前回、前々回と2回に渡って、河邑がアダコテックに入社してから1年の中での、方針決め・採用/広報での取り組みを紹介しましたが、ついにラストです。今回はバックオフィスと営業についてです!(前回の記事はこちら!)それではどうぞー!
⑤バックオフィスの整備<2019年7月~2020年1月>
バックオフィスについては、入社当時はほぼアウトソース体制(経理を税理士法人、労務を社労士)で、株主のオフィスの一角を借りて運営していました。社内に人員がいないうちは、無理に内製化するよりも、外部に頼ったほうがうまく回ると思いますが、売上・経費・社員が増えていくと徐々にアウトソースのデメリット(タイムリーな対応がしにくい、コストが嵩む)が大きくなるので、アダコテックも徐々に内製化をしていきました。
【経理・労務】
入社当時は、経理を税理士に完全外注しており、事務(請求書や領収書の取り纏めや支払業務)についてもオフィスを間借りしていた会社に委託していました。また給与計算や入社手続きについては社労士に委託していました。すべてをひっくるめると外注のコストとしては月額21万円。これに決算と税金の支払でさらに35万円がかかっていました。年間287万円、けっして安い金額ではないですね。
ここについては以下のように効率化していきました。
①経験豊富な事務の方を業務委託で採用 (ママテラスを使いました)
②マネーフォワードを契約、経理と給与計算を内製化
③よりリーゾナブルな料金体系の税理士法人に変更、社労士の給与計算契約は解除
結果、コストは年間287万円→年間198万円に下がった上に経理も内製化が出来、タイムリーに数字の分析が出来るようになりました。ここらへんのノウハウはネットで調べてもあまり出てこなかったので、とにかくベンチャーの友人に聞きまくって教えてもらいました。複数見積取って比較して・・・みたいなことをするとあまりに時間と工数がかかるので、少しステージの進んだベンチャーの友達の助言に素直に従うのが吉です!
【SaaS導入】
私が入社したときは3人という規模でしたので、メール(KDDI)、Gitlab(オンプレ)、オンプレサーバーの最小構成で運用していました。資金調達を機に、社員の増加、開発体制の拡大(業務委託や副業も採用)、サービスもクラウド化していく中で、組織運営をスムーズに回すためにも、徐々にSaaSを入れていきました。
取り急ぎ以下の3つはあまり迷わずにクイックに入れました。
①Slack (コミュニケーション)
②GSuite (データストレージ/メールアドレス発行)
③Notion (社内wiki/営業CMS)
開発側については、Github、figma(UI design)を最初に入れて、AWS上でのサービス構築が始まってからは、Zenhub(プロジェクト管理)、Circle CI(CI/CD)、Sentry(エラートラッキング)と必要に応じて入れていきました。
悩んだポイントとしては「AWSにするの?それともGCPとかAzureにするの?」とか、「セキュリティ体制ってどうする?」みたいなところだったのですが、これを書き始めるととても長くなってしまうのでここでは割愛します(笑)。尚、SaaSを一度使い始めると、なかなかにやめられず、知らないうちに月額のバーンがどんどんと上がっていくので、本当に必要なのか?という点はけっこう厳しく見ていました (エンジニアからは「ケチ!」と言われることもありましたが笑)
【それ以外の色々】
それ以外でいうと、めちゃくちゃ安い法人携帯を探してきて契約したり、振込手数料が安いのでネット銀行の口座を開設したり、オフィスも2回移転しました。オフィスについては、不動産会社の友達に頼りまくり、ほとんど比較検討をすることなく、即決で進めていきました(ちゃんと内見したりするとそれなりに時間がかかるので)。尚、移転は、引越手続きや家具の調達等が色々と面倒なのですがWORKPLACE MANAGEMENTさんにお願いしたら、オフィスのデザインや家具の調達(中古の安いやつとかも探してくれます)はもちろん、当日の引越の手配や不動産会社との退去のやり取りまで含めて、まるっとお任せできるので、リソースのないスタートアップにはとてもお薦めです。(以下はアダコテックのオフィス紹介)
⑥営業体制の整備 <2019年8月~12月>
どのように戦う領域を定め、ターゲティングし、実際に営業に落とし込んでいったのか?みたいな話をしようと思っていたのですが、営業責任者の佐藤が渾身のNoteでここらへんはまとめてくれていますので、詳細な説明はこちらに譲ろうと思います。
ここ1年で、世界的な製造業のお客様に導入頂いたりと一定の成果を上げることができておりますが、一方で、常日頃から製造業に営業する難しさを感じています。以下のような特徴があります。
■ 現場が非常に強い (トップダウンとボトムアップの両方のアプローチ必要)
■ 組織が縦割りで横展開しにくい (営業効率がなかなか上がらない)
■ セールスサイクルが長い
■ 前例主義 (新規参入者には厳しい目)
■ 自前主義 (技術は外部に頼りたくない、自社開発したい)
現場には長い間、製造業のお客様に寄り添ってきたSIerさんがいらっしゃいますので、どのようにベンチャーとして違いを出してこのフィールドで短期間にスケールするのか?というのが目下の課題です。幸いにして技術的な優位性は確固たるものがあります。ただ、それだけで勝てるほど甘い世界ではなく、製造業OBの方に営業顧問に入って頂いたり、敢えて全く別の価格をつけて"競合製品とはまったく違うプロダクトです"という形に見せたり、色々と試行錯誤をしながら、営業上の最適解を模索しています。
これだけ聞くとナンダカ難しそうという印象を持つかもしれませんが、楽しいと感じるのは、やはり現場の方のモノづくりに対する熱意です。特に、中小規模の製造業のお客様だと、オーナーさんや社長さんと直接お話するのですが、なんとかしたい、という想いがすごく伝わってくる。休みの日でもメールに即レスが来ますし、とりあえずやってみよう、と言ってくれる。現場の長年の困りごとを解決できることに喜びを感じますし、こうした一つ一つの成功体験を大事にしながら、より多くの方に届けるための仕組みづくりをさらに進めていっています。
というわけで3本立てでお送りした「アダコテックでの1年を振り返る」如何でしたでしょうか。
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