『東京リベンジャーズ』稀咲 鉄太(きさき てった)は原作漫画で死亡⁉ タイムリープしているのか、正体は? 実写映画でも活躍! タケミチとヒナにこだわる理由も徹底考察
『東京リベンジャーズ』の悪役・稀咲(キサキ)をご存知ですか?アニメでも映画でも活躍中で、今最も気になるキャラクターと言えます。
彼は一体何者で、今まで何をして、何を考えているのか…謎に包まれたキサキについて、徹底的に探ります!
(※注意!実写映画・原作コミックス1~23巻・『キャラクターブック 天上天下』の重大なネタバレを含みます)
INDEX
- 稀咲 鉄太(きさき てった)のプロフィール )
- アニメ声優は森久保 祥太郎、実写映画俳優は間宮 祥太朗
- 行動の全容を大解剖! マイキーを操るためにエマを殺害?
- 闇深き重要人物・キサキの名言一覧
- ヒナとは小学校時代の友達? タケミチを「ヒーロー」と呼ぶ理由
- 他人を裏で操る頭の良さと、人間として欠けた感情
- 原作漫画21巻で死亡? 最期の言葉は? 今後の出番を予想
稀咲 鉄太(きさき てった)のプロフィール
稀咲 鉄太のプロフィール
身長: 164cm(過去)
体重: 58kg
年齢: 中2(過去)
誕生日: 1992年1月20日
星座: みずがめ座
血液型: A型
好きなもの: なし
嫌いなもの: バカ
特技: 勉強、特に数学
尊敬する人、憧れな先輩: なし
夢: 日本最大の犯罪組織の形成
黒幕的な悪役で存在感の大きなキサキですが、実はタケミチと同い年。物語随一の頭脳を持ち、頭の良さで計画的にのし上がってきた人物です。
愛美愛主(メビウス)で長内の補佐をしていましたが、パーちんの逮捕で空いた東京卍會(とうきょうまんじかい)参番隊隊長の座に就任。“血のハロウィン”では自身の策略でマイキーを守ったように見せかけ、決戦後に半間を東卍(トーマン)に引き入れました。しかし“聖夜決戦”での裏切りがマイキーにバレて東卍をクビになり、天竺(てんじく)総参謀になります。
キサキは元々不良っぽい人間ではないため、他の不良たちとは一線を画します。
タケミチと同様に喧嘩はめっぽう弱く、2人で殴り合いをした際には互角でした。バイクに興味はないのか所有も運転もせず、移動の際には半間のバイクの後ろに乗っています。
小学生時代は色白でヒョロヒョロでしたが、タイムリープしたタケミチが河原ですれ違った時には真っ黒な小麦色の肌になっていました。不良を目指すようになってから、日焼けサロンに定期的に通っているのでしょうか。
髪も、以前は黒髪で真ん中分けをして目につくほどの長さだったのが、不良を目指してからは金髪に。河原で会った時には坊主にラインを入れた髪型でしたが、その後はソフトモヒカンのようにトップを逆立てた短髪になりました。
メガネをかけているのは小学生の頃から。ハーフリム&上部が厚いスクエアタイプの眼鏡は、キサキのトレードマークと言えるほどです。
どの未来でも、キサキは凶悪化した東京卍會を牛耳る大物になっています。
トップの立場にいるせいか、見るからに上等なスーツを着てエリートらしい格好。肌は元の色に戻しており、髪型はサイドを剃りトップだけ長く伸ばして、メッシュの七三分けにしていました。
現代の直人曰く、
「現・東京卍會の最重要人物の一人にして“総長代理”」
「我々警察も総力をあげて捜索していますが尻尾さえ掴めていません」
とのこと。
謀略を巡らすことが大の得意なだけあって過去でも現代でも守りが固く、非常に手ごわいキャラクターです。
アニメ声優は森久保 祥太郎、実写映画俳優は間宮 祥太朗
アニメでキサキを担当するのは、有名声優・森久保 祥太郎(もりくぼ しょうたろう)。
株式会社アドナインスの代表取締役でもあり、公式YouTubeチャンネルも持っています。
吹き替えも経験があり、ラジオ・クックパッドライブなど多くの仕事を抱える人物。並行してアーティスト活動も行っており、ソロだけでなく『buzz★Vibes』のボーカルとしても活躍中。
