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世界の最前線に立つ「ラーメン凪」は、いま何を感じ、何を求めているのか?

わずか4坪8席、新宿の薄暗い路地裏に週1日だけ開店する1軒のラーメン屋があった。
彼らは程なくして、ラーメン業界における最高権威「TRY認定ラーメン大賞2012-2013」にて総合部門大賞を受賞した。
その正体は、ラーメン凪だ。
だが彼らは、最上級の評価を獲得しても歩みを止めなかった。
翌年には香港、そしてアメリカや中国等にも店舗をオープンし、世界の最前線で戦っている。
人気番組「ガイアの夜明け」でも、その挑戦やこだわりが紹介されたほどだ。
日本のソウルフードとも言えるラーメンは、いま世界の食の最前線にいる。そこで戦う彼らは、いま何を感じ、何を求めているのだろうか?

ラーメンとの出会いが偶然だからこそ生まれた凪のビジョン

“風のないところに風を起こす”。
これは、株式会社 凪スピリッツが掲げているビジョンだ。
ラーメンといえば、職人気質で伝統的な味を守り抜いていく。
ぼんやりとそのようなイメージがあったが、生田からそのような気概は感じられなかった。
そもそも、凪スピリッツ代表の生田の夢はラーメン屋でなく警察官だったそうだ。
しかし、17歳で父を無くし、生活のために働き始めたのが大手ラーメンチェーン店だった。
やがて任される仕事や自由度も段々と増していくと、店舗運営や店内の工夫なども実施するように。程なくして店長になった生田は、業績の悪かった店舗を任されることになった。
しかし、そこで待っていたのは地獄だった。
意気揚々と改革や改善を繰り返した結果、退職者が続出し、一時は店舗運営が立ち行かなくなるほどになってしまった。正論を押し付けても、正しい結果には繋がらない。傷だらけになりながら、生田はお店づくりを学んでいった。

わずか4坪8席、新宿の薄暗い路地裏に構えた一号店

いまから約15年前、生田は意を決して独立し、ラーメン凪の第一号店を新宿の路地裏にオープンした。
今では国内外に35店舗以上、従業員数も250人を超える人気ラーメン屋の始まりは、恐ろしい程スモールスタートだった。そして、そこで行われたのは、常識では考えられないような取り組みだった。

365日日替わりの創作麺。
毎日異なるスープや麺の種類を試し続けたラーメンを毎日提供し続けたのだ。豚骨や煮干しに加え、イノシシや鹿などの素材でもラーメンを作り続け、お客さんの反応を確かめ続けた。
納得の味にならずにオープンを控えた日もあった。対面では美味しいと言われても、ブログやSNSでは美味しくなかった。と書かれることもあった。しかし、生田は作ることを決して止めなかった。

ラーメンの味を決めた徹底的なデータ収集

365日日替わりでラーメンを作り続けた結果、渾身の1杯が生まれた。
数百種類の手札の中から1杯の味を決める時、重要視したのは自らの感覚と膨大なデータだった。
生田は、当時流行していたmixiでラーメン凪のコミュニティーも作っていた。そこには味に関する膨大な数の率直な意見が集まっていたのだ。1件1件その意見に目を向け、自身の感覚と摺り合せていった。
並々ならぬ試行錯誤の結果生まれたのが、のちにラーメンの最高権威「TRY認定ラーメン大賞2012-2013」にて総合部門大賞を受賞することになる、すごい煮干しラーメンだ。
ラーメンに偶然出会った生田だからこそ作り上げることができたラーメンだったのかもしれない。
“風のないところに風を起こす”。彼らが掲げるビジョンの真意を少しだけ垣間見ることができた。

ラーメン凪の止まらない探求

日本において最高の評価を得たにもかかわらず、凪の進化は止まらなかった。
中でも驚いたのが、徹底的な探究心とフードテック(foodtech)の活用だ。
インタビューの休憩中、生田は携帯の画面を見せてくれた。それは、凪のファンと繋がっているLINE@だった。
表向きにはAIが返信している名目だが、実際には、社長の生田自身が約3000人のお客さんと毎日直接やり取りを行っていることだった。
「味の感想や要望、各店舗の印象などをお客さんに教えてもらっている。」
だからこそお客さんの求めるサービスやメニューや市場の変化を、いち早く察知できるそうだ。

そして、もう1つがフードテック(foodtech)の活用だ。
フードテックとは、飲食分野とテクノロジーをかけ合わせた技術を指す。
ラーメン凪では、いち早く感性アナライザーを活用し、ラーメンを食べたときの脳波の動きを測定している。見た目・一口目をすすった瞬間・辛味を混ぜた瞬間等、脳波の動きの変化から日夜、味の改良を行っている。
しかしなぜ、確固たる1杯を作り上げたにも関わらず、こんなにも変化を好むのだろうか?そこには、世界の最前線にラーメンで挑み続けている凪ならではのこだわりがあった。

世界の最前線に立つラーメン凪は、いま何を感じ、何を求めているのか?

前述の通りラーメン凪は、海外での出店にいち早く着手し、アメリカで2店舗、中国や香港でも複数の店舗を構えている。世界の生前線で戦う凪が感じているのは、飲食とインターネットの技術をかけ合わせたフードテック(Foodtech)の必要性だ。
例えばシリコンバレーの店舗の周辺では、健康食の重要性がブームになっている。健康的な食事を美味しく摂取したい。そんな需要が存在するある。しかし、ベジヌードル等の食品は品質も上がっている一方で、まだまだ美味しくないのも実情だ。
しかし、凪では日本の伝統的な食材や調理技術で、健康的だけど美味しいラーメンの制作に挑戦した。
白味噌を効かせたラーメンをアメリカの店舗で提供すると、それがヒットした。

ラーメン業界が、世界で戦う上で必要な事とは?

最後に、世界の最前線で戦う生田に、いまなにが必要か?と聞いた。
すると、出てきたのはデザインやテクノロジーという言葉だった。
日本人は味覚や調理技術、食材の知識が世界的に優れている。国内でラーメンを作り続けてきたので、そこには自信を持っている。しかし、その魅力やこだわりを世界の流行に合わせて伝えていければ勝算がある。けれど、僕たちには、その力が無い。
日本の飲食文化を拡げていくために、世界の最前線一緒に戦ってくれる方が欲しい。僕たちの築き上げてきた飲食のノウハウを最大化出来るような、デザインやインターネット技術などに優れた方と一緒に挑戦を続けたいと思っています。

飲食をデジタル視点で切り取った時、世界に通用する表現ができる。シリコンバレーなど海外の店舗で体感した思いを実現するチャレンジをしたい。生田社長はそう語ってくれた。日本が世界に誇る食文化とテクノロジーが交差した時、世界に向けてどのようなインパクトが生まれるのか?日本人としてとても楽しみである。
現在、株式会社凪スピリッツでは、デザイナーやマーケターなどインターネットの技術を持った方々の採用を始めている。また、経理など急速に成長する会社のCFOなども募集を開始している。
“風のないところに風を起こす”。というビジョンを体現する株式会社 凪スピリッツに興味を持った方はぜひ一度コンタクトを取ってみてはいかがだろうか?

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