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裁量権から生まれる豊富な経験が、飛躍的な自己成長を可能にする

入社2年目にして裁量の多い案件に多数携わる、データサイエンティストの伊藤博典と中村圭太。ビジネスサイドとの協働も積極的にこなす同期の2人に、リクルートならではの仕事の魅力について話を聞いた。



プロフィール & キャリアパス

伊藤 博典

データスペシャリスト/データサイエンティスト

プロフィール
学生時代:情報学研究科社会情報学専攻で、大学院では「漫画×機械学習」を研究。旅行が好きで二輪車の免許をとって、バイクで北海道一周、九州一周など全国各地いろいろな場所へ。
1年目:データプロダクトグループに配属。『ホットペッパーグルメ』の機械学習案件のモデル実装や社内プロダクトの基盤開発に携わる。
2年目:機械学習基盤の起案および実装に関するコアメンバーとして携わる。また、宿のダイナミックプライシングを可能にするSaaSサービスにおける新モデルとAPIの開発も兼務。



中村 圭太

データスペシャリスト/データサイエンティスト

プロフィール
学生時代大学3年時に情報学習システム研究室に配属され研究の楽しさに気付く。研究テーマは脳波データを用いた脳内の活動部位の推定。遊び(スノーボード・国内弾丸旅行)と研究をどちらも全力で楽しむことをモットーにしていた。
1年目ライフスタイル領域のデータサイエンスグループに配属。メンターのもとで、課題の定式化の部分に主に注力。 
2年目データ側の代表者として案件へと関与。定式化のみならず、施策設計やプロジェクト推進にも携わるようにユニット長との間での分析案件も経験。

「自分らしさ」を発揮できる、リクルートという環境

ーーお二人はどうしてリクルートへの入社を希望したんでしょうか。

伊藤 僕の場合、自分の成長のためには、プレイヤーとして打席に立ち続けて、失敗も成功も小さく重ねていくことが必要だと考えてたんです。その点リクルートは、若いうちから責任のある場面で打席に立つことができます。また、リクルートでは、仕事や案件を通して学生時代の研究では到底集めることができなかったようなまとまったデータ量やアクセス量を分析する必要があります。大量のデータに携わる経験もでき、挑戦幅も大きく自分の学んできたことのバリューを発揮できると思ったのでリクルートに入社しました。

中村 僕がデータサイエンティストの仕事や働き方を知ったのは、実はインターンに参加した時だったんです。その際にアサインされた案件で、日常生活から生まれるデータや技術から、数億円規模の効果を生み出すような事業への貢献ができるということを目の当たりにして。その社会的な変革を生むような世の中へのインパクトの大きさに興味を持つようになりました。しかも、リクルートの場合、社内に存在するデータのバリエーションが多いですし、自分のやりたいことに向かって全力で仕事ができる。それで入社を決めたんです。


ーー入社後はどんなキャリアを歩んできたのでしょうか。

伊藤 僕は入社後にIDPのデータプロダクトグループに配属され、半年間はエンジニアリングをバリバリやっている先輩のもとで、大学時代には触れていなかったような新しい言語を扱ったり、新規プロダクトの開発案件をお手伝いしたりしていました。
その後、所属するグループ内のデータサイエンスチームで体制変更があり、別の人が持っていた『ホットペッパーグルメ』とデータサイエンスの共同案件が僕の方に流れてきたんです。僕もちょうど「サイエンス案件をやりたい」という気持ちがあり、1年目の後半から本格的に兼務することになったんです。

中村 僕も1年目の上期に美容領域のデータソリューショングループに配属が決まって、メンターの先輩からビジネスサイドの方とのコミュニケーションや課題を定式化していく際のヒントなどを教えてもらいながら、3案件ほど担当していました。1年目の後半は、別のマーケティングユニットとの共同案件にアサインされました。そこでは、カスタマーへのポイント付与の新規施策がちょうどスタートしたところだったので、自ら手を挙げてその最適化の担当を任せてもらいました。それまでは先輩にずっとついてもらうような状態だったんですが、そのあたりから独り立ちを意識するようになりました。


