( Vol.1 続き )在宅ワーク向けのD2C「WAAK°(ワアク)」代表の酒見史裕にブランドや自身について、インタビューをしました。(文責:WAAK°広報 江原)
Q1. WAAK°のこだわりとは?
前の記事でも述べたようにワアク創業背景として、デザインと機能性に優れていてハイクオリティな、「家具のApple」のようなブランドを作りたいと思い、立ち上げました。
さまざまあるこだわりとしては下記3点が挙げられます。
1. ユーザーペインドリブン
まずひとつが「ユーザーペインドリブン」であること。
特に海外の家具に多いのですが、デザイン至上主義な考え方で作られているものは、実用性に乏しかったり、今の暮らし方や働き方にフィットしていない家具がほとんどです。逆に過剰にマーケットインだと、使う歓びを感じられないデザインになってしまう。
リサーチやユーザーインタビューを通して「顧客理解」を徹底し、その課題をデザインで解決していく。その開発フローを大切にしています。
2. ジャストスペック・ハイクオリティ
また「ジャストスペック・ハイクオリティ」であることも大切にしています。
クオリティを追求しすぎると、オーバースペックになり、価格転嫁によるエンドユーザーへの負担増か、利益圧迫で売り手や作り手への負担増となってしまいます。
ディテールにはこだわりながら、美意識あるコストダウンを徹底して、関わる人たちが等しく利益を享受できてハイクオリティな家具を作る。そこは下請けの家具製造業で苦しんできた経験からくる、譲れない理念です。
3. サスティナブルデザイン
家具の市場規模が広がっていかない根本の原因は、セカンダリマーケット(二次流通の市場)がないことです。
家は一生にほぼ1回の買い物ですが、一度で数千万円使う。自動車だって、7年周期で買い替えるとすると、1人あたり生涯で2,000万円使うことになる。なのに家具は家と同じく1回~数回しか買わないほど購入機会が少ないものなのに、家具予算は200~300万円という人が多い。
LTV(ライフタイムバリュー)が少ないので、市場規模が広がらないんです。市場規模が広がらないと、成長機会に乏しく、業界に優秀な人材も入ってきません。
WAAK°では将来的な買い取りや認定中古家具のスキームを作るために、初期段階から家具の素材や構造をサスティナブルなものにしています。
長期で使い継げる、再生可能な高品質な家具じゃないと、キズだらけになり二次流通が不可能になります。二次流通ができれば、新品じゃ買えない人にもWAAK°が整備したキレイな認定中古家具を買ってもらえる。そうすると、僕たちが本当に良いと自信を持って作っている家具を、より多くの方に使っていただけるようになります。買ってくれた人も、リセールバリューがあれば資産価値を考えられるので、高いものの購入ハードルも低くなる。
WAAK°の家具は高い、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、価格には意味があるのです。
将来的にはスマホやパソコンから簡単に買い取り依頼できて、納品時に引き取りしてくれるサービスを実装しようと考えています。
Q2. WAAK°の現在のフェーズはどこにあるか。
ワアクは今、初期のお客様が付いてきつつ、マーケティングの勝ち筋をもっと確実なものにしていきたいというフェーズです。資金調達ラウンドでいうと、プレシリーズAの途中まで来ていて、シリーズAに向けて明確なトラクション(実績)を積み重ねる時期です。
そのためにはどれだけ仮説検証を回せるかが重要なため、まず動いてみる・しっかり検証して再度回してみる、ということを日々繰り返しています。まだ10名足らずのチームなので、やる気に行動が伴う人であれば、裁量もあり自分の仕事が業績に直結する、というフェーズにあります。
また家具は国内だけで1兆円産業ですが、これは一次流通だけ、加えてニトリさんがあの低価格路線で業界シェア25%を持っている中での市場規模です。
我々が高価格帯のプレミアムブランドを作り、二次流通マーケットまで実現した先には、2兆円にも3兆円にも市場は拡大できると思っています。
Before WAAK°とAfter WAAK°では家具の概念が変わる、そんなビジネスをやっています。
その創業期にジョインできるのは、あなたの人生に必ず他にはない経験をもたらせるので、ぜひ一緒に頑張りましょう!
Q3. WAAKが目指している世界観(ミッション・バリューなど)
「革新的な家具を創造し、豊かさがめぐる経済をつくる」をミッションに掲げています。
家具は売り手都合、作り手都合なプロダクトばかりで、顧客理解と世界観を両立できている本当に人の感性を揺さぶる家具はほとんどありません。だけどユーザーの買う機会自体が少ないため、その限られた選択肢で選ぶことが当たり前になってしまっています。
結果、良い家具で人生を豊かにするというカルチャーができず、業界全体が衰退しつつありますが、旧態依然とした業界だからこそ、革命を起こせるチャンスしかありません。
既存のビジネスモデルを捨て、サプライチェーンをDXしてムダを省くことで、もっと良いプロダクトやサービスを届けることができます。そうすることで、誰かの人生を豊かにする家具を届け、私たちも豊かになれる。そんな理想の世界が実現できると思っています。
Q4. 今後のWAAK°や酒見さん個人の目標・展望を教えてください。
経営者としての成長は、個人的にいつも目標にしています。
これから会社が大きくなるつれて、経験したことのないような規模のチームをマネジメントすることになると思います。
カスタマーファーストで新しい家具のサプライチェーンを作る初志は貫きながら、プロとして厳しさもありつつ家具のビジネスを楽しめるチームづくりができる経営者像が目標です。