Twitterのフォロワー数も73万と驚異の数字です。
声優・森久保 祥太郎のプロフィール
誕生日: 2月25日
血液型: B型
出身地: 東京
趣味・特技: 料理 / DIY / ツーリング / 格闘技・高校野球観戦
主な出演歴
・『メジャー』茂野吾郎
・『NARUTO-ナルト-疾風伝』奈良シカマル
・『テニスの王子様』切原赤也
・『ONE PIECE』バルトロメオ
・『弱虫ペダル』巻島裕介
キサキの声では、比較的高いトーンの声質ながら底意地の悪さを醸し出しています。
表の顔と裏の顔を併せ持つキサキには演技力が求められますが、様々なキャラクターを経験した森久保は今後も期待以上の役割を果たしてくれるでしょう。
実写映画でキサキを演じるのは、今をときめく若手俳優・間宮 祥太朗(まみや しょうたろう)。
多くのドラマや映画に引っ張りだこの正統派二枚目です。
俳優・間宮 祥太朗のプロフィール
生年月日: 1993年6月11日
血液型: O型
出身: 神奈川県横浜市
趣味・特技: ギター、映画、音楽鑑賞、野球
身長: 179cm
主な出演歴
・『IP~サイバー捜査班』多和田昭平
・『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』中沢涼太
・『麒麟がくる』明智左馬助(秀満)
・『半分、青い。』森山涼次
・『お前はまだグンマを知らない』主演・神月紀
間宮は端正な顔のイケメンですが、表情に芯の強さを感じます。映画では、黒髪マイキーと2人で佇む場面やアッくんをいたぶる場面などオリジナルシーンがあり、ただ暗いだけではない艶やかさが印象的でした。
間宮はインタビューでこう語ります。
「これまで役者を12年ぐらいやってきたキャリアの中で、悪役をやらせていただく回数も多かったですし、経験値的にも積んできた役柄かなと。それにどちらかといえば顔も極悪顔に近いのかなって(笑)。だから不安とかはなかったですね。あと、セリフもあまりなかったですし、出演シーンも少なかったので、キサキのまとっている空気感や印象だけを残していけたらと考えていました」
正統派も演じられて悪役の深さも出せる俳優はなかなかおらず、芸能界でも貴重な人物ではないでしょうか。今回の映画では登場場面が少なかったので、是非続編製作の一報を期待したいものです。
行動の全容を大解剖! マイキーを操るためにエマを殺害?
キサキはタケミチの未来改変を阻む黒幕として、長い間大きな存在感を発揮しました。謎めいた行動の全容について詳しく解説します。
<8・3抗争まで>
最初に出てきたのは、タケミチが刑事の直人と初めて出会った2017年の現代。
凶悪組織・東京卍會の2トップとして佐野万次郎(マイキー)と共に登場します。タケミチの最初のミッションが「佐野万次郎と稀咲鉄太を出会わせないこと」でした。
過去にタイムリープしたタケミチは、ある日キサキと偶然河原ですれ違いました。
同じ頃キサキは長内に近づいて“愛美愛主”(メビウス)に入り、“死神”と名高い不良・半間と出会います。
頭は悪いものの友情に厚いパーちんの性格を利用して、パーちんの親友を袋叩きにしたり金を巻き上げたり目の前で彼女・親兄弟に危害を加えたりすることで、メビウスと東卍との抗争の火種を作りました。
更にパーちんを
「わかりますよ パーちん君 愛美愛主なんてぶっ潰して オレなら長内を生かしておけない」
と唆し、長内を刺して逮捕されるよう仕向けます。
場地によると、この頃キサキはマイキーに裏取引を持ちかけていたようです。
「“パーを出所させる代わりに参番隊隊長に任命してくれ“ 稀咲がマイキーにそう持ち掛けるのを 偶然見ちまった」
と、死の間際に明かしています。
“8・3抗争”の裏でも暗躍。
東卍のNo.2になるためドラケン殺害を目論み、ぺーやんに
「つらいっスね パーちん君見放したドラケン君を許しちまったら パーちん君に合わす顔ないっスよね」
