800で活躍する社員のキャリアパスや経験、そして800を選んだ理由を掘り下げるインタビューシリーズ。今回は、アナリティクス&テクノロジー本部の伊藤さんにお話を伺いました。データサイエンティスト×コンサルタントとして数多くのプロジェクトを牽引し、現在は人材育成にも力を入れている伊藤さんのキャリアと信念についてご紹介します。
―伊藤さん、まずはこれまでのキャリアについてお聞かせください。
大学では統計学を専攻し、数理モデルを用いて人間の行動や意識を分析することを学びました。この経験から、統計分析を軸にキャリアを築きたいと考え、調査会社に就職しました。
入社後はリサーチデータの多変量解析を中心に、Webサイトのアクセスログの分析、人事データを活用した退職予測や従業員満足度の分析、コロナ禍直後に発生した購買変容のクラスタリングなど、幅広い業務を経験しました。
大学時代に注力していた統計モデリングに必ずしも専念できないもどかしさもありましたが、データを細かく見て本質を捉える経験から、基礎集計の重要性を深く学んだことが大きな財産となっています。
また、このタイミングで予測モデルの構築や機械学習に本格的に取り組み始め、Kaggleを通じて、業務で得た知見を課題解決に活用し、逆にKaggleで習得した新しい手法を実務に応用するというサイクルを経験することができました。実務と学びが相互に強化され、機械学習への理解が深まるだけでなく、より広い視点でデータ分析に挑むための基盤を築くことができました。
―そんな中、なぜ800への転職を考えるようになったのでしょうか?
5年ほど勤める中で、部下ができ、部署も大きく成長し、自分の中で「やるべきことを一通りやり切った」という一区切りを感じました。個人としても組織としても成長を実感できたことで、次のステップに進みたい、新しい刺激を求めたいと思うようになりました。
転職活動では、ありがたいことに複数の会社からお声がけをいただきましたが、最終的な意思決定のポイントは「人の良さ」でした。面接で村岡さんの人柄に惹かれたことや、同じ統計分析のコミュニティに属していた小西さん他、メンバーの存在が大きな判断材料となり800を選びました。
―800に転職して、ギャップ感じたことはありますか?
顧客との距離感が前職とは大きく異なりました。800では、コンサルタントとして顧客と直接対話し、分析結果を基に議論を重ね、次の方向性を迅速に定めていくプロセスが特徴的です。このように、前線に立って成果を目にし、お客様と直接共有できる点は非常にやりがいを感じます。
また、一緒に働く人たちの「頭のキレ」が印象的でした。ここでいう「キレ」とは、単純な頭の良さではなく、状況や環境に応じて柔軟に考えを切り替え、自分の仮説に固執せず幅広いアプローチを模索できることです。クライアントワークではとくに重要なスキルであり、そういった方々と働ける環境にとても満足しています。
―800で経験した中で最も印象的だった業務は何ですか?
とくに印象に残っているのは、M&Aに関する分析を行った案件です。いくつかのシナリオをもとにパラメーターを設定し、売上の変化をシミュレーションするというものでした。
これまでの業務では、パラメーターはシステムが自動で計算してくれることが多かったのですが、今回は自分で設定する必要があり、新鮮で非常に刺激的な経験でした。パラメーターの変化がどのような結果をもたらすのかを解釈し、それを意思決定にどう結び付けるかを考え続けるプロセスは、これまでの仕事とは異なる頭の使い方が求められ、大きな学びを得ることができました。
―伊藤さんが人材育成において大切にしていることを教えてください。
私が重視しているのは「教育体制の拡充」と「日常的なキャッチアップができる環境・文化づくり」です。AIやデータ分析の分野はアルゴリズムや市場環境の変化が非常に激しいため、最新の論文や他の一次情報から知見を得て、それをチーム全体で共有・活用できる仕組みを作ることが重要だと考えています。
その一環として取り組んでいるのが、研修制度の整備です。研修を通じて個々のスキルレベルを可視化し、適切な業務アサインを可能にするとともに、メンバーが自身のキャリア形成について考えるきっかけとなることを目指しています。こうした取り組みを通じて、データ分析を楽しみながらスキルを伸ばせる人材を育てるとともに、組織全体でクライアントの課題に価値ある提案ができる体制づくりに寄与したいと考えています。
―プレイヤーとしては、今後どのようなことをやっていきたいですか?
自分で設計したモデルや定式化した問題をコンピュータに解かせ、その結果が顧客の意思決定や利益向上に貢献する案件に取り組みたいです。とくに機械学習による予測や観察データを使った施策効果検証というような、専門性の高く、高度な技術が求められる案件に挑戦したいと考えています。最近では、ベイズモデリングや時系列データを扱ったマーケティング・ミックスモデリングの制度改善に関わりましたが、こういった領域をさらに深め、スキルを磨き続けたいです。同時に、そこで得た高度な知見を社内に還元し、メンバーが扱えるスキルの質と幅の両軸で広げていくことにも寄与していきたいです。
また、東京理科大学と行っている産学連携にも引き続き積極的に取り組みたいと考えています。学生の方々に自身の経験を還元できることは、とても嬉しく、やりがいを感じますし、研究会や論文執筆を通じて私自身も新たな知見を得られるため、非常に充実した時間を過ごせています。特に共著者として論文を執筆する経験は、刺激的でありながら、自分の専門性をさらに高める大きなモチベーションとなっています。
―今後、どのような人と一緒に働きたいですか?
単に分析手法を知っているだけでなく、その手法がなぜ課題解決に適しているのかをきちんと説明できる人と働きたいです。また、その手法に興味を持ち、数学的に深く掘り下げることができる方が私個人としては理想的な人材です。
さらに、既存のプログラムに対して、たとえ上位者が書いたものであっても鵜呑みにせず「なぜこのように書かれているのか?」と自分なりに掘り下げる好奇心を持っている人に魅力を感じます。渡されたものを単に使うのではなく、自分なりにカスタマイズして使いこなせる人はとても尊敬しますし、そういった方々が活躍できる雰囲気を作っていきたいと思っています。
―最後に、転職を検討されている方へメッセージをお願いします。
800はまだ新しい組織であり、未熟な面も多いですが、それゆえに「こんなことができたらいいのに」と自ら思いを巡らせ、その実現方法を主体的に考えて行動できる方には、大いに輝ける環境だと思います。
データを活用した意思決定を当たり前にする文化を、社内だけでなくお客様の組織にも根付かせたいという志を持った方、そしてそのプロセスを楽しめる方にはぜひ来ていただきたいです。一緒に、データで未来を切り拓く組織を作り上げていきましょう!
―伊藤さん、貴重なお話をありがとうございました。
あなたも800でデータサイエンティスト×コンサルタントとしてのキャリアを築いてみませんか?