創業1.5年で機械学習を含む最先端技術を社会実装できたワケ - 燈株式会社のアルゴリズムエンジニアリング | 燈株式会社
CTOの三澤です燈株式会社の共同創業者であり,CTOの三澤颯大と申します。東京大学工学部計数工学科を卒業した後,同大学大学院情報理工学系研究科にも在籍しています。燈では技術的な方向性の策定・開発...
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こんにちは、読んでいただきありがとうございます。燈株式会社DXソリューション事業部でアルゴリズムエンジニアをしている大迎勇人(おおむかいゆうと)と申します。現在は時短正社員として、研究と燈のエンジニアどちらもやっています。(4月からはフルタイム正社員となります)
既に他の記事を読まれた方は気づいておられるかもしれませんが、燈では東京大学を中心とした数学や物理のバックグラウンドを持つ人間が多く、それが燈の強みの一つになっていることは間違いありません。その一方で、私は東京大学出身でもなければ数学や物理のバックグラウンドでもありません。そんな私が燈に入社するまでの経緯や分野問わず様々な人間が活躍する社内の様子を自分の目線で書きたいと思います。
私は広島大学で建築を学び、学部のときには主に地震応答解析を行う研究室に在籍していました。そのまま大学院へ進学後、構造設計のインターンに行き、実際に設計業務の一片を体験する中で意匠、構造、設備の設計や施工に関わる方など多くの人間が創意工夫してよりよいものを作る場面を見て面白さを感じていました。
一方で、就活をする中で分かったこととして、業界全体として人が少なくなっており、将来的に業務の効率化が必要というものがありました。少しずつ取り組みは始まっているものの現場としてはまだまだこれからという話を聞いて、なんとなくこのままでいいのかという疑問が膨らんでいました。既に建築業界で働いていた友人からは仕事を奪ってくれ笑と冗談混じりに話され、さてどう反応しようかとなったこともあります。
自分の将来を考える上で業界の動向を特に気にしていたことや疑問に対して無理やり納得するのもどうかと考えることがあったため、思い切って休学して好奇心のままに勉強する時間があっても良いという結論になります。
まずは研究をする中で以前から少しだけ触っていたpythonを真面目に勉強することにしました。(自動化といえば、という安易な考え…)とはいえ目的がないままに勉強するのは難しいと思っていたところ、運良く競技プログラミングに出会いました。もともと頭を使う問題を考えることが好きだったため、アルゴリズム力や発想力などが必要な競技プログラミングにハマり、解けそうで解けない問題があったときの悔しさが楽しくて仕方がなかったことを覚えています。
そんなときに情報系に進んでいた高校同期から機械学習の話を聞き、おすすめされたCourseraのMachine Learning[1]を受けたところ、またまたハマったので立て続けにデータサイエンスに関する授業も受け、書籍を読んだり実装してみたりします。
復学する頃、偶然にも東京大学松尾研究室が学生向けにデータサイエンスの講義を開いていることを知り、迷いなく受けることにしました。初歩的な部分から最新の研究動向、実際の事業にどう絡めて社会実装していくのかなど幅広く学んだのですが、実はこの時CTO三澤が講師の回があり、燈の存在もこのとき初めて知りました。その後、運良く松尾研究所でプロジェクトメンバーとしてデータ分析業務に関わることになります。
ある時、コロナの影響もありリモートで松尾研究所の全体会がありました。大勢の方とわいわい話した後の2次会で私を含めて学生5人程が集まりポーカーをしたのですが、その場にもCTO三澤がいました。あれ、この人は…と思いつつもその場は何もなくお開きになりました。
就活で感じていた疑問に対して、そろそろ回答を出したいと考えていたとき、燈が建設業界で活躍していることを知りました。自分のバックグラウンドが活きるかもしれないという期待から話を聞いてみようと考えていると、同時期に燈へジョインする方がいる旨のツイートを見かけました。直接の面識はなかったものの松尾研OBですごい人がいるよという話を聞いていたのでとりあえずいいねを押しました。すると数日後、いいねをきっかけにCTO三澤と話す機会ができ、あっという間に燈で働くことになりました。
外にいるだけで汗が出るような時期にとある現場へ見学に行く機会があり、この時初めて一対一でCEO野呂と話すことになります。新幹線の隣の席で話を聞くと圧倒的なスタートアップに関する知識量と気づきのある質問が出てくる速度など驚くことばかりでした。同時に本気で挑戦している熱意が分かり、自分もアルゴリズムで業界の課題を解決するために貢献したい気持ちが高まったことを覚えています。
私はこのタイトルを気に入っています。これはエンジニアの小澤が考えたものですが、私が思う燈の強みであり、燈を象徴するタイトルの一つだと思っています。
既にCEO野呂やエンジニアの小澤の記事でも話題になっていますが、オフィスで鉄筋を組んでいます。私の認識ではここはAIスタートアップですが、オフィスで鉄筋を組んでいます。「燈だから」オフィスで鉄筋を組んでいると言えるかもしれません。
ある時配筋するから図面書いてほしいという話になったのですが、私はてっきりBIMでモデリングする話なのだろうと思っていました。よくよく聞いてみると、現場を見た帰りに配筋するぞという話だったようで、実際に鉄筋とベンダーを即購入したということでした。そのときは設計基準等を調べながら、この会社は最高だ、とニヤついてしまいました。
燈の企業理念の中に「泥臭く挑戦する」というものがあります。アルゴリズム開発を進める中で、どうすれば現場で使えるモノが作れるか考える、自分の専門でない分野にも泥臭く果敢に挑戦する、そのために実際に鉄筋とベンダーを購入して現場の感覚を知る、といった燈の良さが発揮された部分だと考えています。
私は現在、建築のバックグラウンドを活かすために燈の図面に関するチームで開発を行っています。一方で、バックグラウンドが関係ない部分もあり、周囲には機械や経済など自分の知らない分野の知識を持った仲間、既に社会で活躍していた強力な仲間など様々なバックグラウンドを持った人間が集まっています。
アルゴリズムやソフトウェア開発の知識を使いつつ、わからない部分を日々キャッチアップしたり、難しい部分を理解するために泥臭く手を動かして検証したり、おかげで専攻ではないけど建築に詳しかったり、どう見てもプロ級のBIMが作れたりするなどそれぞれが得意な能力を発揮しています。私の所属するチームだけでなく燈全体でも同様に色彩豊かです。
建設業界の友人の話で印象に残っているものがあります。新しい技術が出てくるのはすごく良いこと、だけど現場でいざ使うとなったとき、使うための作業が発生することがありかえって面倒な部分が出ることもある、という話です。建設業界では一点物を作る場面が多いため、共通部分を抜き出すのが難しい点もあります。特定の状態を再現するために余分な工程が出てしまうと良いモノを作ったとは言えません。実際に使える「本物」を作るため、燈では日々挑戦する機会があります。
ここまで読んで、何か感じたことがあるでしょうか?
面白そうなことをやっていそうだね、話だけでも聞こうかなと思っていただけると幸いです。
[1] https://jp.coursera.org/specializations/machine-learning-introduction