と同情するフリをして“8・3抗争”を起こします。
喧嘩賭博の一件で落ちぶれたキヨマサにも近づきました。
「ドラケンの野郎 気に入らねぇよなぁ キヨマサぁ プライドをズタズタにされて オレなら刺し違えてでも殺してる」
こうして、ぺーやん達から襲撃を受けて弱ったドラケンをキヨマサが刺す手筈を整えました。
しかしタケミチの活躍によりドラケン殺害は失敗。キサキは次の作戦に出ます。
<“血のハロウィン”まで>
手下である半間を利用して“芭流覇羅”(バルハラ)というチームを結成。“首のない天使”と呼ばれるバルハラは、マイキーをトップに据えることを目的に作られました。
タケミチは現代でヒナを目の前で亡くして再度リベンジを誓い、東卍が巨悪化してしまう原因を知るため死刑囚・ドラケンを訪ねます。
「本当にもう一度人生をやり直せるなら 一つだけやんなきゃいけねぇ事がある 稀咲を殺す!」
「稀咲にとって人を殺すのは 虫を殺すぐらいの事だ」
「稀咲は マイキーの大事なモン全てを奪いたいんだよ」
と、ドラケンは語りました。
過去ではキサキがマイキーと取引し、ついに参番隊隊長に就任。
タケミチは千冬と共にキサキを探る中で、長内からヤバさを聞かされました。
「不思議な事に 稀咲の言う事を聞いてたら 全て上手くいった オレはたった一年で ただ喧嘩だけが取り柄のバカから 新宿を仕切る総長に のし上がったんだ」
「稀咲にとっては オレはただの踏み台だった」
「ただ喧嘩の強えー奴だったり ちょっと悪知恵働くぐれーの奴なら オレもやっちまうよ でも稀咲はもっと…なんて言うかヤベぇんだよ 自分の手ぇ汚さずに人を殺す計画立てるような奴だぞ? 手ェ出したら何されるか…とにかくオレはもう稀咲と関わりたくねーんだ」
タケミチは再度現代のドラケンに話を聞き、キサキの真意を知ります。それは
“血のハロウィン”で場地を殺した一虎をマイキーが殺し、キサキが身代わりを用意してマイキーを堕落させ、バルハラが東卍を乗っ取る
というものでした。
タケミチは未来を変えるため奮闘しましたが、結局キサキに唆された一虎が場地を刺し、一虎を守りたい場地は自決してしまいます。
しかし、タケミチが拾った場地のお守りがたまたま服から落ち、マイキー達は創設時の誓いを思い出します。結果、一虎殺害を止めることに成功。
<“聖夜決戦”まで>
ところがキサキは半間とマイキーを繋ぎ、負けたバルハラを東卍の傘下にします。
タケミチが未来に戻るとキサキが東卍内で幅を利かせており、千冬を銃で殺した後、タケミチをも殺そうとします。しかし何故か、キサキはタケミチの情けない最期に涙します。
間一髪で助けられたタケミチは、今回の未来で自分がヒナ殺害に関わった事実に絶望しますが、直人は
「稀咲は明らかに タケミチ君と姉さんに執着している!」
と確信を持つのでした。
東卍にいた柴 八戒(しば はっかい)が未来で黒龍(ブラックドラゴン)組と呼ばれていることを疑問に思ったタケミチは、八戒の兄(十代目黒龍総長・柴 大寿)殺害計画を阻止しようとします。
その際キサキがなぜかタケミチに協力を申し出、タケミチ・千冬・半間・キサキの4人で期間限定のチームを結成。結局キサキは土壇場で裏切り、
「面白ぇじゃん だって なんにもできねぇんだぜ?あいつら」
と笑うのでした。
更に八戒の姉である柚葉(ゆずは)に計画をバラし、大寿を刺殺させようとします。しかしタケミチ達が協力して阻止し、“聖夜決戦”を無事終えます。マイキーは上記の裏切りを知り、キサキを東卍からクビにしました。
<“関東事変”まで>
タケミチは未来で、キサキも殺されたと聞きますが、後に嘘と判明。
過去では“天竺”というチームにキサキと半間が入り、総長・黒川イザナに理由を尋ねられたキサキは
「オレなりのリベンジってとこですかね」
と答えます。
加えて、天竺メンバーに襲われたタケミチの元にキサキが現れ、こう話しかけました。
「よう ヒーロー “関東事変”を始めようか」
