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いしはる、bitFlyer プロフェッショナルを探ってみた。#1 | システム開発部 宮本 丈

こんにちは、いしはるです。

社員インタビューシリーズの初回は、ビットコインの専門家!

bitFlyer テクノロジー本部 システム開発部 仮想通貨開発 宮本 丈さんを直撃!!

入社に至った経緯や日々の業務、チームの雰囲気、ブロックチェーンエンジニアとしての考え、そして入社を検討している方たちへのメッセージまでたっぷりお伝えします。


ー 簡単に自己紹介をお願いします!

2023 年 12 月に bitFlyer に入社し、システム部門クリプトチームで主にビットコイン関連開発・技術監査を担当している宮本丈です。

京都大学を卒業後、国立がんセンターでデータ分析を主とした研究活動に従事していました。その後は、株式会社 CAMPFIRE 、ビットバンク株式会社で暗号資産関連開発を担当し、フリーランスとして Bitfinex(海外の暗号資産取引所)の OSS 開発、ビットコインの拡張プロトコル関連開発のお手伝いをしていました。


ー ブロックチェーン技術に興味を持ったきっかけは何ですか?

確か 2016 年頃だったと思います。新卒で入所した国立がんセンターでの業務の一環でプライバシー保護データマイニングというジャンルの論文を読んでいると “ ブロックチェーン ” という単語が頻出することに気づきました。特に Enigma というプロジェクトの論文が他と大きく毛色が違ったので深掘りすると “ Ethereum ” や “ スマートコントラクト ” といった単語が出てきました。そこから当時 ICO 直後だった Ethereum のブログを読み漁り、ブログで海外事例の紹介や翻訳を行っていたところ、暗号資産事業に取り組みたい企業から声がかかりました。


ー bitFlyer に入社することになった経緯を教えてください。

CEO の加納さんが X(旧 Twitter )上で新入社員の募集をしていたことがきっかけです。


ー 何が決め手になりましたか?

bitFlyer は、昔から存在感のある会社だったのである程度の情報はありましたが、決め手になったのは、海外取引所でのフリーランスの任期が終わったタイミングだったこと、技術面の親和性、社内に友人がいたことなどです。


ー 丈さんは確か採用キャンペーンの対象者でしたよね?

はい、入社祝金 1,000 万円山分けキャンペーンの対象者です。

(使い道は?)

Buy Bitcoin する予定です。

(使い道までさすがビットコインの専門家ですね)



ー 入社前後でギャップはありましたか?

あまりありませんでした。

しいて言うならば、私の入社する少し前から新規事業等で社内が忙しくなっていたため、変化が大きくキャッチアップが難しかったことでしょうか。

(私も社内が忙しい時期に入社したのでわかります…、でも働きやすい職場ですよね)

そうですね、働きやすいです!!


ー 現在の仕事内容を教えてください。

暗号資産の入出金関連機能の開発を担うクリプトチームで開発業務を行っています。


ー 1日の時間割を教えてください。

余裕がある日の1日としてはこんな感じです。

10:00 出勤、その日の作業のチェック、チャットの返信やコードレビュー

12:00 昼食

13:00 コーディング or 文書作成、日によってミーティング

18:00 業務関連知識のリサーチ・提案

19:30 退勤

もちろんプロジェクトが立て込むなどして夜遅くまで働いている日もあります。メリハリをもって働けるところも bitFlyer の魅力だと思います。


ー チームの雰囲気はどうですか?

チームは現在 8 名で、半数以上が外国籍。20 ~ 30 代のメンバーが中心です。

コミュニケーションは英語が中心で、皆ブロックチェーンへの熱意があって話しやすいですが、お互いプライベートなどに過干渉しないのでやりやすいです。


ー 使用している技術スタックを教えてください。

C# / Node.js / Azure / Azure DevOps / Git / Docker / Terraform / Azure SQL

ほかはブロックチェーンプロジェクトごとに様々です。


ー デスク上にあるものを紹介してください!

キーボードは会社指定のものです。希望すれば好みのキーボードを会社経費で購入できる福利厚生があります。bitFlyer には社員それぞれがパフォーマンスを最大化できる環境を与えてくれるカルチャーがあると思います。


(これは何ですか?)

去年の bitFlyer の忘年会でビンゴ大会があり、その景品でもらったホットアイマッサージャーです。

奥にあるのは、首元をマッサージするものです。

デスクワークで目や首が痛くなるので疲れた時に使っています。


(装着してみてください!)

