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札幌からサービス業をITで骨太にするお手伝いを

創業のきっかけを教えてください

大学卒業後、北海道の経済誌で記者の仕事をしていた関係で、多くの経営者と交流する機会があったんです。仕事の傍らで開催していた異業種交流会には、ベンチャー企業が50社くらい集まっていました。

気づけばみんなどんどん上場していったのですが、北海道のサービス業は大きくなると本州に進出して展開していく傾向にあるなか「本社は札幌にあるのに、どうやって経営を管理するの?」という話になったんですね。

当時のスタンダードである経営管理方法は、とてもアナログで高額。2000年といえばまだIT化も進んでいない時代でしたが、創業当初のCTOと出会い「これからはITの時代、ASPですよ」とアドバイスを受けたことから「じゃあITの会社を作ろうか」という流れになりました。つまり、異業種交流会で出てきた課題を解決しようと思って、会社を作ったというわけです。

イー・カムトゥルーの主力商品である日次決算システム『Win-Board』はどのようにして誕生したのでしょうか。

弊社は、北海道を拠点とした外食チェーンのホールディングカンパニーの持分法適用会社としてスタートしています。そういった経緯で、まずはその会社の業務改善を行いました。

その会社は当時から日次決算を行っていたのですが、それが全部人力。前日までのデータを朝に集めてエクセルで計算する、という方法を取っていました。しかも、計算済みのデータは午後の早い時間に共有されるんです。人力だとどうしてもミスもあるうえに莫大なコストもかかる。そんな日次決算なんて活用に限界があるんです。

ただ日次決算自体は非常に大切なんですよね。これを例えば月次で締めたら、その集計結果が出てくるのは翌月の中頃。その時点で問題点がわかっても、対処のしようがありません。

飲食店は、目の前のお客さんに対してアプローチをすることで結構数字が上がるんです。「もう1杯いかがですか?」と言うだけで、確実に変わる。意外とそういう反応によって数字が動く商売なのですが、それを月次でしか確認できないと、過去のことを反省して終わりじゃないですか。だから日次の利益管理にはすごく意味があるんです。それを人力ではなく、ITを活用してやろうということで開発したのが『Win-Board』です。

これまで運用してきた『Win-Board』から、飲食店に特化した日次決算SaaS『れすだく』へフォーカスを絞った経緯を教えてください。

弊社のクライアントに大手外食チェーン店さまがいらっしゃって、現在も専用システムが運用されています。しかしそのシステムも時間が経ち、メンテナンスも大変になってきた。そこでクライアントのほうから「新しいシステムは作れないか?」という相談を受けたんです。

「専用システムをスクラッチで開発するより、飲食店全体の課題を解決できるようなシステムにできたらいいよね」という発想から生まれたのが『れすだく』です。

現在、社員は何名でしょうか?

正社員は28名ですね。そのほかに業務委託や開発パートナーがいます。

一緒に働くうえで大切にしてることなどはありますか?

創業の経緯からもわかるように、チャレンジする人を応援したい。できれば弊社からいろいろと吸収して独立したい、という人と仕事がしたいですね。

雇用形態は問いません。部分的にプロジェクト単位でジョインしてもらってもいいし、「ひとつの目的のために集まって、それを達成したら別の道に進む」という人がいてもいいと常々思っています。自分で起業しようと思う人は観察力が高いですし、意識も全然違う。将来的にチャレンジする人にどんどん投資していきたいです。

そのような想いのなか、今年で20周年を迎えました。創業当時とは世の中の状況も変わってきていると思うのですが、それも踏まえた上でイー・カムトゥルーの社会に対する存在意義についてどのようにお考えですか?

僕は技術のことはあまりわからないけれど、経営者が何に困っているかはわかる。だから課題解決型でビジネスをしています。どんなお手伝いをすればどんな方面に伸びていただけるかは変わってきていると思いますが「経営者が何に困っているのかを見極めて解決する」というやり方は、創業当時と同じ。「サービス業を骨太にするお手伝いをする」という想いは、最初から変わらないんです。

サービス業って、経営体質が脆弱なところが多いんです。それを、ITを使って骨太の事業体にして、成長してもらえるようにお手伝いをする。そういうことに敏感なメンバーが集まって「今はこういう方面にいくべきじゃないでしょうか」「管理の仕方も、最近はこんな方法があります」と、クライアントをリードできるような会社であり続けたいですね。

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