タケミチはこの頃から、自分だけでなくキサキもタイムリープしているのではないかと疑い始めます。
未来でタケミチは天竺の件を直人に話し、イザナについて調べていました。すると実は生きていたキサキがタケミチを撃ちますが、直人が庇います。直人が死ぬ前にタケミチは過去へ。
天竺との抗争当日、キサキがマイキーの妹・エマをバットで殴り殺しました。そのせいでマイキーとドラケンは戦意を失いますが、ヒナがタケミチのタイムリープと彼が1人でも戦う理由を明かしたことで、2人は遅れながらも抗争に参加。
タケミチ達の大奮闘とマイキーの活躍により天竺の敗北が決まった抗争終盤、半間がキサキを担いでバイクで逃走します。
遂にキサキはタケミチに追い詰められ、こう話しました。
「…ハハ やっぱりそうか… オマエ タイムリープしてんだな」
「橘はオレの彼女(オンナ)だ テメェなんかに 渡さねぇ‼ 渡すぐらいなら殺してやる‼ なんでだ⁉ こんなにも愛しているのに なぜ橘日向は振り向かない⁉ 原因はオマエだ‼ リスペクトしてたのに‼ 裏切りやがって‼ もっと早く殺すべきだった‼」
「終わらせねぇよ‼ 何度だってやり直してやるさ‼ 橘はいつかオレのモノになる いつか絶対にな‼」
2人の話を総合すると、
・キサキはタケミチと違ってタイムリープしていない
・キサキが未来でヒナ殺害を目論んだのは、ヒナに振られた腹いせだった
という事実が明らかに。
逃げようとしたキサキは会話の最中、交差点でトラックに轢かれて死んでしまったのです。
闇深き重要人物・キサキの名言一覧
名言と呼べるかは疑問ですが、キサキらしいセリフをここで取り上げます。
「これだ…オレが欲しかったのは…」
マイキーがバルハラとの決戦を前に、場地を倒すのではなく連れ戻したいと驚きの発言をします。その我儘にさえ喜んで付いていく東卍メンバー達の歓声を聞き、キサキが恍惚とした表情でこう言いました。この瞬間、キサキはマイキーの並外れたカリスマ性を確信したのでしょう。
「オレは自分を知っている 月は一人じゃ輝けない」
「主役になれねぇのはわかってる オレは道化(ピエロ)だ」
前者は長内に、後者は半間に言った言葉です。
この発言には少し疑問を覚えます。小学生の頃から神童と呼ばれた天才なので、主役になれる要素があると自負していても不思議ではないからです。
ヒーローを目指してはいるものの、タケミチを倒すまでは主役になれないと考えていたのでしょうか。
「これだけは人任せにできねぇ」
エマ殺害時、わざわざ自分の手を汚そうとするキサキに対し、疑問を口にした半間に放ったセリフです。
今までは他人に殺しをさせていましたが、この時だけは違いました。タケミチに何度も計画を邪魔されたキサキは苛立ちと必死さが募り、絶対にヘマができない状況に追い込まれていたのでしょうか。
「何をやっても満たされないオレの心は…最愛の者を失っていくマイキーを見て高揚した あぁ…こいつを“媒体”にしてオレはもうすぐ生まれ変わるってね」
ドラケンは「稀咲はマイキーに心酔してた」と言いましたが、少し違います。キサキは“無敵のマイキー”ですら、自分の駒としか考えていなかったのです。
相手が誰であれ自分の目的のために使う、歪んだ考え方が滲み出た言葉です。
ヒナとは小学校時代の友達? タケミチを「ヒーロー」と呼ぶ理由
実はキサキは小学校時代、ヒナと同じ塾に通う仲でした。今までの行動のワケを、以下のように回想しながらタケミチに話します。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
小学生の頃 神童と呼ばれていた 意識しないフリをしていたがオレは…橘日向が好きだった そして橘日向も神童のオレを好きに決まっている そう思っていた
なのに 突然現れたヒーローに橘の心は奪われた 花垣武道 その日からずっとオマエをつけまわした
「日本で一番の不良(ヒーロー)になる!」
なんだよソレ⁉ 日本一の…不良? なんだ不良? そんなモノがなんでヒーロー?