川下り型と山登り型というキャリア

ーー現在担当されている仕事を教えてください。

伊藤 現在は、主務のエンジニアリングが7割、兼務のサイエンスが3割という感じです。主務の中心には「機械学習」というテーマがあるんですが、最近は部署にあるいくつかの機械学習モデルに対して、MLOpsを適用させるための基盤づくりをおこなってます。一方、兼務しているサイエンスの案件では『じゃらん』との共同案件で宿の価格を需要に合わせて自動的に変動させるツールを開発していて、その中の価格調整に関するレコメンド機能をつくっています。また、MLOpsとは別に主務側では『PontaWeb』の案件を担当していて、ユーザーの行動履歴などを利用して各ユーザーにオススメのPontaポイントが利用可能な商品をレコメンドするシステムづくりをしていますね。主務側ではエンジニアリングに寄り、兼務側では機械学習寄り、それぞれ別々の軸を持った機械学習エンジニアリングに携われているのがおもしろいです。

中村 僕はノリ(伊藤さん)の横断的に見てツール開発をする機能組織としての関わりとはちょっとタイプが違いまして、一つの事業に紐づいてビジネスサイドに寄った仕事をしています。マーケティング領域でCRM(顧客管理内部集客)や外部集客に携わったり、UI/UXの案件にも携わったりしながら、美容領域の中で業務の幅を広げて案件に向き合っています。そのため、ビジネスサイドの方とコミュニケーションする機会が多いです。

伊藤 確かに僕は、兼務側でクライアントさんと話すことがありますけど、それでもやってることはシステム寄りなので、主務側も開発チームのエンジニアの方たちと話すことのほうが多いですね。


ーー現在、様々な案件を担当しているお二人ですが、「こういうことをしたい!」というキャリアパスは1年目から意識していたのでしょうか。

中村 僕はそんなに自分の将来へのこだわりはなかったですね。
そういえば、入社式の時、社長が「川下り型の人生」という話をしていたんです。川下りをするときのように、遠くのことを考えようとするのではなく、ちょっと先のことを考えて、そこで何ができるようになるのかを大切にしよう、と。そうやって自分ができることを点々とつくっていくと、いずれそれがつながって線になり、自分の進むべき道になっていくんだ、という話でした。それは僕も同感で、今はまず心に従って動きながら点をつくっていくことが重要なのかなと思っています。

伊藤 なるほどね。僕はその点逆かもしれない。入社当初からキャリアの積み方はなんとなくイメージしてあって。だから、点と線で道をつくっていく川下り型ではなく、ゴールに辿り着くまでの道を順番に考える山登り型。実際、3年、5年、10年の区切りでどんな仕事をやっておくべきかを考えていたりします。


裏付けを持った強い意思が、道を切り開く

ーーお二人は入社2年目にして、すでに比較的裁量が大きい案件を担当されていますね。

中村 きっかけは、実は自ら率先して立候補したことが大きいです。当時は「やったことがないタイプの施策を学びたい」という想いが強かったので。先輩からは「重要な案件だしコストも大きいけど、本当に大丈夫?」と念を押されましたが(笑)。でも、「新しい施策に挑戦したいんだ」ということを意思をもって前のめりに説明すると、本当に任せてもらえる。もちろんそうなるには、通常の業務に必死に喰らい付いてしっかり遂行しながら、先輩や周囲からの信頼を積み上げていくことが重要なんですが。

伊藤 僕も同じように任せてもらえた経験があって、「僕はエンジニアリングだけじゃなくて、他の領域もやっておきたいんです」とか、「世間にはこういう流れがあるので、会社としてもやっていくべきだと思うんです」とか。そうやって意思表示をした上で手を挙げると、「そこまで考えているんだったら…」ということになるのかなと思います。
ちなみに、リクルートが抱える案件の幅は非常に広いですが、興味のある案件に関する情報はどう集めているのでしょうか。

中村 僕のグループでは、メンバーが担当する案件の情報共有が頻繁に行われていて。その会話の中で、「こういうバリエーションもあるんだ」というのを知ったりしますね。あと、興味のある分野については、自分からヒアリングしに行くこともあります。1年目の時は、UX、マーケティング、プランニングのそれぞれのグループのマネジャーのところに行って、「どういう課題感がありますか?」と話を聞きに行って。それから自分の部署以外の社員に時間をもらい他の仕事の解像度を上げたり、案件共有の発表会を見に行ったりしました。いろいろな人たちの話を聞いて回りながら、自分の中で全体の地図を描いて整理していきました。

