NUP(ナップ)|動きのシェアを可能にするVRプラットフォーム
目印も何もない空の上を、飛行機は迷わず進みます。それは出発地と目的地をつなぐ空路があるから。 同様に、ナップは、属人的・感覚的で、捉え所もなく、理解することも伝えることも難しい「体の動き」そのものを、VR/AR技術によって可視化、わかりやすく共有できるようにし、「できない」から「できる」までの道筋を描きます。 ...
https://ima-create.com/nup/
こんにちは、イマクリエイト人事の葉山です。
イマクリエイトは「見るXR」ではなく「するXR」の研究開発に取り組んでいますが、「するXR」の技術を活かして開発したのが『ナップ』というプラットフォームだったり、『Groove Fit Island!!』というゲームだったりします。
今回はそういった開発事例をご紹介しながら、「するXRとは何か?」を掘り下げたいと思います!
ナップは、見たり聞いたりするだけではよくわからない「動き」を、3Dデータとしてシェアすることで、VR上に可視化された動きに重なれば誰でも正しいカラダの動かし方を学ぶことができるプラットフォームです。
スポーツをイメージしてもらうとわかりやすいのですが、カラダの動きは人に伝える際に「腰を入れて」「膝を使って!」などという具合に、抽象的にしか表現できません。(動きを習うときに、「腰を入れるってどこにどう入れるの?」みたいなことを思ったことがある人、多いんじゃないでしょうか??)
このように、動きは人によって解釈が違うことで、伝えることも理解することも難しいのです。
そこで、イマクリエイトでは、正しいカラダの動きをデータ化、お手本として可視化した上で人に渡し、渡された人はその動きになぞるように自分のカラダを動かすことで、カラダの使いかたを簡単に理解できるようにしました。これを「動きのシェア」と呼んでいるのですが、ナップはこうした「動きのシェアが行われる、VRのプラットフォーム」です。
現在は、上級者から初心者に動きをシェアし、それをトレーニングとして活用して頂くことが多いですが、企業から一般人にプロの動きを提供すれば動きが売り物になるかもしれませんし、人からロボットにシェアする、なんて使いかたもできるかもしれません。
”これまで扱うことができなかった「動き」がデータとして扱えるようになることで、様々な人の動きが様々に使えるようになる”。そんなことを思いながら、このナップというVRプラットフォーム上にたくさんの動きデータを集めていこうとしています。
イマクリエイトが一番最初につくった、誰でもけん玉ができるようになるコンテンツです。イマクリエイトのCTOの川崎はけん玉有段者なのですが、彼の動きをXR上で可視化し、その動きになぞるようにカラダを動かせば、誰でもけん玉ができるようになる、というものです。実際に、けん玉ができない人1128人に体験し、1087人がけん玉の技を体得しました!
「現実でも活きるバーチャル上で体験」のはじまりとなったコンテンツです。
けん玉できたVRの画面
コベルコE&M様と共同開発で開発したナップで、バーチャル空間内で溶接実習ができる、というコンテンツです。こちらはベテラン溶接工の方の動きを、若手溶接工にシェアできます。
溶接は1回あたりのコストが高く、しかも学習しようにもベテラン溶接工の手もとの動きが見えにくい上に、溶接時には強い光がでるので自分の手もとさえ見えにくい…など、実習で学ぶにはハードルが高いものでした。バーチャルであれば道具の購入も不要ですし、手元の動きだけを可視化することも、光を消すこともできます。
実技以上の習熟効果も見られ、「バーチャルでやってみる」ということの可能性を強く感じたコンテンツです。
ナップ溶接トレーニングの画面
京都大学様のために開発したナップで、バーチャル上で診察の練習ができる、というコンテンツです。コロナ禍で患者を相手にした実習ができなくなってしまったこともあり、非対面非接触でできる研修、というところから開発がはじまりました。こちらのナップは医師の動きを医学部生にシェアすることで、医師がどうやって診察しているのかが直観的にわかるようになっています。
ナップ:診察の画面。片方の手がお手本(=医者の動き)、片方の手が体験者の手(=医学部生)です。
ナップは、このように企業や大学など、toBでの展開を進めていますが、イマクリエイトではtoC向けのゲームも開発しています。それが『Groove Fit Island!!』。
これは、実際に自分のカラダを動かすことでプレイする、VRフィットネスゲーム。コントローラーを使ってバーチャル上でキャラクターを疑似的に動かす、ではなく、バーチャル上で実際に自分の身体を動かすので、本当に疲れます!これも「するXR」のひとつのカタチです。
テニスやラグビー、ボクシング、まきわりなど、様々なスポーツや運動をモチーフにしたVRゲームです。
上記の他に穿刺手技(※注射のように、刺すなど侵襲性を有する手技)をバーチャル上で行えるようにしたり、イマクリエイトでは「現実のようにバーチャル上でできるようにする」をコンセプトにした様々な「するXR」の開発に取り組んでいます。
「するXR」開発の面白いポイントは、現実ではできないことや現実ではありえないことができるようになるという、バーチャルならではの新しい体験をつくれることです。ただ、同時に、これはそう簡単にはできない難しいポイントでもあります。例えば、なかなか現実のようには挙動しなかったり、物体を物体が透過してしまったり、手の動きを読み取ってくれずロストしてしまったり、そもそもどうやってバーチャル上に実装すればいいのかがわからなかったり…開発中には、本当に様々なハードルにぶつかります。
ただ、だからこそ、これができるようになれば、例えば地球の裏側の一流技術者にワザを習ったり、モノや環境がなくても何かに取り組むことができるようになったり、世の中が変わってしまうようなインパクトも起こせるようになるのではないかな、とも思います。
イマクリエイトの目標は”「XRでやってみる」が当たり前になった世の中を実現する”です。
この実現に向けて、「動きをシェアする」の他にも、「動きをリアルタイムかつ複数人でシェアする技術」の研究など、「するXR」をより多くの人に提供するためのビジネスを広く検討しています!
少しでもご興味あれば、ぜひご連絡下さい!
※今回ご紹介した『ナップ』と『Groove Fit Island!!』のホームページも、よかったらご確認下さい!