不良について調べた そして本物にも接触した どうやら頂点に近い人物らしい でも日本一はコイツじゃない たくさん調べた そしてある一人の男に辿り着く 東京卍會総長 佐野万次郎 オレの計画のコマが揃った
中2の夏 オレはある目的の道中 偶然オマエを見かけた
見ろ!花垣武道 オレは生まれ変わったぞ‼ 愛する女の為に…日本一の不良になる テメェのように漠然とした夢じゃねぇ 緻密に練り上げた計画を実行する その為に必要なモノを手に入れて
「佐野万次郎君…ですね? 稀咲鉄太と申します」
佐野万次郎は間違いなく日本のトップになれる器 オレが操る傀儡にふさわしい オレが日本一の不良になる為の 最高の“媒体”だ
10年かかる壮大な計画の中心 マイキーの信頼を得るのに1年 操るに至るまでは更に2年かかる見通し そして共に東京を制するまで3年 日本を牛耳るまでに4年 オレが日本一の不良と呼ばれるまで計10年‼
そしてオレは 晴れて橘日向と 添い遂げる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これまでの行動の全ては、ヒナを振り向かせるため・タケミチを出し抜くためでしかなかったのです。キサキの並々ならぬ執着心とエネルギーには、恐れすら感じます。
ただ、キサキはヒナだけでなくタケミチにもこだわっていたように思えます。
第5の世界線(9巻の未来)で、タケミチを殺す時にかけた言葉
「なんだオマエは?最期の顔がそれか?そんなモンなのか⁉ あ⁉……………残念だ じゃあな…オレの“ヒーロー”」
は、タケミチへの憧れや尊敬を示しています。ヒナだけでなくキサキにとってもあの日からヒーローだったタケミチが、情けないまま死ぬのは納得いかなかったのでしょう。
ヒナを手に入れるだけでなく「タケミチを倒して1番になること」こそが目的だったのだと思います。キサキはダークヒーローとして君臨するため、ありとあらゆる手段を使って目標達成に全精力を注いだのでした。
他人を裏で操る頭の良さと、人間として欠けた感情
キサキは賢く頭がキレる、優秀な人物です。負の感情にも敏くて「コイツのこの部分を押したらこう動くだろう」と把握・理解し、他人を意のままに操りました。
実際にパーちん・ペーやん・キヨマサ・一虎・柚葉の悲しみや怒りを殺意にまで押し上げ、エマを殺すことでマイキーとドラケンの戦意を喪失させました。
しかしながら、人間の根本的な部分を理解していなかったのではないでしょうか。それは
「好き嫌いは理屈ではない」「好きになるのに理由はいらない」
ということです。
だからこそ、ヒナを振り向かせることに失敗し続けました。タケミチに勝ってもフラれ続け、結果的に何度もヒナを殺したのです。
“関東事変”でイザナがカクチョーを庇った時、予想もつかない事態にキサキは驚愕しました。イザナの高慢な態度の奥に隠された、カクチョーへの友愛感情が見えていなかったのでしょう。
「この世の全ては競争だ」「人の好意ですら、勝てば得られる」と信じていたのかもしれません。
ネガティブな感情には人一倍詳しいキサキでしたが、ポジティブな感情は想像がつかなかったとしたら、切ないものがあります。
そもそもキサキがヒナに惹かれた理由は何だったのでしょうか。
回想では、ヒナが皆に分け隔てなく接し、キサキにも優しい言葉をかけていた様子が描かれました。他の人間に疎まれていたからこそ、ヒナが輝いて見えたのかもしれません。
親・先生・他のクラスメイト・友人知人など、周りの人間と上手く関わることができなかった可能性もあります。
「橘はオレの彼女(オンナ)だ テメェなんかに 渡さねぇ‼」
「橘はいつかオレのモノになる」
というセリフからも、人の感情を無視してモノのように扱う態度が見て取れます。
もしかすると、自分もそのように扱われて育ったのでしょうか。稀に見る利口さしか注目されず、それ以外の特性を無視されて育ったのかもしれません。
いじめっ子は愛情を受けずに育った場合が多いと言われますが、無条件の愛を受けないとなかなか他人に優しくなれないものです。幼い頃に感情を無視されて育つと、自分の感情も他人の感情も無視できるようになってしまいます。
キサキという極悪な人物でも、生まれながらの悪人である可能性は低いと思われます。生まれながらの気質は確かにありますが、人間それだけでは決まらず、環境も大きく関与するからです。
キサキはどんな家庭に育ち、どんな幼少期を過ごしたのでしょうか。ポジティブな感情を持てなくなってしまう出来事が何かあったのでしょうか。明かされることがあるかは不明ですが、いつかキサキの過去編を見てみたいものです。