伊藤 僕はどちらかというと、いろんな記事や資料を読む中で「この会社でやっているコレは確かに便利だな。でも、うちの会社では聞いたことがないな」ということを考えますね。それで、その案件に明るそうな人を社内で探して、「こういうのは社内にあるんですか?」と話を聞いたりしています。「ない」と言われたら、新しいことを取り入れるチャンスだとわくわくしますね。


データのダイナミズムと、伴う責任感

ーーさて、データサイエンティストとして活躍するお二人ですが、この職種ならではの醍醐味があるとしたら、どんなことでしょうか。

中村 まず、事業の生きたデータを用いながら課題解決や意思の決定サポートを思う存分できることですね。今まさに問題になっている課題を取り扱えますし、その上解決していくこともできるわけですから、しっかり事業貢献ができてるなという実感があります。
また、僕は今『ホットペッパービューティー』という媒体でも仕事をしているんですが、そこでは約2500万人もの会員様に向けて自分が考えたモデルを発信できますし、そのレスポンスを得ることもできます。この規模感の案件を推進できる環境は他ではあまりないと思いますし、やっぱりやりがいがあります。あと、担当する事業側の課題には、誰にも解かれたことがないタイプのものもけっこうあるので、それらを自分の手で解いていくことができるのは非常におもしろいですね。

伊藤 ケイタ(中村さん)と同じで、僕のところもまとまったデータを扱って価値を生み出していくという点で仕事の醍醐味を感じます。ただ、そのデータを慎重に扱わなければならない緊張感は常にあります。例えば、僕がつくってるレコメンドの基盤の場合、一度メールを送ると何十万というアクセスがあるんです。でも、それだけの数があるということは、メールを送ったときの負荷なども含めて考えておかないとサーバーダウンにもつながりかねない。大量のデータを扱えるというのはおもしろい反面、慎重に扱わなければならない怖さもあります。だからこそ緊張感の中でどんどん成長せねば、と気が引き締まりますし、常に勉強し続けていますね。

中村 醍醐味という点で言えば、ノリ(伊藤さん)はクライアントさんに直接ヒアリングすることもあるよね。そういう経験は僕にはないので、すごくやりがいがありそうに思えるんだよね。

伊藤 確かに。実際、僕の案件では、例えばホテルや宿泊施設に行って、「こういう機能を考えてるんですが、どう思われますか?」ということを聞いたりするんです。そこでクライアントのご意見をいただいてモデルを改善していくんですが、やっぱりクライアントごとに得られる情報が全然違っていて。そういう生きた情報をいただけるのは、とても魅力的ですね。


新しい課題に、いかに立ち振る舞うか?

ーー一方、これまでの仕事で、最も大きな壁となったのはどんなことだったでしょうか。

伊藤 機械学習基盤をつくるにあたって、外部からの攻撃などセキュアな点について今まで以上に考えないといけないということになりました。とはいえ、今まで本格的に取り組んだ経験がなかったので、度々手詰まりしていました。どうにか手を動かすんですけど、1、2週間ぐらいずっとエラー。それで「もう無理だ!」と思って、先輩エンジニアに「1時間ください」と相談をして。そこから、画面共有しながら意見をもらって、それをもとにプログラムを進めていくかたちにしたんです。

中村 最初はもっと簡単にいくと思ってた?

伊藤 そうそう。なんとなく調べればいけるかなと思ってたけど、意外といろんな落とし穴があって。先輩にレビューしてもらったときに「この観点がないよ」ということを言われて。そこで初めて「これは僕の知らない部分だぞ」というのに気付いたというか。そこからもう一度1人でやってみて、変化が出たときは先輩に共有して。その結果、先輩に相談してから、たった数日で本番の基礎の立ち上げまで漕ぎ着けたんだよね。

中村 僕の場合は、さっきの手を挙げて取りに行った案件かな。その案件では、通常のロジック作成だけじゃなくて、バッチの作成や他の組織へのファイル連携までを担当していて、それらの検証をはじめて実施することになったんです。でも、今振り返ると学生時代の気分がまだ抜けきっていなかったんですよね。ロジック作成を終えた段階で、気持ちにやりきった感が出てしまって、その後の要件定義やテスト設計をかなりおざなりにしてしまったんです。それで、実際にリリースの段階になったときに、そもそもビジネスサイドの人との要件定義の部分の認識齟齬がボロボロ発生してしまって…。施策当日には僕が引き起こしたエラーも重なり、結局日にちを後ろ倒ししなければいけない状態になり、激しく反省しました。

