1
/
5

地方学生のキャリア教育と地方企業の採用課題を解決する。【会員企業紹介/ウォンテッドリー株式会社】

中四国地域最大規模の"次世代型DXオープンイノベーションプラットフォーム”である『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』。デジタルコミュニケーションツール「Slack」を通して産学官金が連携し、簡単・迅速にお互いの課題を解決できるエコシステムです。2021年10月の発足から1周年を迎え、​会員企業数は70社以上、会員数は200名を突破。これまでは難しかったようなイノベーションの創出と地域経済の活性化が日々進められています。

今回は『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』のゴールド会員であるウォンテッドリー株式会社にインタビューを行いました。参画した背景と目的、実際に進めているプロジェクトやその反響、今後の展開についてお聞きしています。

ウォンテッドリー株式会社

『シゴトでココロオドルひとをふやす』ために、はたらくすべての人が共感を通じて「であい」「つながり」「つながりを深める」ためのビジネスSNS「Wantedly」を提供しています。2012年2月のサービス公式リリースから現在まで、登録会社数37,000社、個人ユーザー数350万人を突破し、国境を越えて『はたらくすべての人のインフラ』を創っていきます。

<会社概要>
HP: https://www.wantedly.com
本社:東京都港区白金台5-12-7 MG白金台ビル4F
設立:2010年9月 資本金:2億5000万円 従業員数:108名


PR Chapter Leader
奈良 英史(なら ひでふみ)

茨城県出身。慶應義塾大学大学院卒業後、旭化成株式会社に新卒入社。石油化学コンビナートで計装エンジニアとして、計測機器の設計・調達・工事などを担当。その後、ITベンチャー企業でゲームアプリのサーバーサイドエンジニア、ゲームプランナーを経験し、日本最大手の総合PR会社へ転職。約4年間、様々な企業や自治体のPRコンサルとして活躍する。そして2019年4月に「ものを創る側にいたい」「価値観が合う、ビジョンある会社に入りたい」という想いから、ウォンテッドリー株式会社に入社。コーポレート広報として、自社に関する話題やプロダクト関連の社外向け発信を担っている。


Public Affairs
村岡 健太(むらおか けんた)

広島県出身。大阪大学大学院卒業後、大阪の専門商社に総合職として新卒入社。海外駐在などを経て、デロイトトーマツグループへ転職。名古屋と広島でコンサルタントとして活躍した後、内閣府の「プロフェッショナル人材事業」を担当すべく広島県庁へ出向し4年間勤務。年間300〜400名の経営者を訪問して経営課題を整理し、最適な人材紹介会社へ取りつなぐという業務を経験。数多くの人材サービスに出会う中で「Wantedly」が地方企業の採用課題解決の糸口だと確信し、2022年7月ウォンテッドリー株式会社に入社。「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」での活動における窓口を担っている。


参画理由は、地方における学生と企業の採用課題を解決するため。

ーー「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」に参画した理由を教えてください。

奈良さん:

ウォンテッドリーは「シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションを掲げている会社です。企業の潜在転職者への認知形成・共感を軸とした"人と企業の出会いの創出”を提供しながら、入社後の定着・活躍を支援するエンゲージメント事業を推進しています。

「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」への参画は、まさに私たちが掲げるミッションを実現するための大きな機会だと考え、決定しました。地方の学生がキャリアについての知見を得て、仕事に夢中になれるようなキャリアを作ってもらうことが、一番の目的です。

ここ数年コロナ禍の影響により、企業のやり取りだけでなく学生の授業や就職活動でもオンライン化が加速しました。オンライン化によって情報取得手段の平準化が進んだ一方で、就職活動においては、地方在住学生と首都圏在住学生との情報格差を訴える声が多くあがっています。

たとえば、キャリアに関する知見を得るために有用である長期インターンシップ。インターンシップは、自分がどんな仕事が好きなのか、また向いているのかに気づくことができる良い機会です。しかし、地方では実践している企業がまだ少なく、インターシップ自体は知っているけど、どう進めればよいかわからないという企業も多いと考えています。採用企業目線で見れば、これは間違いなく学生と接点を作る上での機会損失です。そのような採用課題を多く抽出する中で、地方企業への採用活動の啓蒙や取り組みを、当社では検討していました。