(シュールですね。)

(それでは真面目なお話を…)


ー プロダクトを設計・開発・運用するうえで難しいと思う点は何ですか?

bitFlyer に限ったことではありませんが、暗号資産というのは比較的新しく、日進月歩な分野なので共通の語彙・知識を持つことが難しいです。

また、セキュリティクリティカルな部分の変更の難しさもあります。

暗号資産取引所は、求められるマインドが IT 企業よりも金融機関に近く、コンプライアンス遵守に気を使う必要があります。

それどころか従来の金融機関よりもはるかにセキュリティに気を使う必要があります。そのため、システムの変更点についてリスク・リターンなどを詳細に説明し、同意を得る必要があります。これはどうしても時間のかかるプロセスです。“ Done is better than perfect ” 的なマインドが通用しません。セキュリティと保守性または開発速度との間にトレードオフがある際には常にセキュリティを優先する必要があります。

前職の海外取引所に比べて bitFlyer は、特にセキュリティ・コンプライアンス重視の傾向が強いことや業界全体でセキュリティの重要性の認識が上がっていること、私自身がキャリアアップとともに以前よりも会社の根幹部分にコミットすることが増えたことなどから、以前よりもこのような傾向が強まっていると感じています。

そのほか、あまりポピュラーではないブロックチェーンの詳細を正確に把握する必要がある点、匿名性がセキュリティに直結しており、常に推進すべき目標であると理解してもらうことが難しいと感じる点です。




ー 注目しているブロックチェーン関連の技術やトレンドはありますか?

“ Lightning Network ”

ビットコインの決済をオフチェーンで行うプロトコルです。長期的には Web 全体の支払い技術の標準になるでしょう。

ビットコイン関連に多いトークンのないプロトコルは、推進主体が資金調達をするのに時間がかかるため過小評価されがちですが、高い中立性を保てるので、そこに立脚したビジネスを作る企業が登場すれば長期的には生き残ります。そういった技術の把握が私の使命であると考えています。


ー 中央集権型のサービスを提供する会社でブロックチェーンエンジニアとしてできることは何だとお考えですか?

オープンプロトコルや OSS の開発者と、我々業務用のシステム開発者との間には距離があり、その間をどう埋めるかというのは CopyLeft / FreeSoftware 運動以来の IT 業界の不変のテーマです。私は、ブロックチェーン / web3 という分野においてもその構造に大きな変化はないと考えています。この 2 種類の人種には様々な点で考え方の違いがあります。例えば前者は常に匿名性を最大にしようとしますが、後者は監査基準を満たすことが優先です。前者は個々人が自身で秘密鍵を管理しなければ意味がないと考えますが、後者はお客様の資産を預かる責任をどう全うするかを考えます。前者の考え方を理解しつつ、どのようにお互いが健全にかかわっていけるかを考えるのが、ブロックチェーンエンジニアの仕事です。

具体的には、オープンプロトコルから業務に役立ちそうなものを取り入れたり、逆に業務から生じた必要性から新規プロトコルを提案したりします。

現実の経済活動に立脚していなければプロトコルは空虚なものになってしまいますので、このような関わり合い方がお互いにとってベストです。

いわゆる非中央集権型といわれるサービスも、運営主体 (あるいはトークン発行主体) が存在する限りはこの構造からは逃れられないと考えていますが、非中央集権サービスは将来性が不透明なものがほとんどです。

現状、ブロックチェーン関連サービスとして最も健全に長期間続いているのが暗号資産取引所です。コンプライアンスに準拠した暗号資産取引所は常に必要であり続けるため、今後もかなりの期間生き残り続けると思います。

したがって、皮肉ではありますが多くの非中央集権サービスで働くエンジニアよりも、取引所で働くエンジニアのほうが長期的視野で考える余地があります。

そのため、プロトコル・ビジネス間の連携により双方の長期的な発展を促進するのが、取引所におけるブロックチェーンエンジニアの役割だと考えています。


ー bitFlyer に入社してよかったことはなんですか?

同僚が皆優秀できちんとコミュニケーションがとれますし、経営陣が業務の優先順位をトップダウンで示してくれるところです。


ー ブロックチェーンエンジニアになるために必要なスキルや知識はなんですか?

・暗号学の基礎知識

・IT エンジニアとしての基礎知識

・ビットコインの仕組みに関する基礎知識

・ブロックチェーン技術の将来性に対して明確なビジョンがあること

・暗号資産技術の発展を自分事としてとらえられるようなライフスタイル上の目標があること


ー ビットコインの専門家と呼ばれるまでに詳しくなれた要因はなんですか?

ひたすら調べたり、ブログを書いたり、勉強会で発表したり OSS 開発に参加したことですね。


ー これから bitFlyer に入社する方たちへメッセージをお願いします。

bitFlyer は、停滞の時期を抜けて大きく業務を拡大しようとしています。

ビットコインの普及が社会をよりよくすると信じる方ならば、このようなタイミングでこの会社にジョインできると、お互いにとって大いにプラスになることかと思います。

時代の変革の最前線に、是非一緒に立ち合いましょう!



取材後記

宮本さんは、話しやすく、レスポンスが早く「仕事ができる方だな」と感じるポイントが節々にありました。暗号資産、特にビットコインへの造詣が深く、宮本さんの考えは同じ業界で働く、あるいは働きたいと考えている方にとって非常に参考になるものでした。宮本さんの活躍が bitFlyer、さらには業界全体の飛躍につながると感じました。今後も bitFlyer のプロフェッショナルなブロックチェーンエンジニアの活躍に大注目です!


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