後継者の不在から中小企業の休廃業が増えており、日本の生産性を低下させることが懸念されています。
そのためにも、円滑な事業の承継が期待されており、中でも親子間で事業を承継させる「親子承継」が、円滑な事業承継につながるものと期待されています。
そこで、親子承継を成功させたい後継経営者にとって、必要な覚悟と決断について解説いたします。
【親子承継の特徴とは?】
親子承継の特徴とは何かを理解しておきましょう。
まず、メリットとしては次のものがあります。
1.従業員や取引先などステークホルダーの理解を得やすい
2.創業者である前経営者と事業を引き継ぐ現経営者の満足感を得やすい
3.事業承継を長期に亘り柔軟に実施できる
4.企業の所有と経営の分離を回避できる
第三者による事業承継では、第三者が企業の支配権を持つため企業の所有と経営が分離し、第三者が株主として企業経営に関与します。
つまり、親族経営を続けてきた企業として一大変革を求められ、ステークホルダーにとって利害関係に影響を及ぼす一大事となります。
このため、ステークホルダーは、大きな変化を伴わず、安心して関係を継続できる親子承継を望む傾向が強くなります。
一方、デメリットには次のものがあります。
1.複数の後継者候補がいる場合は親族間対立を招きやすい
2.親子間で感情的な問題が発生しやすい
3.子である後継経営者には必ずしも経営者の資質が備わっている保証がない
親子承継には、親族間の利害対立と価値観の相違による親子間対立という血縁者ならではの問題があります。
また、親子承継では、後継経営者が厳しい査定を受けずに指名されることも多く、経営者の資質が備わっていない人材が簡単にトップに君臨することがデメリットと認識されてもいるのです。
【後継経営者に必要な覚悟と決断とは?】
このように、親子承継では資本関係や取引関係に大きな変化が起きずに済み、現経営陣やステークホルダーにとって安心できる承継策ですが、同時に、後継経営者には、これまで通りの経営の継続と先代の経営者同様の資質が期待されます。
後継経営者に求められる一つ目の「覚悟」とは、現経営陣やステークホルダーから、常に先代の経営者と比較され、値踏みされる環境に身を置くことについてです。
事業の安定を図り、今後の成長・発展を目指すためには、現経営陣やステークホルダーとの関係の良好が欠かせません。
そのためには、自分に対する値踏みに耐え忍ぶ「覚悟」を持つことが重要です。
後継経営者に求められる二つ目の「覚悟」とは、親子承継により自社株を譲り受けることに伴う経済的な負担についてです。
親子承継では、後継経営者が承継する会社の自社株を譲り受け、新たなオーナーとなります。自社株を親から買い取る場合も、相続する場合も、株式価値を時価算定して譲受価格が決まり、優良企業であれば譲受価格も高額となり、譲り受ける側では、買い取る場合も、相続したうえで相続税を納める場合も、いずれも多額な資金が必要になります。
このように、経済的支出を「覚悟」をすることも重要になるのです。
この二つの「覚悟」ができた場合、漸く親子承継の「決断」ができるのであり、これによって、親子承継を成功させる道筋が見えてくるのです。
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