地方課題を解決するために、46道府県に満遍なくアプローチするリソースはないので、1つの県で集中的に取り組み、効果の有無を検証していこうと考えました。そんな中で出会ったのが、広島県です。10年間でユニコーン企業を10社創出することを目標とする「ひろしまユニコーン10」を掲げ、スタートアップ支援に注力されている広島県の取り組みに私たちは強く共感しました。そこで当社は、広島を中心に中四国の企業や大学を複数訪問したのです。

企業と学生双方の声を聞く中で、地方における学生のキャリアづくりや企業の採用課題を解決するには、産学官金で連携した取り組みが必須と考えるようになりました。まさにそれを体現していたのが「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」です。

まずは当社がこれまでに蓄積してきたノウハウや実績を元に、本参画を通した中四国地域における取り組みを実施し、地方における学生のキャリアづくり及び企業の採用活動における課題を解決していきたいと思います。そして、広島で解決手法を確立できたら、ゆくゆくは他県でも横展開したい考えもあります。地方課題を解決する”第一歩”となるのが、このコンソーシアムなのです。


広島大学や参画企業と連携し、学生に向けたキャリア教育を実施。

ーー「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」で、どのような取り組みをされていますか。

村岡さん:

2022年の7月に参画してから約半年間にわたって、ウォンテッドリーでは大学生に向けたキャリア教育を行ってきました。たとえば、広島大学が学生向けに開催している全15回の「アントレプレナーシップ」の授業では、当社が4回分の授業を担当。「スタートアップの成功とは」「自己理解ワークショップ」「強みの分析」など、学生に知ってほしい起業の魅力やどのようにして起業力を養っていくべきかなどを講義しました。演習形式の授業もあり、授業に参加した学生からの評価も非常に高いものでした。

また、「大学生向け特別オンライン講義@中四国 キャリアデザインサポートプログラム」と題して、広島大学を含めた中四国の大学生に向けてキャリアに関する特別オンライン講義も開催しています。2022年10月から2023年3月にかけて毎月1回、講師の方がキャリアデザインに関する講義を実施し、中四国の学生の皆さんが自身のキャリアについて考えるきっかけを創出できるよう尽力しています。

「採用・人材業界に関する歴史から今のトレンドを紐解こう」というテーマから始まり、「長期インターン経験者の23卒に聞く!リアルインターン体験談」や「働きがいとは何か。異なる業種・職種の社会人の声を聞こう」「自分の強みやミッションを知ろう。自己分析ワークショップ」など、学生が知りたいテーマで開催しました。

ーー「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」だからこそ実現できたことはありますか?

村岡さん:

首都圏では知名度があがってきて、活用してもらえる企業も増えてきた当社ですが、地方の企業や学生からの認知度はまだまだですので、コンソーシアムを通して広島大学の学生に対して講義することができたのは、当社にとっても非常に有意義な時間になりました。また講義では毎回テーマに沿った方に登壇してもらったのですが、今回「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」で知り合ったカルビーフューチャーラボの方にも講義に登壇してもらいました。普段の仕事内容や働き方を紹介してもらったのですが、学生にとって大きな学びがあったと思います。関東圏の学生は社会人の方と触れ合う機会が多いと思うのですが、地方の学生はとても少ないんですね。いろんな社会人の方のお話が聴ける今回のオンライン講義は非常に価値があるものだと考えています。

私たちの活動を通して、学生に自分のキャリアについてしっかりと考えてもらう機会になれたなら、大成功だと考えています。将来やりたいことや強みなど、自身に関する理解を深めてもらい、将来のキャリアを決める上でのきっかけになれたら、そんなに嬉しいことはありません。


企画から実施までのスピードの速さと、企業間連携の手軽さ。

ーー「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」に参画するメリットは何でしょうか。

奈良さん:

まず挙げられるのが、コンソーシアムという協力連携体制が生み出すスピードの速さでしょうか。企画から実施まで、とてもスピーディーなのです。コンソーシアムというネットワークや協力体制がなければ、当社単独で広島でイベントを開催しようとしてもかなり大変で、継続はできないと思います。実際、以前に広島でイベントを開催した際は、3ヶ月かけてやっと1つのイベントを実施できたスピード感でした。しかし今は、約半年間で10個以上の講義イベントが開催できています。広島大学さんに学生集客のお手伝いをしてもらい、中四国の大学連携でパブリックビューイングの講義も実施するなど、コンソーシアムに参画していなければ実現できないことでした。例えるならば、参加している全70社以上の会員企業が私たちの味方であり協力者になってくれるので、こんなに心強いことはありません。

村岡さん:

コンソーシアムに参画することで、信頼度を上げることができたと思います。大前提の話ですが、当社のような人材サービスを展開している企業は、首都圏とは異なり、まだまだ地方での信頼獲得が十分だとは言い切れない状況で、当社のようなベンチャー企業は尚更です。だからこそ、産学官金のコンソーシアムに入ることで、行政・大学と連携することができ、信頼度向上が図れることは大きな利点になるでしょう。実際、今回当社が開催したイベントを広島県庁のSNSでも告知してもらえました。その地域に対して、信頼できる企業というイメージを持ってもらえることは、企業がビジネスを進める上で大きな安心になります。

また、その他の利点としては、コミュニケーションツールとしてSlackを使用している点が挙げられます。首都圏の企業ではお馴染みのツールですが、まだ地方都市では珍しいんですよね。メールや電話、中にはFAXを使ったビジネスコミュニケーションをする企業も少なくありません。だからこそ、いつでも簡単にコミュニケーションが取れるSlackはとても便利です。参画企業に気軽にDMが送れて、そこから1つのビジネスが生まれるかもしれないですから、魅力ですよね。ウォンテッドリーでも、Slack内に「採用相談チャンネル」を設けて、いつでも気軽に相談できるようにしています。採用って本当に大事なのに、これまでは結構なおざりにされてしまう課題がありました。大学発ベンチャーの事業発展の支援内容では資金調達や特許・海外展開についてなどはよく話に挙がるのですが、採用の話は必要性を認識しつつも、支援策として充実していないのが現状です。そこを改善・啓蒙していこうと考えています。

ーー 今後の展望について教えてください。

奈良さん:

「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」での活動を通して、地方における学生や企業の課題解決のモデルケースをつくっていけたらと思っています。行政や地方企業と連携して実現できた成功事例を、ゆくゆくは他の地域にも展開していければという考えです。

村岡さん:

地方創生のロールモデルをつくるという点をコンソーシアムが掲げているように、ここで成功すれば、地方全国に拡がっていくポテンシャルがあるプロジェクトだと思います。とてもやりがいがありますし、日本の未来を変える一役を担える点も大きな参加意義になるのではないでしょうか。

奈良さん:

だからこそ今後はもっと企業間連携を進めて、さまざまなイベントを実施していきたいですね。小中高生へのキャリア教育や、企業側への長期インターンシップに関する働きかけ、仕事に夢中になるための要素の一つとして重視している「共感」に関する共同研究などを実施したいと考えています。これらがすべて実現できるのも、産学官金が連携したコンソーシアムだからこそです。ウォンテッドリーの今後の取り組みにご期待ください。

『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』では、参画していただける会員企業を募集しています!!

産学官金が連携した、中四国地域最大規模の"次世代型DXオープンイノベーションプラットフォーム”で、貴社が抱える課題の解決や、新たな事業を創出してみませんか。

詳細は、こちらをご覧ください!

▼お問合せ先
広島大学 ひろしま好きじゃけんコンソーシアム事務局
HP:https://www.sukijyaken.jp/contact
Mail:sukijyaken@ml.hiroshima-u.ac.jp
TEL:070-1542-7123

30 いいね!
30 いいね!

今週のランキング

小林 遼平さんにいいねを伝えよう
小林 遼平さんや会社があなたに興味を持つかも