キサキには心から信頼し合える存在がいません。長内も半間もマイキーもイザナも、目的のための駒でしかありませんでした。
他人の感情を完全に無視できるからこそ殺人さえも怖くなく、一切躊躇しなかったのです。
自身の感情すら押し込めて無視していた為分からなかったのでしょうが、キサキの心の奥底には寂しさや暗さが大量に溜まっていたと推測されます。
視野を狭くしていなければ「ヒナを手に入れたい」以外の選択肢も選べたはずです。
例えば半間は、キサキの内面に興味を持っていました。半間がもし自分の素直な感情を話していたら…
他にも、キサキが内面を吐露できる相手がいたとしたら…
もうありえない話ですが、そう願ってしまいます。
タケミチは河原で千冬にこう話すうち、感極まって泣き出しました。
「稀咲って どんな奴だったんだろう?」
「何度震える夜を過ごしたんだろう?」
「アイツ言ったんだ 全部ヒナの為だって オレの事リスペクトしてるって」
「オレ もっとアイツと向き合いたかった」
ヒナも、タケミチに泣いて打ち明けます。
「あの日からちゃんと寝れないんだ 稀咲君が目の前で死んだあの日から 怖くて 稀咲君の事もエマちゃんの事も 全部ヒナのせいなんじゃないかって」
キサキの卑劣さを知りながらも死のリアルな重みを感じ、1人の人間としてキサキの命を尊重していたのです。これが、2人とキサキとの決定的な違いでした。
東京リベンジャーズは勧善懲悪のストーリーではなく、「悪人が死んでハッピー」とはなりません。それがこの漫画の良さであり、話の根底に人への優しさがあると感じます。
原作漫画21巻で死亡? 最期の言葉は? 今後の出番を予想
21巻でキサキはトラックに轢かれて死んでしまいましたが、最期に残した言葉はこちら。
「オマエ まだオレがタイムリーパーだと思ってんのか? オレは」
一体、何を言いかけたのでしょうか?以下に候補を挙げてみます。
・オレは タイムリープなんてしてねぇ
・オレは タイムリーパーじゃねぇ
・オレは そんな事 考えたこともねぇよ
・オレは そんな反則技 やったことねぇ
・オレは 橘日向を手に入れるため ひたすら前を向いて行動してきただけだ
・オレは タイムリーパーを1人知ってる それだけだ
・オレは 超常現象を目撃した あれがあり得るならタイムリープも可能だと思った
言いかけたこのセリフ、果たして意味のある伏線なのでしょうか?伏線であれば今後他のタイムリーパーや能力者が出てきそうな気がしますし、そうでなければ単に「死の突然さ」を表した描写に過ぎないかもしれません。
未来ではなく過去で死んだので、今までの流れを考えるとキサキはもう登場しないでしょう。マイキーの「黒い衝動」がある以上、黒幕としてのキサキの出番は終わったのではないでしょうか。
タケミチは何度もタイムリープして未来改変に挑戦できましたが、キサキには1度きりしかチャンスが与えられませんでした。
怖かった夜もあっただろう、少しでも話し合えなかったか…そう考えたタケミチの気持ちも分かります。死んでしまったらもう何も話し合うことはできないし、一巻の終わりだからです。
話し合いをしていたら、少しでも何か変わったのでしょうか。色々考えさせられて切ない展開でした。
半間はキサキの墓参りで「“死神と道化”について」語りましたが、その内容が気になります。
タケミチの新たなタイムリープ先である2008年6月に登場したので、今後また半間が登場するかもしれません。半間目線ではあるものの、過去のキサキの言動が描かれる可能性もありますね。今後の展開が楽しみです。
キサキは死亡したものの、『東京リベンジャーズ』を理解するのに欠かせない重要人物です。アニメや映画でも暗躍する黒幕・キサキを、是非チェックしておきましょう!
ライター:カルコレ編集部 sugamari
(引用元・参考資料)
・原作漫画『東京卍リベンジャーズ』1~23巻
・『東京卍リベンジャーズ キャラクターブック 天上天下』
・TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式サイト
・映画『東京リベンジャーズ』公式サイト - Warner Bros
・森久保祥太郎 プロフィールProfile:https://add9th.co.jp/profile/
・森久保祥太郎 (@MorikuBorn) | Twitter
・間宮 祥太朗 - Tristone Entertainment Inc.
・間宮祥太朗 - 原作マンガ『東京卍リベンジャーズ』 - LINE ...
※登場した氏名は都合上、敬称を省略させていただきました。
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