Fencing Gold medal Challenge (2019/12/14 13:30〜)
世界初のスポーツデータを扱うデータサイエンティスト集まれ!! 来年はいよいよ東京オリンピックが開催されます。 ...
https://lightz.connpass.com/event/152154/
※内容は、2019年11月時点のものです。
株式会社LIGHTzは、製造業における技術・技能継承のコンサルティングの経験を元に「先駆者(ベテラン)の思考回路」をAI化する技術を確立してきた企業です。このAI技術は、「専門知を汎知化(はんちか)する」というコンセプトに沿って開発されています。現在、その適用範囲は製造業のみならず、農業、スポーツ等の複数分野に拡がっています。
2017年度よりデータの力でフェンシング日本代表チームを支えてきたLIGHTzと日本フェンシング協会強化本部と共催されたスポーツデータアナリティクスのワークショップ「Fencing Gold Medal Challenge」。今回のイベントではスポーツアナリティクスの実践をします。当日はフェンシング選手を招聘し、カメラでの撮影、データ解析を一気通貫でワークショップで体験していただきました。
満員御礼で迎えた当日。開場前からすごい熱気!!データサイエンティスト、エンジニア、企画職、メディアの方々など多岐にわたる方がご来場され、開式前から自己紹介やFencing Gold Medalに対する期待で盛り上がっていました!
「フェンシングを見たことある方いらっしゃいますか?」
という問いかけから始まった、LIGHTzでのフェンシングデータ解析の説明。最近の試合では、日本は団体で4位、一度優勝もしているフェンシング。太田雄貴選手の金メダルもあり、ますます注目が集まる競技です。
情報過多に気をつけつつも、得意技が生かせているのか、それが生かせているのかを分析しています。詳しいこと取り組みについては弊社太田がこちらの記事で説明していますのでぜひご覧ください。
「もっと選手とのコミュニケーションに時間を割きたい」
現状は手入力でデータ分析を行なっています。これをより効率化し選手とコミュニケーションをとることでより競技成績向上につなげていきたい。測定から1週間以内にフィードバックをしていきたいが、現在は難しい状況にあります。100試合ほどあるなかリアルタイムでの分析は追いついていない状況にあります。
また、フェンシングのデータサイエンティストは現在は弊社の太田のみです。効率化に合わせ、より力強く選手をサポートできるデータアナリティクスチームの組成が急務です。
「腕が遅くなっている気がする」という感覚に対するフィードバック
腕が遅くなっているかもしれない、という感覚一つをとってもそれは本当に正しいのか定量的な裏付けがまずは必要です。もしかすると、本当は遅くなっておらず他に原因があり、それが結果として選手の「腕の動きが遅くなった」という感覚に現れているのかもしれない。
そのために動きの数値化で裏付けをして選手やコーチが納得できるように出したいと思っています。実際にどのくらい速いのかを知ってもらい、どのように攻撃するのか確認してもらう。
現在の課題を参加者の皆様に知ってもらったところで、では解析をどのようにするのか、そもそもフェンシングの動きはどれだけスピードがあるのかを確かめていただくために模擬試合を行いました。
オフィスに用意された模擬試合場でフェンシングの模擬試合が開催されました!今回登場してくれた選手は古俣 聖選手(中央大学4年)、田尻 航大(たじり こうだい)選手(中央大学2年)の2名。
金属音が気持ちよく、会場全体に響き渡ります。点が入ると「ピー―――ッ!!」という音とともに一時試合が中断されます。
「エペは全身が有効面(得点が入る面)です。そのため、とても持久力が必要です。」
中断が入るたびに、弊社太田から説明が入ります。
試合終了後は相手の選手、審判、観客には挨拶をするのが基本だそうです。
響き渡る音に会場も大興奮でした!!
デモを見た方からは
「短い距離で一瞬の隙をつくため、感覚だけでは難しい競技だと見て改めて思った。」
「スピードがあって素晴らしかった。」
と大興奮の感想をいただきました。
試合の後はLIGHTzのデータ解析技術と測定方法について弊社野末から説明があります。実はデモの裏でデータを取得し1分51秒の試合を5分~10分かけてデータを読み込み、3次元で構成するという処理をしています。
ノイズが入った状態で出てくるため、さらに処理が必要です。
<ノイズのゴミをとる写真>
このように座標軸が合うように再構成していきます。データを使いながら解析していきます。ワークショップでは、主に下記の2つについて議論していただきます。
参加者:技術的には普通の画像から3次元的な姿勢情報が取れるが、わざわざキネクトで表面を撮るのには理由がありますか?
野末:1動画から骨格成形する技術はできてきているが、フェンシングの速い速度に対応できていません。複数のピストがある中で行うので深度情報を使っていきたいです。骨格を基にしているため統計的に推定しているものが多い。
浅野:点群を撮ることにより、確率ではないリアルなものが取れるのが大きなメリットであると考えています。
前提知識として弊社浅野から「筋シナジーとの関係性」の情報を共有しました。
今回は議題は2つのうちどちらかを考えていただく形式としました。
動画撮影後試合符に手作業で書き起こしているが、そこにどのようなアプローチをすれば解消できるか
キネクトを用いた動画の解析のカメラシステムの問題をブラッシュアップするにはどのようなソリューションがあるか
時に選手を交えた議論も行われ、予定時間をオーバーしながらも白熱した議論が繰り返されていました!熱気冷めやらぬまま、報告会へここではほんの一部を紹介します。
「アノテーション支援ツールの開発(剣先に特化したツール等)」
「使っているデータを勝利に関係する最も重要なデータに絞って選択する」
様々な角度から多くの仮説が出されました。最後に弊社代表乙部からそれぞれのアイデアについてコメントがあり、非常に盛り上がった議論と発表会になりました。
自由参加にも関わらず、9割の方がそのまま懇親会に残ってくださいました。スポーツの業界の話、スポーツのデータ解析の話、ワークショップで話きらなかった部分をみんなで議論し尽くします。本来は懇親会まで残る予定ではなかった選手の皆様も急遽予定を変更し参加してくださいました!
盛りだくさんだったにも関わらず、5時間はあっという間に過ぎ、懇親会でもアナリティクスに関する濃ゆ~~い話で会場はすごい熱気に!!
参加者の皆様、選手の皆様、観覧者、メディアの皆様本当に、ご参加いただきありがとうございました!未だかつてない刺激的な1日でした。
企画段階から「日本フェンシングチームに金メダルを!」を胸に掲げ、準備をし、このような大盛況で開催できたのも皆様のおかげです。