伊藤 覚えてる、覚えてる。同期の忘年会で「これからみんなで楽しく飲むぞ!」って時に、ケイタが急に真っ青になって、パソコンを取り出してカタカタやりだしたんだよね(笑)。

中村 先輩から「これ、大丈夫?」って連絡が来て真っ青でした。それで僕はみんなに「…すまん、これ無理だ。帰る」って(笑)。今考えると、最後までやり抜く姿勢みたいなものが欠如していたんですよね。あの経験のおかげで、机上でどれだけ良いロジックをつくっても、正しく現実世界で実現できなければ意味がないという意識が根付きました。実際、この経験を機に、要件定義やテスト設計、協業している人たちとの認識合わせの仕方にもこだわりを持って工夫して取り組むようになりました。1年目でこの経験をしたからこそ今の自分の意識・信念ができたなと思います。


周囲のサポートが、大きな成長を促す

ーー今の壁のエピソードもそうですが、仕事をする上で周囲からのサポートは非常に重要だという印象を受けます。

中村 重要なのは間違いないと思います。1年目は煮詰まるまで1人で考えて、「これは無理だ!」となったらメンターの先輩に相談するというのを繰り返していました。また今年になってからも、自分の手に負えないようなマネジメントの課題が入ってきた時に、いろいろ考えた挙句に何から手をつけたらいいのかわからない状態になってしまって。その時はグループのマネジャーに相談して、案件の進め方のハウツーを教えてもらいました。そうやって先輩たちから意見をもらうことで、1人で考えていた時に風呂敷を広げすぎてごちゃごちゃしていたものがしっかり整理できるんです。しかも、手先の対処法だけでなく、案件の全体像も見えてくるようにもなる。本当に勉強になります。

伊藤 それで言うとケイタと環境の差があって、僕の部署では1年目の最初の方はメンターがつかなかったんです。だからケイタや他の同期にも「どうすればいいかな」ってよく相談してました。

中村 そうそう、懐かしい。

伊藤 その中で、上長から「とりあえず周りの先輩エンジニアに話をする時間をつくってもらいなさい」って言われて。そこから2人のエンジニアさんに交代交代で1日30分程度をもらって、その日の詰まったポイントを話すようにしたんです。その相談タイムができてからようやく「だれかに意見を聞いてもいいし、周りに意見を求めた方が正しく早く進める」ということに気付きましたね。以来そこから、いろんな人から話を聞くようになって、部署内の他チームや他部署の方にも「このデータがわからないのですが…」とか「こういうデータってうちにあるか知ってますか?」ということを聞けるようになりました。


ーー最後に、お二人の今後の目標を聞かせてください。

中村 ひとつは、社内で扱えるデータサイエンスの案件すべてに携われるようになること。その過程の中で、案件の回し方を会得したいな、と。もうひとつは、いわゆるプロジェクト推進の力を身に付けられるようになること。僕の担当する案件はマーケティングユニットの他の組織と協業することが多く、ディレクションなどはそちらで担当してもらっている部分が大きいのですが、その中でプランニングやスケジューリングを自分でも動かせるようになりたい。そうやって、たくさんの「点」をつくることが、当分の目標ですね。

伊藤 僕の場合、直近の話だと、自分が設計したもので他のエンジニアが苦労しないように、ちゃんと意図を文章に残したり、ちゃんと実装したりすることを心がけたいというのがあります。この業界でよくあることなんですが、他の人が設計したものを読み解こうする時、中にはとてもわかりづらいものがあって、それを解読する作業はけっこうエネルギーが必要だったりするんです。だから、自分が作ったものに関しては、後に誰が読んでわかりやすいものに整えておきたいな、と。長期的なところでいうと、プロダクトマネジャーになりたいです。そのためにも、まず何か大きいプロダクトをつくらないと。そう考えると、仕事はやっぱり楽しいですね。


学生向けキャリアサイトのインタビューより引用 - https://www.recruit-jinji.jp/people/cross-talk/datascientist/

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