類ごとにお勧めのドライフラワー技法や、細かい色の変化が示されており、仕上がりのイメージがすぐにわかります。難しい染め液選びも、とても参考になりました!読む前は、自然の色そのものが一番美しいと思うことが多かったのですが、この図鑑を読んでいくうちに、そんな固定観念は必要ないと思うようになりました。というのも、ドライフラワーとして長くお花を愉しむことを一番に考え、花に新しい命を吹き込むことができる、この染色ドライフラワーの世界が、新たな選択肢の一つになると思ったので。私も積極的に取り入れていきたいと思います。

春佳さんの草木花に対する愛とともに、ドライフラワーに新たな価値をつけ、植物の可能性を広げてくれる1冊です。」

岩田)最後に、この図鑑への想いをお願いします!

河島)染色ドライフラワーには、可能性があり、染色は花の命を長く愉しむ新しい手段だと思います。自然界には、青の花が少ないけれど、染色することで、青の花を沢山作りだすこともできるから、デザイン性の幅が広がるし、「ドライフラワー=茶色=褪色」というイメージを払拭することもできます。同じ花であっても、染める色が異なれば雰囲気もガラッと変わるから、「こんな色のドライフラワーが欲しかった!」が叶うはず。花屋さんであれば、生花の廃棄を減らしながら、色鮮やかなドライフラワーを作り、販売することもできますね。

自然乾燥させたドライフラワーも味があって素敵ですが、染色ドライフラワーには、このような様々な可能性を秘めているので、染めるという選択肢があることや、その方法を、沢山の方に伝えていきたいですね。

「いつまでも美しい染色ドライフラワー図鑑」の購入はこちらから。

©KATO SHINSAKU

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